サイトフィッシングによるチヌ前打ち釣法の紹介
<更新履歴>
2020.10.24
1.2.7. ■ラインとハリス結び 章に結び方の写真を追加
2020.09.08
1.2.5. ■釣針章に「カニ餌を使う場合の推奨釣針を紹介」を追加
=== 目次(タップでジャンプ) ===
個人的な考えですが、チヌ前打ち釣りに関しては、装備・タックル・仕掛けで、誰もが最高のパフォーマンスを出せる共通の商品は少ないと思います。自身の技量のウェイトがかなり大きいと思いますので、紹介できるお勧め商品はありません。各自で自由に選んで自分自身に合った商品を選び、使いこなせば良いかと思います。掲載している写真は参考までにして頂ければと考えています。本書では、商品紹介ではなく、チヌ前打ちを行うに当り、道具等に求められる基本的な機能・性能に関して紹介します。
ウェアは、チヌから見え難いと思われる保護色(白色系)にすれば良いかと考えています。
服装は、チヌから気付かれないように保護色として白系の服装にしています。
靴は舗装された道から釣る以外は、安全のためフェルトスパイクの長靴を履いています。河川に下りて、捨て石やゴロタ石・テトラ以外に川土手の草むらを歩く場合も履いています。
フェルトスパイクの長靴は、年間50回以上の釣行しているため、数万円のブランド品でも数千円の格安品と同じように1年程度しか持たないです。原因は、メーカーに関係なく足の甲のサイドが歩く時に寄れて穴が開きますので、格安の長靴を毎年買い替えて使っています。
タックルと仕掛けについて、紹介します。
●竿
3種類(4.5m,5.4m,6.3m)の長さがあれは大抵の場所で釣りができます。ズーム機能がある2本の竿を使い分けています。4~5時間程度は竿を振るため軽量で、風の影響を受け難い硬調子が使い勝手が良いです。
・5.4-4.5mのズーム
・6.3-5.4mのズーム
ただ、竿の長さについて、過去に80カ所の河川に釣行しましたが、3カ所だけ7.2mを使いたいポイントがありました。
●リール
片軸の鳴門駒(ヨコ)を愛用しています。
理由は、餌を打って竿を構えた時に竿に対してリールが縦向きだど、手首を90度ひねる必要があり、腕に負担が掛かります。横向きでは手首をひねる必要がなく負担が少なく長時間竿を振ることが
できます。
このリールの欠点は、風が吹いた時に稀にラインがリールに絡みつき、リールを回せなくなるトラブルが発生しますが、気に入って使っています。
●道糸 PE1号(白色) 150m以上
●ライン色:白
ラインが臨界角の円の内側に着水しても、チヌに気付かれないようにするため、保護色になると考えて白色を使っています。
しかし、実際のところ水深1m以上あれば保護色の効果は有りそうな感じはしますが、実際のところ分かりません。水深50cm程度だと臨界角の円の内側に着水した瞬間にチヌは逃げ出します。ただ、ラインの視認性に問題は無いので使っています。
●ライン太さ:1号
アタリは穂先ではなくラインで取るため、細すぎると見えないため1号を使います。
●ライン長さ:150m以上
釣りで汚れや傷があると、その部分を切って使います。切る取ることで徐々に短くなりますが、150m巻いていると、年間50回以上釣行しても2年以上持ちます。ある程度短くなったら新しく巻きます。
●お勧めPEライン
チヌの前打ちに使う最適なPEラインは、断面が正円の形状が明らかに良いです。
理由は、断面が楕円形のPEは、ラインがよれた時に正円より明らかに視認性が高くなり、チヌが逃げる確率が高まります。
2年前から正円のPEラインを使っていますが臨界角の内側に PEラインが着水してもチヌが逃げる確率が低下しました。
餌箱は、落とし込みで良く使われる木箱は使わず、フカセ釣りに使う深めの餌箱の底にナイロンタワシを敷いて、ベルトを付けます。
●深めの餌箱が良い
食いが良いフタバカクガニが逃げ出さないように、100mm程度の深さの餌箱を使います。
●餌箱の蓋は1つが使い易い
下記の餌箱の写真は、蓋が2つ仕様となっていますが、1つが使い易いため、2つの蓋を結んで1つ仕様にしています。釣針に付けるカニやイガイを選ぶときに、全体が見えた方が選び易いです。
●ベルトが付けれる餌箱を選ぶ
ベルトは、タモ網を引っかけるために使います。
●餌箱の底にナイロンタワシを敷く
購入した餌箱の底の水切りネットは外して、ナイロンタワシを敷きます。厚みが5mm程度の物で餌箱のサイズに合わせて切ります。ナイロンタワシは海水を湿らせる程度にすることで、カニが長時間元気です。カニが浸るまで海水をたっぷり入れると、特に夏場は水温が高くなったり酸欠でカニが弱ります。また、海水を多く入れると、しゃがんだ時などに海水がこぼれて衣服が濡れます。ナイロンタワシは100円ショップに売っています。
●ハリス
1.7号(通年) 長さ1.5ヒロ(約2.2m)
●ハリスの太さ
以前は、1.2号/1.5号/1.7号/2号の4種類を使いましたが、結果的に号数によって、チヌの警戒レベルに変化は感じられませんでした。根ズレなどに丈夫な2号を使った方が良いですが、根掛りした時に、2号は外すのに苦労するため、現在は1.7号を1年通して使っています。1品種にすることで、数種類のラインを持ち歩かなくて良くなり、ウェストポーチが嵩張らないです。
●ハリスの長さ
透明度が2m以上の場所でも1.5ヒロ(約2.2m)あれば良いです。釣針交換でハリスが1ヒロ強以下になったら新しく交換します。ハリスが短くなると、チヌはPEラインが見えるようで警戒します。
●水の濁りとハリスの長さ
透明度が200cm以上であれば、ハリスの長さは1.5ヒロ必要ですが、濁りで透明度が低下した場合は透明度+30cm以上の長さのハリスがあれば十分です。
例えば、透明度が50cmですと、ハリスの長さは50cm+30cmで80cmあれば十分です。
●お勧めのハリス
フロロカーボン100%で根ズレに強い物を選択します。
以前は、柔らかく見え難い黒色系の半透明ノンカーボンのハリスを1年間程度使ったことがありましたが、テトラやゴロタ石、石畳周りで釣る場合に、根ズレで簡単にハリス切れるため使用を止めました。
また、チヌがハリスに気付く確率は、ノンカーボンとカーボン100%を比較しても明らかに違いは感じませんでした。
●釣針サイズ
チヌ1号~2号 ひねり 黒色(つや消し)
フライ針や、チヌ針、海津針、丸セイゴなど様々な種類の釣針を試しましたが、現在はチヌ針に落ち着いています。やはり、釣針は消耗品で入手が容易なチヌ針に落ち着いています。サイズについては、0.5号から6号まで試しましたが、現在は、下記の理由から1号から2号を使っています。
・針掛かりより、食いを重視して小さいサイズ
・軸が強い針を使用(軸が弱いとチヌに潰され易い)
・大きい針サイズだとゴロタ石場やテトラ周辺を狙う時に根掛が増える
・針が見えると見切られる確率が高まる
食い込みが良い大きなカニ(フタバカクガニ等)を使う場合は、掛かりを良くするために3号を使う時もあります。
●釣針の色
黒色(つや消し)が見切られない確率が高いです。
他の色として、黒色ツヤ有、銀色、いぶし銀などは、過去に何度もチヌに見切られて使っていません。
●釣針のサイズ
・カニ
釣針サイズは、カニのサイズに合わせて1~2号をメインい使います。
理由は見切られる確率が低くなるからです。先ずは食わさないと釣れませんから食わすことに重点を置いています。ただ、1号だと合わせた時の針のすっぽ抜けが多いです。すっぽ抜けても、グシャグシャでも良いので餌が付いてれば、そのまま直ぐに打ち返えせば、沈んでいる途中のボロボロ餌をチヌが浮いて食って一気にラインを引き込む当りがでる場合が多いです。食わせると掛けるは相反する課題なので、現場の状況に合わせた判断が必要になります。
・イガイ
イガイは、2号のつや消し黒を使います。
イガイは当りが有っても、しっかり食わせて合わせれば、カニのようにすっぽ抜けることは殆ど無く、大抵針掛かりします。
●理想の釣針
商品として理想に近いものは無く、10年以上様々な針を試していますが、 未だに最適な釣針は見つかっていません。現時点で考える理想的な釣針は下記の通りです。
<カニ餌を使う場合>
・細軸が使い易い
カニに針を刺す場合に軸が太いと刺しにくく、思った位置に刺せない場合があり細軸が使い易いです。
・強度が必要
軸に強度がないとチヌに針を潰されます。
・色は黒のつやけし
様々な色を試しましたが、チヌに見切られない色は黒色のつやけしです。
・針のサイズ
1号から2号が食いがよいです。
推奨商品
カニに針を刺す場合に下記の商品はお勧めです。
硬い甲羅のカニでも刺した時にスーッと刺せる下記の写真です。
商品のキャッチコピー 「特殊表面コートによる比類なき貫通性能」
確かにカニを刺した時の針の入り方は他の針とは明らかに違います。ただ、針の色がいぶし銀だけなので、黒色のつや消しがあれば最高です。
<イガイを使う場合>
・軸はふと軸で強度が必要
イガイはしっかり食うまで待った方が良いので、釣針を曲げられない強度がある針が良いです。
・色は黒つやけし
カニと同じです。
・針のサイズ
2号のみ使っています。
何故かイガイの房掛けでは、イガイのヒゲに針を引っかけているだけなので針は丸見えですが、チヌは気付かないのか警戒せず食ってきます。
●課題
カニ餌の場合に、当りが有っても合わせで5割程度しか針掛かりしない課題があります。前打ちを始めて10年間、様々な種類/サイズの針を使い、カニの刺し方も工夫して試行錯誤を繰り返していますが、未だに良い対策方法を見出せない課題です。
余談ですが、
サイトフィッシングによるチヌの前打ちのプロセスにおいて、釣針以外の課題は、ほぼクリアできたと思っています。現在は、私自身が思い描く理想のストーリーになるように、竿操作や餌を着水させるポイントなどの精度を高める取り組みを行っています。
●ガン玉
2Bを基準に3号から3B号を針に付けます。
ハリスには付けません。
●ガン玉の固さ
堅めのガン玉を使います。
ハリスに付けるよな柔らかいガン玉だと、餌を打ちを繰り返したり、チヌが餌を食った時にガン玉を潰されたりで、針外れすることがあります。
●ガン玉のサイズ
現在は、ほとんど2Bを使っています。
水深や、無風で鏡のような水面の時に、着水音を極力小さくしたく、時々1号/Bを使う場合がありますが、素早く着底させることが重要なので軽いガン玉は基本的には使わないです。
以前3号のガン玉を使ってゆっくり餌を落とし込んでいた時期がありましたが、ゆっくり落とすとカニ餌の場合は、フグの猛攻にあって、餌が着底するまでに無くなって、釣りにならない場合があります。フグが居ない場所でも、チヌは水面からカニやイガイがゆっくり落ちることは、自然界に無い現象で警戒し、見切って逃げる事が多々あります。
ただ、ボートや浮桟橋の際や、橋の下や、排水口の流れ込みでは、ゆっくり落とし込むことは、自然界にある現象なのでノーシンカーでゆっくり沈めても見切られる場合は少ないです。基本的には早く餌を海底に着底させる方が良いと考えています。
●仕掛け作成
ラインとハリスはチチ輪を作って結びます。
簡単な結び方ですが、かなりの強度がありますし、ハリス切れの場合の修理も短時間にできます。
●結び方
PEラインは、8の字結びでチチ輪を作成します。
ハリスのチチ輪を通す輪を1回転ひねって作成します。通常のチチ輪だと、根掛した時にラインを引っ張ると、ハリスがPEラインとの結び目で切れることがありましたが、チチ輪を通す輪を1回転することで補強されて、ハリスは針のチモトから切れるようになりましたので、仕掛けの修理時間の短縮になっています。
PEライン側は一般的なチチ輪を作ります。
ハリス側は、チチ輪を通す輪を1回転して結束部を補強します。
PEライン側とハリス側のチチ輪を結びます。
この結び方にしてから根掛時にラインを引っ張ってチチ輪の根元から切れることは無くなりました。
外掛け結びにしています。
外掛け結びでも50cm以上のチヌでも十分釣り上げる強度があります。
また、真冬で手がかじかんだ状態でも短時間に結ぶことができます。
釣りを行っている時に時間に余裕があれば、その場で仕掛けを作成しますが、チヌが釣れる絶好のチャンスタイムに根掛等でハリスが切れた場合に、大至急仕掛けを作りたい時に予備仕掛けがあると便利です。
私が行っている予備仕掛けを釣る際に、格安でハリスを巻く糸巻きを作る方法を紹介します。
下記の写真の通り、アイスキャンディの棒を準備し、紙に穴を開けるパンチを使って棒に穴を開けて、穴の半分程度をニッパやペンチ等で切るだけで糸巻きの完成です。後は、糸巻きに作成した仕掛けの説明を記入し、糸巻きの端に作成した仕掛けの針を刺して巻いて輪ゴムで止めれば予備仕掛けの完成です。
作成する予備仕掛けのハリスの長さは、透明度が2m以上でも使えるように1ヒロ半(約2m強)にしています。また、予備仕掛けを使う場合は、糸ヨレを両手で伸ばして使います。
●タモ
タモ網(直径50cm) タモ柄5m
●詳細
タモの枝は、大抵の場所は5mの長さが有れば対応できますが、稀に6mが必要な場所もあります。タモの直径は50cmを使って、チヌの撮影時にタモがスケール代わりにしています。タモ網の目は、海に物を落とした時に掬いやすいように目の細かい物を使っています。
ただ、針が網に絡んだ時に外し難い課題があります。
使っている小道具を紹介します。
偏光メガネの色はクリアタイプを使っています。
ブラウンやグレーは、まぶしくなく良いですが、光の透過率が低いため、チヌの発見や、海底の状況を細かく観察するには難しいです。
サイトフィッシングによるチヌの前打ちには必須アイテムです。
チヌにどこまで近寄れる水面を基準に水平角20度の確認に使っています。実際の使用は、複数回の釣行毎に1回確認する程度ですが、慣れない間は水平角20度を体に覚えさるために釣行毎に確かめると良いと思います。
ガン玉を針に付けるのに、とっても重宝しています。
ハサミにこだわりは無く消耗品と思っており、
小型の安物を使っています。
100円均一のメジャーを使っています。
釣ったチヌは殆どリリースするのですが、たまに何を食べているか確認するために持って帰るためにストリンガーを持参します。
河川でのチヌの前打ちを行っている釣り人が少なく、情報は足で稼ぐしかないです。
そこで、対岸の護岸形状の確認など、効率に情報収集するために、かさばらない単眼望遠鏡を持参します。倍率は30倍あれば十分です。高倍率だど手振れで見えないです。
棒水温計がシンプルで使い勝手が良いです。
水温計に付けたゴム管に針を引っかけて竿を振って水面と海底の2点に投入して測定します。
背抜きのゴム手袋で、カニ・イガイ採取します。
イガイやフジツボを取るために持っています。
ゴロタ石など表面が平らでない場所に付いたイガイやフジツボを取る場合は幅が狭い方が取りやすいです。
100円均一(キャンドゥ)の三脚が丈夫で使い易いです。
2年以上使っていますが、がたつきが無く問題なく使えます。
以前は高級な雨合羽を使っていましたが、突然の雨にもポケットを入れておけるコンパクトで携帯に便利な、100円均一の厚手のレインコートタイプを使っています。釣りスタイルは、座ることは無く歩いての釣りなので、長靴を履けば、少々きつい雨でも十分しのげます。