サイトフィッシングによるチヌ前打ち釣法の紹介
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数多くの釣り情報がありますが、河川の汽水域で前打ちでチヌを釣るポイントに関する情報が少ないです。情報が有ったとしても断片的で、その情報が釣行する河川の全てではないことが多いです。
そこで、始めて釣行する河川を決める判断方法と、広い河川の中で釣る場所を選択する方法について探し方を紹介ます。
チヌを釣るポイントを探す情報元は、釣り情報は参考にせず、釣行する河川の衛星写真、ストリートビューとチヌを釣るための私自身のノウハウで決めています。
始めて行く河川の季節は、一般的な考え方と同じで水温の高い時期に釣行します。具体的には、瀬戸内海であれば、春から初夏にかけては水温が18度以上、秋から初冬にかけては14度までです。季節で言えば概ね6月初旬から12月中旬までとなります。
ただ、水温が高い時期に釣行しても、その河川が冬場でも釣れそうかは、現地の河川状況から判断します。水温が低い時期でも釣れそうと判断できれば、2回目は冬場に釣行する場合もありますが、この説明は長くなるので割愛します。
釣行する河川を探すには、衛星写真を使って釣行したい地域の海岸線をくまなく調査して河川を探します。先ずは、河川を見つけるとチヌが釣れない河川か見極めます。
河川にチヌが居なければ釣りになりません。また、チヌが居ても警戒していては釣りになりません。
チヌの釣果が期待できない河川か見極める判断は3つの条件から決めています。
●河川の河口の形状
河口に砂山が出来て、河口の川幅が狭くなっている河川に5カ所行ったことがありますが、チヌの魚影を見た事がないです。河川の汽水域の護岸形状も石畳や、テトラ等があり釣れそうな雰囲気があるのですが、見える魚影はボラばかりです。
チヌが見えない理由は分かりませんが、5カ所の調査以降は同様の河川には釣行していません。
下記の衛星写真は川幅が300m以上で河川敷があり、護岸は石畳とチヌの魚影が濃そうな河川ですが、何故か100m以上河川敷を歩いてもチヌを発見できなかったので竿を出さなかったです。
●河口から潮止までの汽水域の長さが短い
河口から満潮時に河川上流500m以下までしか潮が上がらない河川は、チヌの居ても釣り歩ける長さが短いため、釣果が期待できないので基本的には釣りに行きません。
●河川の川幅
川幅が50m以下の狭い河川や、川の際まで建物が迫っている河川は、経験的にチヌが居ても警戒心が高い可能性があり、素直に食ってくる可能性が低いです。よほどの好条件が揃わない限り釣りに行きません。
衛星写真からチヌの釣果が期待できる河川は、2つの条件で決めます。
●河口から潮止までの汽水域の距離が長い
河口から潮止、または、満潮で潮が上がる汽水域の長さが、1Km以上ある河川を選択して釣行します。長さが1Km以上あっても1Km全ての護岸を釣り歩くことは、護岸形状から難しい場合が多いので、合わせて両岸で500m以上歩けそうな場所があれば釣行します。
但し、チヌの魚影が濃く、釣り歩き易い場合は汽水域が短くても釣行する場合はあります。
●河口の川幅が100cm以上
川幅が広い河川の方が、経験的にチヌの警戒心は薄らいでいると思います。また川幅が大きい河川程、チヌの絶対数も多いので、好条件が揃った場所にチヌの集まる事が分かれば入れ食いも期待できます。
理想的にな河川は、河川敷が有って、河川敷にはグランドや公園、駐車場がある場合は、経験的にチヌの警戒心が薄い気がします。また、河川敷に駐車場があると、車横付けで釣りができるので、とっても便利です。
下記の衛星写真は、河口から潮止まで5Km以上と長く、河口の川幅も300m以上と広く、河川敷もありチヌが釣れそうな河川として、調査対象の候補になります。
河川が決まると、その河川で釣る場所を衛星写真とストリートビューを活用して探します。現在の高精度な衛星写真と、河川敷の遊歩道など車が通らない公道も網羅されたストリートビューがありますので、現地で調査しなくてもかなりの精度でチヌが釣れそうな場所を探し出せます。
チヌが釣れそうな場所の検索方法は、下記の手順で行います。
下記の写真は河川の河口から潮止までの衛星写真です。
水温が高い時期に釣行しますので、チヌは餌が多い浅場に集まってます。そこで、河川の曲がり具合から浅場で護岸構造が、石畳やゴロタ石場やテトラと、干潮時に干潟になりそうな砂地の場所で釣れそうか確認します。
浅場で釣れそうな場所が少なければ、水深に関係なく石畳やゴロタ石場やテトラなどの構造物が、干潮時に見えて満潮に水没しそうな場所を探します。
釣行する河川の釣れそうな場所の全体像を把握した後、釣る場所を絞っていきます。
衛星写真を使って橋周辺の護岸形状を真上から確認し、ストリートビューを使って橋の上から護岸の側面を確認します。護岸の側面を確認するには橋からだと障害物が無いため、護岸の高さや傾斜や満潮時のおよその潮位が確認できます。
下記の写真は橋周辺を衛星写真で確認しています。
コンクリートらしき構造物の幅が約10mあり、石畳の幅が約5mあることが分かりますが、コンクリートと石畳の段差や石畳の駆け上がりは分からないです。
次にストリートビューで側面を確認すると、コンクリート部分と石畳の段差は殆どなく、石畳は約3m平面で残り2mは駆け上がりになっていることも分かります。更に、このコンクリート部分は、満潮時に水没することも護岸の色から分かります。
●釣り場の判定
この場所は、もしチヌが見えるようであれば潮が引いてコンクリートの上で釣れるようになって、サイトフィッシングで釣れそうな場所であることが分かります。
理由は、水面基準に水平角20度以下で、釣り人の目線の高さが水面基準の2mであれば、約5.5m離れているチヌを釣る事が可能になります。
個人的には是非とも釣りたい場所になります。
竿は4.5-5.4mのズームを選択します。
下記の衛星写真から分かる事は、護岸の雑草部から少し駆け下がって石畳の幅が約6mで、その先にゴロタ石場が約17~24の幅であることが分かります。
経験的に、釣り人から約12m以上離れるとチヌは釣り人に気付いても逃げないと考えていますので、ゴロタ石場の先の切れ目に居るチヌはじっくり観察できると思います。
次にストリートビューで護岸の側面を確認します。
護岸の水際の色からして、満潮時に石畳は水没し、更に2~3段の階段も水没するようです。
また、河川敷の芝生と水面の高低差は1m以上ありそうです。となると、満潮時に石畳の上に来るチヌは、雑草の端からチヌを見ると逃げそうな角度と距離になります。
●釣り場の判定
フィッシュウィンドウを考えると、満潮時は釣れそうな気がしませんが、満潮時は周囲に居るチヌが一番護岸に寄ってきていますので、満潮時に現地に行ってチヌの魚影の濃さを確認し、石畳の上に長靴で上がれるようになってサイトフィッシングで釣りたい場所です。
タックルは、5.4-6.3mのズームを使って、ゴロタ石場は根掛しやすいので針は小さ目の1号を使いカニも小さ目を使って根掛を回避しながら釣りたいです。
<参考>
ゴロタ石場でイガイを使うと、石の隙間に転がり落ちで根掛しやすので使いません。カニは、転がり落ちるまでに石にしがみ付いてくれる可能性が高く、根掛は少ないです。
下記の衛星写真から分かる事は、石畳の幅は約4mで、石畳の先の駆け上がりは急峻になっていることが分かります。駆け上がりが急峻となると、駆け上がりに際に居るチヌを発見することは、覗き込まないと困難です。
下記のストリートビューから分かる事は、雑草らしきがある護岸の上から石畳までは約1mありそうです。また、石畳は満潮時に水没し、護岸際まで潮が上がるように見えます。
●釣り場の判定
石畳の幅が4mで、しかも石畳の先の駆け上がりが急峻となると、駆け上がりに際に居るチヌは見えないため、サイトフィッシングするには、駆け上がり際を覗き込んでチヌを発見た後、チヌが見えない場所まで後退して、穂先がフィッシュウィンドウに入らないように竿を振って釣る事になりますので、面倒な釣りで現実的ではないです。
実際に釣るとしたら、見えないチヌを提灯釣りで駆け上がり際にそっと落とすことが良さそうです。
また、上記の写真には映っていませんが、少し下流にゴロタ石場があります。ここで潮が引いた時にゴロタ石場に居るチヌをサイトフィッシングできるかも知れません。
タックルは、5.4mの竿を使い針は1号でガン玉はB~2Bを使います。
餌はイガイがベストですが、無ければ小さ目のカニを使います。小さいカニを使う理由は、護岸際に泳いでいるチヌが餌が着底するまでに気付くと想定されますので、大きめのカニを使うとチヌはビックリして逃げる可能性が高いです。
釣り場に行く方法は、理想は河川敷に車横付けできる駐車場があればベストですが、なかなか思うようにいきませんので、場所によっては、離れた場所に車を駐車後、釣り場まで折畳自転車で移動する場合もありますので、始めていく河川には必ず折畳自転車を積み込んでいきます。
車で河川敷に入れるかの確認方法は、下記の写真の通り、パソコンでgoogle mapを開きストリートビューをオンして、水色の線を表示させると通行できる公道が一目で分かります。
河川敷には入れそうな場所でストリートビュー表示して進入禁止の封鎖チェーン等が無ければ入れる可能性がありますが、最終判断は現地に付いてから確認します。