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サイトフィッシングによるチヌ前打ち釣法の紹介

 

<更新履歴>

2020.09.10

 1.1.2. ■護岸の石畳が狭い見えチヌを釣る方法章を追加

 1.1.1.1. ■仕掛け章に推奨する針の紹介を追加

 1.1.1.2. ■餌付け章に「死んだカニについて」を追加

 1.1.1.7. ■誘いと合わせ章に「重要ポイント」を追加

 

=== 目次(タップでジャンプ) ===

 

1.1. ■見えチヌを釣る実践

1.1.1. ■砂地の海底に居る見えチヌを釣る方法

1.1.1.1. ■仕掛け

1.1.1.2. ■餌付け

1.1.1.3. ■チヌを発見する方法

1.1.1.4. ■前打ちする戦略を組み立てる

1.1.1.5. ■餌打ちする方法

1.1.1.6. ■餌打ちするポイント

1.1.1.7. ■誘いと合わせ

1.1.1.8. ■餌の回収

1.1.1.9. ■発見したチヌが釣れる確率

1.1.1.10. ■釣るためのポイント

1.1.2. ■護岸の石畳が狭い見えチヌを釣る方法

1.1.2.1. ■釣れる護岸条件

1.1.2.2. ■仕掛け

1.1.2.3. ■餌付け

1.1.2.4. ■チヌを発見する方法

1.1.2.5. ■前打ちする戦略を組み立てる

1.1.2.6. ■餌打ちする方法

1.1.2.7. ■合わせ

1.1.2.8. ■餌を回収時の竿の操作

1.1.2.9. ■釣り易い条件

1.1.2.10. ■釣るためのポイント


 

 

1.1. ■見えチヌを釣る実践

様々な護岸形状に付いている見えチヌを発見してから餌を打って釣るまでの手順を実践に即した形で紹介します。

 

1.1.1. ■砂地の海底に居る見えチヌを釣る方法

見えているチヌを釣る中で、下記の写真のように、透明度の高い水深30cm程度の浅場の砂地の海底に居るチヌは、危険を察知されて逃げられることも多いですが、釣れた時は障害物が無いため、チヌの全ての行動を目の当たりにできるので一番楽しい釣りです。

具体的には、竿を振ってカニ餌が着底した後にカニの動く様子や、チヌがカニに気付いて近寄ってカニの様子を観察し、違和感が無ければ食う様子や、食い終わって移動するとラインがスーッを引き込まれて、合わせるとチヌが横になりいぶし銀をキラリとさせて猛ダッシュで逃げて竿が絞り込まれるまでの、一連の情景を目の当たりにできるのです。それも釣れるチヌは40cm以上の良型サイズです。

 

 

砂地の海底に居るチヌにカニを打って、食ってくる確率は2~3割程度で大半のチヌは逃げますが、次のチヌは何とか食わせようと俄然やる気がでて、チヌを求めて気付けば1Km以上も歩いてしまう事が多々ありますが、目の当たりにするチヌの行動を見ていると、逃げてもカニを食ってもワクワクします。

また、濁りなどで見えないチヌを釣る場合の、観察したチヌの行動を想定しながら釣りができますので、釣果が上がると考えています。

 

様々な構造物回りに付いているチヌをサイトフィッシングで釣る事ができますが、浅場の砂地に居るチヌは是非とも挑戦して頂きたいです。

 

1.1.1.1. ■仕掛け

<竿>

5.4mの竿を使います。

以前は、チヌに気付かれないように6.3mの長竿を使ってチヌから離れて釣っていましたが、穂先がフィッシュウィンドウ内に入り易く、竿を振った瞬間に逃げるケースが多かったです。また、打った餌を回収するために竿を立てた時に、狙っていないチヌが起こした竿に気付いて逃げることも有りました。5.4mを使うようになって、6.3mの竿より更にチヌに近付く必要がありますが、5.4mの竿の方が釣果が上がっています。

 

<ハリス>

ハリスの長さは2mです。

透明度が高い場合は、ハリスが短いとPEラインが臨界角の内側に入って気付いて逃げる可能性がありますので、1.7号を2m程度にします。但し、濁りが有りチヌが見え難い場合は、ハリスを短くしても問題ないです。

ハリスの太さについては、1.2号から2.0号まで試しましたが、チヌの気付きに変化はありませんでしたので、現在は1.7号を1年中使っています。

 

<針>

針はチヌ針1号を使います。

砂地の海底で釣る場合は、チヌに見切られないようにカニに隠れるチヌ針1号を使います。

お勧めの針は、餌はカニだけ使いますので、硬い甲羅のカニでも刺した時にスーッと刺せる下記の写真です。

商品のキャッチコピー 「特殊表面コートによる比類なき貫通性能」(確かにカニを刺した時の針の入り方は他の針とは明らかに違います。

 

 

<ガン玉>

針に付けるガン玉は、チヌに気付かれないように早く餌を着底させるために2Bを基本的に使いますが、無風で波が無い状態であれば、着水音を小さくさせるためにBを使う場合もあります。

 

<仕掛け>

 

 

 

1.1.1.2. ■餌付け

●カニ

砂地の海底で見えているチヌを釣るにはカニの食いが断然良いです。

ゴロタ石が点在している砂地の場合は、イガイを使う場合もありますが、チヌがイガイに気付かないケースが多いのでカニを使います。

カニのサイズは、甲羅のサイズが100円玉前後のサイズを使います。小さいカニを使うと、クサフグの猛攻を受けてカニを食われます。何故かクサフグがカニを食っていると、チヌは横取りせず遠巻きにみているケースが多いです。大きめのカニを使うとクサフグは躊躇するようで、直ぐには食ってきません。

また、着水音を小さくするためガン玉を小さくすると、カニが着底までの速度が遅くなり、クサフグの猛攻を受け易くなりますので、ガン玉の選択は状況みながら判断します。

 

<重要>

砂地の海底に居るチヌを釣る場合は、死んだカニを何度も試しましたが食ってきませんでした。必ず元気なカニを選択します。

また、海底が砂地では餌となるカニの状態もチヌからしっかりみえますから、チヌに警戒されないように針が見えなく刺すことは重要です。

 

●カニの付け方

針が見える下記の写真のような刺し方は、チヌがカニに気付いて20cm程度まで近寄ってきますが、針に気付くのか危険を察知して逃げるチヌを何度も見ています。

 

 

針が見えない下記の刺し方だと、チヌは違和感を感じずカニを自然に食ってきます。

針が見えない刺し方に変更し、更に臨界角とフィッシュウィンドウを意識するようになって、浅場の砂地の海底に居るチヌが釣れる確率が格段に向上しました。

 

 

 

 

 

 

1.1.1.3. ■チヌを発見する方法

先ずは、チヌが釣り人に気付く前に、釣り人がチヌを発見する事です。

そのためには、10m以上離れた場所からチヌを発見できるように、少しでも高い位置で水際から離れて歩けるコースを考えます。また、太陽を背にした方がチヌを発見しやすいです。太陽に向かって歩くと、水面が太陽光で反射してチヌを発見が難しくなります。

竿の持ち方は、歩く方向に水平にして寝かせて持ちます。竿を立てて持つと、フィッシュウィンドウ内に穂先が入ってチヌが逃げる可能性が高まります。

 

 

 

1.1.1.4. ■前打ちする戦略を組み立てる

チヌを発見したらチヌの行動を観察し、チヌの行動により前打ちの戦略を組み立てます。

 

●餌を食っている

チヌの正面方向の1.5m以上先に餌を打ち、ゆっくりチヌに餌を近付けて、チヌが気付いたら止めます。

チヌが気付く距離は、餌を夢中にためている場合は、50cm程度まで近付けないと気付かない場合もあります。

 

●餌を探して泳いでいる

泳いでいく方向の1.5m以上先に餌を打ち、チヌが近づくまで待ちます。チヌが気付かず通過しようとする場合は誘いを掛けますが、その時の注意点は、PEラインは水面から出して水中にはハリスだけになるように、またフィッシュウィンドウに竿が入らないよにゆっくり操作します。PEラインが水中でテンションが掛かった状態で動くと危険を察知して逃げる可能性が高いです。

参考までに、PEラインが緩んだ状態で水中を漂っている場合は、チヌの警戒は薄らいでいるように見えます。

 

●水面付近に浮いてじっとしている

特に複数匹で群れて水面に浮いているチヌは、活性が低いチヌでして餌を打ってもカニを食う確率はかなり低いです。今まで何度も、浮いているチヌに餌打ちしましたが、釣れた事は無いので、このような行動を取っているチヌは無視して次を探します。

ただ、1匹だけ浮いているは、釣れる可能性がありますので、チヌの正面の1.5m以上先に餌を打って誘いを掛けると、カニを見つけて海底まで潜ってきて食う場合があります。

 

●濁ってチヌが見えない

砂地の海底のポイントは、海底に変化が無いので闇雲に餌を打っても釣れる可能性は低いので釣りません。チヌが付きそうな石畳やゴロタ石場のポイントでブラインドフィッシングを行います。

 

1.1.1.5. ■餌打ちする方法

<水平角20度以下に移動>

チヌを発見すると、チヌの真上の水面のポイントから釣り人の頭の高さを水面基準に水平角が20度以下で、できるだけチヌに近付いて餌打ちできるように水際まで下ります。

 

 

<チヌにゆっくり近付く>

釣り人の頭の高さが水面から2mとした場合に、水平角20度でチヌに近付ける距離は約6mまで近付けます。

注意点は、早い動きで近付くとチヌが逃げる確率が高まりますので、ゆっくりした動作で近付きます。

 

 

 

 

1.1.1.6. ■餌打ちするポイント

カニを打つポイントは、写真のようにチヌの前方1.5m以上のポイントが、餌を打てる範囲が広いため竿操作が容易です。

波が立っていれば、勝負の早いチヌの後方の尾びれの横にのピンポイントで餌打ちします。この場合は、カニに誘いを掛けなくても、側線器官でカニの動きを感じ取るのか、数秒で振り向けてカニを見つけて食ってきます。ただ、少しでもポイントがチヌの前方方向にカニが着水すると、チヌはビックリして逃げ出しますので、繊細な竿操作が必要です。

 

 

餌打ちするには、水面基準に水平角20度の範囲内で竿を寝かせて振ります。20度以上に竿がでるとフィッシュウィンドウ領域となり、チヌに危険を察知されて逃げ出す可能性が高くなります。

 

 

 

PEラインは、臨界角の内側に着水させるとチヌは危険を察知して逃げ出す確率が高くなりますので、必ず臨界角の外側に着水させるようにします。なおハリスは、臨界角にの内側に着水してもチヌが逃げ出す確率は低いです。

 

 

1.1.1.7. ■誘いと合わせ

<誘い>

下図のように竿を平角20度以内の範囲で操作して、カニをゆっくり引いてチヌに近付けて、チヌが気付いた瞬間に竿を止めます。チヌがカニに気付く距離は、透明度が高いと概ね0.5mから1.5m程度で気付きます。

カニを近付ける際の注意点は、臨界角の内側をPEラインが通過しないよう竿を操作します。

チヌがカニに気付いてからは、釣り人の体や、竿の動きは止めて、チヌを動きを観察します。チヌがカニに近寄って観察し、危険を察知するとチヌは逃げますが、違和感を感じなければカニを食ってきます。

重要事項として、チヌがカニを発見後に、竿を操作してカニを移動させると、大半のチヌは危険を察知して逃げ出しますので、チヌがカニに気付いたらPEラインはテンションを掛けず緩めて待ちます。

 

 

<合わせ>

穂先でアタリを取りたく、PEラインにテンションを掛けて待つと、チヌがカニを食って穂先がコツン曲がるアタリでラインにテンションが掛かり、チヌは違和感を感じてカニを離す可能性が高いので、アタリは穂先では無く緩めたラインの動きで取ります。

食い終わると次の餌を求めてゆっくり泳ぎ始めると、PEラインがスーッと引き込まれるので合わせるタイミングは取り易いです。しかし、居食いの場合は、チヌがその場でじっとして、口の中でカニをコロコロ回しながら食っており、合わせるタイミングが難しいです。この場合は、竿をフィッシュウィンドウに入らないようにゆっくり起こして、ラインを張って穂先が抑え込まれれば合わせます。抑えた穂先が戻った場合は、カニがすっぽ抜けた可能性がありますので、すかさずラインを緩めるとチヌは口から出たボロボロのカニを食ってきます。待ちすぎると、チヌの口の中でカニをコロコロ回している時にカニがクシャクシャになって針がカニから外れて吐き出されます。

居食いの場合の合わせるタイミングは経験を積むしかないです。

チヌが掛かると、海底が砂地なので、引きを楽しみながら取り込めばよいです。

 

★重要ポイント

居食いが多い場合は、餌を口の中でコロコロ回して食っている時に異物となるガン玉付きの針を吐き出す事が多くなります。原因と思われるのが、重いガン玉を使っていると餌と区別して吐き出しているように見えます。この対策とし2点実施しています。

 

①ガン玉を軽くする

食い込みを良くするために、ガン玉を例えば2Bを使っていれば、Bに変更します。

但し、ガン玉を軽くすると、カニが着水してから海底に着底するまでの時間がかかりますので、その間にチヌに気付かれると違和感を感じて逃げ出します。私自身は、2Bを基本的に使い、居食いが多い場合は、水深が50cm程度まではBを使いますが、水深が1mを超えると居食いが多くても2Bを使ってます。

 

②カニ餌を大きくする

カニ餌を大きくすると、ガン玉に2Bを使っても針を吐き出す事は少なくなるように感じます。

例えば甲羅サイズが1円玉より小さいサイズのカニを使うと、針を吐き出す事が多いと感じますので、大きなカニを使います。

 

1.1.1.8. ■餌の回収

餌を回収する場合は、真上に竿を立てると、釣り歩く先のチヌが竿に気付き危険を察知して逃げ出す可能性がありますので、歩いて来た後方に竿を斜めに起こして餌を回収して、少しでも高い位置に歩くコースをとりながらチヌを探して歩きます。

 

 

 

1.1.1.9. ■発見したチヌが釣れる確率

砂地の海底に居るチヌを発見して、カニを打って釣れるまでの工程で、チヌが逃げない確率を工程毎に表に経験的な勘ですがザックリまとめました。

下記の表から分かる事は、例えば10匹のチヌを発見して前打ちを行った場合に、餌を食うのは2~3匹で、針掛りして釣れるチヌは1~2匹程度となります。

 

No

工程

チヌが逃

げない確率

逃げる理由

フィッシュウィンドウを意識して竿を振ってカニをチヌの1.5m先に打つまで

8割

多いのが風の影響でカニがチヌの近くに着水

打ったカニが着水して沈んで着底するまで

6割

1m程度の水深で沈むカニに警戒して逃げる

チヌがカニに気付いて食うまで

2~3割

カニ餌を見切って逃げる

カニを食ってチヌが針掛りして釣れるまで

1~2割

食ったが針掛りが悪くスッポ抜ける

 

1.1.1.10. ■釣るためのポイント

浅場の砂地の海底に居るチヌを釣る場合のポイントをまとめました。

 

・針に付けるガン玉

フグが居なければ、Bを使って着水音を小さくする。フグの猛攻を受ける場合は2Bを使って着水音が大きくなるが早く海底に沈める。

・餌と刺し方

餌はカニを使い、チヌに見切られない刺し方を行う。

・臨界角とフィッシュウィンドウ

臨界角とフィッシュウィンドウを考慮して竿を操作しないと、チヌは餌を打つ前に危険を察知して逃げ出し釣りにならない。

・餌の誘い

チヌがカニに気付いたら動かさず待つ事。

・アタリの取り方

テンションを掛けて穂先で取るのでなく、緩めたラインの動きでアタリを取る。

 

1.1.2. ■護岸の石畳が狭い見えチヌを釣る方法

護岸構造が下図のように石畳まで3m以上の高さがあると、護岸上からチヌを覗き込んだ場合に、スネルの法則からすると、フィッシュウィンドウに入っており、チヌとの距離も5mと短いので、チヌは釣り人に気付いて逃げるハズですが、何故か逃げないチヌが多いです。理由はハッキリ分かりませんが、経験的観点からチヌは真上の釣り人がゆっくり動いた場合には気付いていないと思われます。

また、餌を打つため単純に竿を振るとチヌは逃げますが、竿振り方によってはチヌは逃げないので、釣り方をマスターすれば、護岸の上からお手軽に釣れるようになります。

釣り方や釣れる護岸条件などを本章で紹介します。

 

下記の2つの写真は、それぞれ別の場所で撮影していますが、同様な釣り方ができます。

 

 

下記の写真は、護岸の上から覗き込んで写真を撮っても、釣り人に気付かないのか、気付いていても安全と思っているのか逃げないです。

理由が分からず不思議なので、科学的に解明したく調査中です。

 

 

1.1.2.1. ■釣れる護岸条件

護岸の上から釣れる護岸形状や条件について紹介します。

 

必須条件① 護岸の高さが約3m以上

護岸の高さが3m以上あるこです。

覗き込んでもチヌが気付かないのか逃げずに餌を探して泳いでいます。ただ、高すぎると玉網の柄が長くないと取り込むめないので限度はありますので、適正な高さは、玉網の柄を5~6mとした場合は、護岸の高さが3~4m程度と思います。

4m以上の高さの場合は、近くに河川に降りれる階段等がある場所までチヌを引っ張って取り込むことになります。

 

必須条件② 護岸が石畳で満潮で水没

1段の石畳になっており、満潮時に石畳が50cm以上水没することです。

必須ではありませんが、濁りでチヌが見えないときに、ブラインドフィッシングする場合に、石畳の幅が2~3mがチヌが付くポイントの絞り込みや、掛けた後のやり取りと、取り込みや容易です。

石畳の幅が10m程度ある場所でも釣る事は可能ですが、潮が石畳の上まで上がって来ると、チヌが餌を求めて泳ぐ場所が増えて、チヌが付くポイントがばらけて、チヌ探しに苦労します。また、石畳の幅が広いと、チヌを掛けて水没した石畳の上でチヌとのやり取りを行うと、石畳の隙間に潜り込んで根ズレでラインブレイクする場合もあります。

石畳の幅が狭いと沖でチヌとのやり取りを楽しんで、弱った頃に一気に石畳の上を引っ張って取り込むことが容易にできます。

 

釣り易い護岸条件をイラストを描くと下記になります。

 

 

 

1.1.2.2. ■仕掛け

<竿>

4.5の竿を使います。

チヌまで餌が届かない場合は、5.4mまたは6.3mの竿を使うしかないですが、竿を振った時にフィッシュウィンドウに竿が入るのか、チヌに気付かれ逃げる可能性が高くなりますので、竿を振り方に気を使う必要があります。

 

<ハリス>

ハリスの長さは2mです。また、根ズレに強いフロロカーボン100%を使います。

透明度が高い場合にハリスが短いとPEラインが臨界角の内側に入って気付いて逃げる可能性がありますので、1.7号を2m程度にします。但し、濁りが有りチヌが見え難い場合は、ハリスを短くしても問題ないです。

ハリスの太さについては、1.2号から2.0号まで試しましたが、チヌの気付きに変化はありませんでしたので、現在は1.7号を1年中使っています。

 

<針>

針は、チヌ針2号を使います。

餌にカニを使う場合は、お勧めの針は、硬い甲羅のカニでも刺した時にスーッと刺せる下記の写真です。

 

 

餌にイガイを使い場合は、黒色のつや消しを推奨します。

 

 

<ガン玉>

針に付けるガン玉は、チヌに気付かれないように早く餌を着底させるために2Bを基本的に使いますが、無風で波が無い状態であれば、着水音を小さくさせるためにBを使う場合もあります。

覗き込んでも逃げませんが、着水音にはとっても敏感なので、ガン玉の選択を重要です。

 

●重要

食いが悪い時に小さいカニを使う場合は、ガン玉も必ず軽くします。重いガン玉に小さいカニを付けると、チヌはカニを口の中でコロコロ回して食って、何故か餌とは違うとの思っているのか重たいガン玉付きの針だけ吐き出します。

 

<仕掛け>

 

 

 

1.1.2.3. ■餌付け

●餌の選択

石畳で釣る場合の餌の選択ですが、個人的にはイガイがベストと考えています。ただ、イガイは採取できる場所が少なく、カニでも良いかと思います。

もしカニを使う場合は、フタバカクガニをお勧めします。

 

●イガイ

イガイは、1cm程度の大きさを5粒程度の房で、ヒゲに針を引っ掛けるだけです。

チヌが居る水深が50cm以下であれば、ガン玉を外したノーシンカーにすると食いが良くなる気がしています。

但し、チヌが沈んで行くイガイを発見すると違和感を感じて逃げますので、チヌが気付かないように着底させるために、イガイを着水させるポイント選択が重要です。

 

 

●カニ

石畳で使うカニは、チヌが発見しやすいように甲羅サイズが100円位のカニを使います。

食いが良いフタバカクガニを使う場合は、甲羅サイズが500円玉位の大きめのカニを使います。

 

<重要1>

カニを使う場合は、チヌが見えないブラインドフィッシングの場合は、カニが着底後3~5秒程度で竿を立ててカニを回収します。着底後、長い時間置くと、カニが石の隙間に入って根掛します。

チヌが見えている場合は、根掛覚悟でチヌが気付くまで待ちます。

 

<重要2>

濁りで透明度が50cm以下であれば、死んだカニを使った方が釣果が良い場合があります。

死んだカニは石の間に入り込みませんので、餌打ちでチヌが逃げない少し離れたポイントに死んだカニを着底後、チヌがカニに気付くまでしばらく待つことができ、チヌが気付くと食ってくる場合がありまので、根掛を心配せず釣れます。

 

●カニの付け方

砂地の海底のように針の付け方は、神経を使う必要ないかと思いますので、以下の3通りの針の刺し方の何れかで良いかと思います。個人的にはカニの足の4番目から刺して爪の付け根に出す刺し方でやってます。

 

 

 

 

 

1.1.2.4. ■チヌを発見する方法

護岸の防波堤に上がらず、遊歩道などの路上からゆっくり覗き込みます。釣り人の動きは、ゆっくりとした動作を行うと逃げる確率は低くなりますが、釣り人が動作を早くするとチヌは危険を感じて逃げる確率が高くなります。

また、竿は立てて持ち歩くとチヌは危険を感じて逃げますので、護岸際に寝かせて持って歩きます。

 

 

1.1.2.5. ■前打ちする戦略を組み立てる

チヌを発見したらチヌの行動を観察し、チヌの行動により前打ちの戦略を組み立てます。

 

●餌を食っている

チヌの後方の尾びれ辺りのポイントに餌を打ちます。

餌が着水後、着底するまでの間にチヌに気付かれると逃げますので、チヌの視界に入るポイントには餌を打ちません。

チヌが着底するまで気付かなく、着底後にチヌが気付くポイントに餌を打つことです。

だた、稀に活性が高いチヌが着底するまでに気付いて食ってくる場合が有りますが、この条件で釣ったチヌは統計を取っていますが、感覚的に100匹に1枚程度かと思いますので、釣ったと言うより釣れた感になります。

 

 

●餌を探して泳いでいる

餌を求めて石畳の隙間を縫うように泳いでいるケースが大半なので、石畳の間を泳いでいくコースを見定めて、石畳の陰でチヌの視界に入らないポイントに餌を打ち、思惑通りのコースを泳いで来て、餌に気付けば大抵のチヌは違和感を感じづ自然に食ってきます。

チヌが餌に気付かなった場合に、竿を立てて、ライン(ハリス)を張って餌を動かそうとすると、チヌは危険を察しして逃げますので、気付かなかった場合は、チヌが通り過ぎた後に、餌を回収して次のコースを見定めて餌を打ちますが、同じチヌに餌打ちできるのは2回程度までです。何回もすると殺気を感じるのか逃げていきます。

 

<ケース1>

透明度が高く、チヌの前方に障害物が無い場合は、チヌの前方1.5m先に餌を着水音を立てずに餌を打ちます。

1.5m程度の距離に餌打ちすると、チヌは着水音に違和感を感じなければ何か落ちて来たとが思ってスーッと近付く場合もあります。

 

 

<ケース2>

チヌの前方に障害物がある場合は、チヌが見えない前方の障害物の先に着水音を立てずに餌を打ちます。

 

 

●水面付近に浮いてじっとしている

特に複数匹で群れて水面に浮いているチヌは、活性が低いチヌでして餌を打ってもカニを食う確率はかなり低いです。今まで何度も、浮いているチヌに餌打ちしましたが、釣れた事は無いので、このような行動を取っているチヌは活性が上がるまで放っておきます。釣れないのに餌を打ってプレッシャーを与えてしまうと、チヌの活性が上がった時でも警戒して釣り難くい場合があります。

 

●濁りでチヌが見えない

チヌが見えなければ、ブラインドフィッシングをします。

餌打ちの間隔は、3m程度で始めます。当りが無ければ、餌打ち間隔を広げて、最大間隔は8m~10m程度です。

 

1.1.2.6. ■餌打ちする方法

竿を下に向けた後、竿を真上にゆっくり上げて振り子のように餌を送り込み、狙ったポイントに着水音をたてないように着水直前にラインにテンションを掛けて水音をたてないようにそっと水面に置く感じで打ちます。

但し、水際が泡ができるほど波立っている場合は、多少の着水音は大丈夫かと思います。

竿を斜めに振るとチヌは竿に気付いて逃げる可能性が高くなります。

 

 

 

1.1.2.7. ■合わせ

チヌが着水音や、沈んでいく餌に気付かず、着底できたらワクワクするショータイムの始まりです。

チヌが気付いて近付いて餌を食ったらラインがスーッと吸い込まれます。合わせると、必ずと言って良いほど、チヌは横向きになり、いぶし銀をキラリとさせて猛ダッシュで逃げて、竿を絞り込みます。

また、チヌが餌に気付かず通過すると悔しいですが、この場面を見ていると今度こそと、次の見えチヌを探し求めて歩き続けると、気付いたら1km以上も歩いていたことが、多々ありますが苦にならないです。

見えチヌを1匹釣る事は、見えないチヌを100匹釣るより、ワクワクして記憶にも鮮明に残ります。

 

1.1.2.8. ■餌を回収時の竿の操作

餌打ちしたが、チヌが食わなかったり、逃げたりした場合は、餌を回収するために竿を立てますが、必ず歩いて来た方向に斜めにしながら竿を起こして餌を回収します。歩いていく方向に竿を起こして回収すると、次に狙うチヌが竿に気付いて危険を感じて逃げてしまいます。

 

1.1.2.9. ■釣り易い条件

護岸の石畳が狭い場所で見えチヌを釣り易い好条件は、透明度が50cm前後で、チヌの黒いシルエットが見える程度が釣り易いです。

理由は、チヌが釣り人や竿に気付き難いこともありますが、餌をチヌから透明度と同じ距離に打つことができるため、例えば、泳いでいるチヌの場合は、透明度が50cmであれば、チヌが泳いで行く50cm先に打てるので、コースを予測しやすいです。

また、餌を食っているチヌを狙う場合は、チヌが気付きやすい近くに餌打ちが可能になります。

 

1.1.2.10. ■釣るためのポイント

護岸の石畳が狭い場所で見えチヌを釣る場合のポイントをまとめました。

 

・護岸の高さが3m以上ある場所

護岸の高さが3m以上ある場所であれば、上から覗き込んでもチヌは何故か逃げません。

 

・餌は竿を下から真上に立てて送り込む

竿は護岸際から前上に起こして振り子のように送ります。

・餌はイガイを推奨

石畳の上に餌を落とすため、活カニだと直ぐに石の間に潜り込むので、動かないイガイや、死んだカニを使います。

・着水音を立てないように餌打ち

着水音にはチヌは敏感に反応しますので、着水音を立てないように落とす。