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サイトフィッシングによるチヌ前打ち釣法の紹介

 

=== 目次(タップでジャンプ) ===

1.1. ■餌観点

1.1.1. ■カニの特徴

1.1.2. ■カニのサイズ

1.1.3. ■チヌに見切られないカニの刺し方

1.1.3.1. ■チヌに見切られ易い刺し方1

1.1.3.2. ■チヌに見切られ易い刺し方2

1.1.3.3. ■チヌ食いが良いカニの刺し方

1.1.3.4. ■チヌ食いが良く針掛りを改善したカニの刺し方

1.1.3.5. ■チヌの針掛かりが良い理想のカニの刺し方

1.1.4. ■チヌの食いが良いカニの種類

1.1.5. ■カニの甲羅の色で使い分け

1.1.6. ■冷凍ガニ

1.1.7. ■イガイ

1.1.8. ■その他の餌

1.1.8.1. ■フジツボ

1.1.8.2. ■アオサ

1.1.8.3. ■牡蠣

1.1.9. ■餌保管方法

1.1.9.1. ■カニ保存

1.1.9.2. ■カニ餌専用クーラー

1.1.9.3. ■カニの長期飼育

1.1.9.4. ■イガイの長期保存

 


 

1.1. ■餌観点

前打ちでチヌを釣るためには餌は重要な要件です。

私が実用的に使っている餌はカニとイガイの2種類のみで、入手が容易なカニをメインに使っています。ゴカイ等の虫エサは有効ですが、採取困難で保存等の扱いが面倒で、実用的でないため使っていません。その他にチヌの大好きなカキやフジツボ等の餌については、試行錯誤しながら使っていますが、実用化には至っていません。

本書ではカニとイガイ餌について使い方を中心に紹介します。

 

1.1.1. ■カニの特徴

カニはどこにでも生息しており、採取し易く、扱いも簡単で、長期保存もできるため9割以上はカニを使っています。カニ餌の魅力は、着底した直後から動くことで、チヌが気付いて近付いて来ることが多いです。活性が低いときには効果があります。ただ、ゴロタ石場では直ぐに石の隙間に入って根掛りしますので注意が必要です。

 

1.1.2. ■カニのサイズ

サイトフィッシングによる前打ちで使う標準的なカニのサイズは、下記の理由により甲羅サイズが100円玉前後です。

 

・チヌの近くに餌を打つと逃げてしまいますので、少々遠くでもチヌが気付くように考慮します。

・カニ餌が着水と同時にフグの猛攻を受けることが多々ありますが、小さいカニだと着底までにフグに食いつくされることを避けます。カニが大きいとフグには簡単に食べられません。

 

但し、濁りがあるときや、無風状態などの状況によってカニのサイズは使い分けますので、甲羅サイズが1円玉前後から500円玉以上まで、様々なサイズのカニを準備します。

 

余談ですが、38cmのチヌを料理した時に、モクズカニの残骸が出てきたことがありましたので、大きなサイズでもチヌは食うのだと実感しています。

 

●状況により様々な甲羅サイズのカニサイズを使い分け

100円玉前後>

標準的に使うサイズです。

透明度が高い場合や、水深が1m以下の浅場で使います。カニに対するチヌの反応を見て、警戒心が高ければ小さくします。

 

10円玉前後>

濁りが有り透明度が80cm以下場合や、流れが速い場合に使用します。

 

500円玉前後>

濁りが有り透明度が50cm以下場合や、波が高い場合に使います。

 

1円玉サイズ>

冬場の海底と水面の水温差が有る場合や、干潮で物陰でじっとしているチヌを狙う場合に使用します。

 

1円玉サイズ以下>

活性が低い時や、水面が鏡の様な無風の場合に着水音を小さくするときに使用します。

 

 

 

●要注意

甲羅サイズが500円玉以上の大きなカニを使って、河川の河口付近の水深2m程度の深場で釣りを行うとコブダイが食ってきますので、河口付近で大きなカニを使うのは要注意です。

 

1.1.3. ■チヌに見切られないカニの刺し方

チヌが、カニ気付いて20cm程度まで近づいてくるのですが、じっと見て見切って俊敏にUターンして逃げたり、食った餌に違和感を感じて吐き出して逃げたりする理由がサイトフィッシングを行う事で分かってきました。釣り針の刺し方を改善することで食いが良くなったので紹介します。

 

1.1.3.1. ■チヌに見切られ易い刺し方1

お尻の下側の中央か刺して、甲羅側に針先を少し出す方法は一般的な方法ですが、カニを食うチヌを観察して3点の問題がありました。

 

●チヌに見切られることが多い

カニに気付いて20cm程度まで近付くのですが、数秒見て一目散にUターンして逃げるチヌが多いです。

 

●カニクシャが多い

カニクシャとは、チヌがカニを食って噛み潰しますが、食い込まず吐き出しす事です。

理由ははっきり分かりませんが、1つの要因として針がお尻から甲羅に向けて縦に立っているためチヌが食った瞬間に違和感を感じるのかと考えています。

     

 

●カニを食った時に餌が無く針のすっぽ抜けが多い

チヌが居食いしている時は、口の中でカニをコロコロさせながら食っていますが、しばらく見ていると、針が吐き出されます。

理由は、お尻には筋肉が少ないので、チヌがカニをかみ砕いた時に針が吐き出され易いと考えています。

 

 

 

●針が潰される

確証はありませんが、この刺し方は針が潰される可能性が高まると考えています。

理由として、大抵のチヌはカニの正面から食うため、針をカニのお尻から刺して甲羅に針先を出すようにすると、針先がチヌの上あごの歯に当たって針が内側に曲げ得られたと考えられます。釣針の刺し方を縦から横に変更することで潰されることが少なくなりました。

 

  

 

  

 

1.1.3.2. ■チヌに見切られ易い刺し方2

4番目と5番目の足の間から刺して、お尻の角から出します。この方法は、足の筋肉に針が刺さるため、チヌが食ってカニを噛み潰しても針外れは少なく餌持ちは良くなり、食い込むまでしっかり待つことができます。また、針先も横向きになりますので、科学的な根拠はありませんが、感覚的にカニクシャが減ったような気がします。チヌに見切られることについては、多少減った感はありますが多いです。

 

 

 

 

 

1.1.3.3. ■チヌ食いが良いカニの刺し方

ハサミのある親爪の付け根から刺して、4番目の足と5番目の足の間から出すことで釣り針は見え難くくなります。この方法にして見切られることは少なくなり、アタリは30%程度増えました。また、針を曲げられる頻度も明らかに低下しました。

 

しかし課題があります。

当りが有って合わせると、チヌが針掛する確率が「チヌに見切られ易い刺し方2」の約60%から約40%程度まで低下しました。考えられる原因は、大抵のチヌの食い方は、カニの前方から食っているため、食いが浅いと針先が口の中に入っていない可能性があります。

 

対策として針の先仕方を逆にしましたが、針刺しが難しく素早く刺すことができないので、現在は下記の写真の様な刺し方をしています。

 

<追記>

現在は、この刺し方は行っていません。最新の刺し方は「チヌ食いが良く針掛りを改善したカニの刺し方」章を参照してください。

 

 

 

 

 

1.1.3.4. ■チヌ食いが良く針掛りを改善したカニの刺し方

チヌがカニを食べる場合は、カニの正面から大抵食っています。

従って、「チヌ食いが良いカニの刺し方1」章で紹介している方法だと、針先がチヌの方向に向いていないのでチヌ掛かりが悪くなります。この事は分かっていた事ですが、4番目の足と5番目の足の間から刺して、ハサミの付け根から針先を出すことは、難しくやっておりませんでしたが、刺しやすい釣針がありましたので、紹介します。

 

  

 

5回の釣行で実践して、写真の釣針が使えます。

今まで使っていた釣針はカニの固い甲羅に刺す時に摩擦抵抗で刺し難く、無理に刺すと足が取れたりしてカニにダメージを与えるて弱る場合がありましたが、写真の釣針は表面が特殊コートが施してあるらしく、他の釣針より明らかに、カニの固い甲羅に刺す時に摩擦抵抗が少ないのか、スムーズに刺すことができます。これにより、チヌを針掛させる確率がチヌ食いが良いカニの刺し方1」章で紹介方法の40%から70%程度まで改善できました。(5回の釣行結果より)

また、今まで出来なかったカニ餌の刺し方ができるようになったのは画期的で、針掛り100%を目指して試行錯誤を行う楽しみができました。欲を言えば、針の色に黒でつやけしが有れば最適です。

 

余談ですが、

この釣針の刺し方だと、釣針が邪魔なのかカニの動きは円を描くように回りますが、チヌの食い気に変化がはありませんでした。また、円を描くように歩くため、岩などの穴に入り難くなり根掛が減ったような気がします。

 

 

 

<追記>

現在は、カニの刺し方は慣れたこともありますが、全てこの方法にしています。

ただ5回の釣行でチヌの針掛かりが40%から70%程度まで向上したと書いていましたが、数十回釣行した結果、針掛りはそこまで良く無く、正確に集計していませんが感覚的に50~60%程度です。

この刺し方にして大きな効果は、カニを食う前に見切って逃げることは殆どなくなりました。

 

1.1.3.5. ■チヌの針掛かりが良い理想のカニの刺し方

チヌの針掛かりが良い理想のカニの刺し方は、チヌの食い方が見えているサイトフィッシングであるから可能な考察です。

 

●理想的な針掛かり

上唇に掛かる

 

 

上下の唇の合わさる口角

 

 

 

●経験的観点

①チヌがカニを食べているシーン

チヌの行動を見ていると大半のチヌはカニがハサミを上げて威嚇している正面から食っているようです。

 

②チヌがバレる時の動きを見ていると下記の場合が多いです。

・チヌを掛けた瞬間や水面に浮かした時など、頭を左右に激しく振った時

・チヌが急激に反転した時

 

バレる確率が高い時の針の掛かり場所は、想像ですが上あごの骨に刺さらず引っかかった場合や、歯に針先が引っかかっ場合が多いと考えています。

 

チヌがバレない針刺さりの場所は、上下の唇の合わさる口角や、上唇と思います。

 

カニに刺す針はカニを横にした時に、刺した針が縦にすると、カニを食って直ぐに吐き出したり、針を曲げられる場合が多いことから、刺した針が横になるように刺します。

 

理想の針刺し方

経験的観点より、チヌが危険を察しして見切られなく、針掛が良い刺し方は、下図のようにカニのハサミの付け根から斜めに針を刺し、甲羅に少し針先を出せば良いと考えていますが、カニの衰弱が速く、針も刺し難いため、実用的では無いので、実用的な刺し方を試行錯誤中です。

 

 

 

1.1.4. ■チヌの食いが良いカニの種類

河川で採取できる主なカニについて、感覚的ですが、食いが良いと思われるカニを紹介します。

 

食いが良いカニ(フタバカクガニ)

経験からチヌの食いが良いカニはフタバカクガニです。その他のカニは大差無い感じです。

 

参考文献:https://cybister20.exblog.jp/25926703/

 

フタバカクガニは、河川の汽水域に生息していおり、満潮時でも水を嫌うのか、護岸の石、倒木の隙間などに隠れており、潮位に関係なく採取できます。ハサミがオレンジ色で動きは素早い特徴があります。

また、足が長いので、深い餌箱に入れないと、餌箱の蓋を開けた瞬間に逃げてしまいます。

 

<チヌの食い>

比較的、甲羅が柔らかく食い込みが良いと思います。このカニを使ってチヌがクシャクシャにして吐き出された事は無いです。甲羅が500円玉大で足を広げて8cm以上の大きなカニを使っても、35cm前後の小さなチヌでも食ってきます。他のカニでは、写真のようにカニクシャされて吐き出されることが多々あります。

 

 

その他のカニについて

 

食いは感覚的にカニの種類より、ハサミが大きい方が食いが良い気がします。

チヌはハサミが大好物と思われます。

 

 ケフサイソガニ

 ヒライソガニ

 イソガニ

 イワガニ

 アシハラガニ

 

1.1.5. ■カニの甲羅の色で使い分け

チヌの居場所は、テトラ・ゴロタ石・砂地など様々です。

基本的には、その場所と同系色の見つけ難いカニを使います。反対色のように目立つ色を使うとチヌが警戒しているような感じがします。

 

チヌは思った以上に目が良さそうで、3m先からでもカニ餌を見つけると素早く泳いできて20cm程度まで接近して様子を観察し、違和感が無ければ食ってきますが、見切られると去っていきます。

 

1.1.6. ■冷凍ガニ

活カニが当然良いのですが、保存期間を考えると冷凍ガニは魅力で、実際に試してみましたが意外に使えます。場所によっては、活カニより冷凍カニの方が釣果が良い場所もありました。

 

冷凍カニが良いケース

・夏場の活性の高い時期や、テトラ際は冷凍カニが使い易いです。

活カニは、落とし込んで約5秒待つだけでテトラの奥に這い込み根掛します。

凍カニは、着底後動き回らないので、食い渋り時やチヌが気付くまで着底後長い間待つことができます。

 

・夏場の濁りがある場合は、冷凍カニで十分です。

 

冷凍ガニで釣れないケース

・海底が砂地は難しいです。

砂地に着底後、腹を上にして裏返ったカニは食ってこないです。

 

1.1.7. ■イガイ

イガイは1年を通じて最も釣れる最強の餌と思います。

ただ、イガイのサイズが小豆粒くらいであれば、瀬戸内海の何処でも生息しているようですが、針に掛けられる最低でも1cm以上のサイズとなると採取場所が限られます。

 

イガイの針掛け

イガイの刺し方ですが、落とし込み釣り、ヘチ釣りであれば、2cm程度の大きなイガイを1個掛けで釣ることが多いですが、前打ちの場合は1個掛けだとチヌがイガイに気付かないのか食ってきません。前打ちは1cm程度の小粒を5個程度の房を使い、イガイのヒゲに針を掛けた房掛けが食いが良いです。釣針は、チヌ針の2号のみ使っています。また、ガン玉は基本付けない方が食い込みは良いです。アタリが有ってもじっくり待って合わせても良いです。

 

  

 

合わせ方

イガイは、ヘチ釣りや落とし込み釣りのように早合わせは禁物です。針を吐き出す可能性は低いので、じっくり待って合わせればよいです。早合わせすると写真のようにクシャクシャのイガイが上がってきます。

 

 

 

冷凍イガイについて

冷凍中は貝の蓋は閉まってしますが、自然解凍すると貝の蓋が開きます。貝の蓋が開いた状態では使っていませんが、使えないと思い込んでいます。思い込みは良くないのですがパカッを開いたイガイは食いそうな感じはしないです。いつか余裕があるときに試したいと思います。

 

 

1.1.8. ■その他の餌

イガイ・カニ以外の餌についても、試行錯誤している餌について紹介します。

 

1.1.8.1. ■フジツボ

フジツボは、岸壁の落とし込み釣りには良く使われますが、テトラ際・石畳などの構造物周辺の前打ちで何度か試行錯誤しながら使いましたが食ってこないです。イガイのように房掛けにすれば良いかと試しましたが食わないです。また、チヌの目の前に着底させても気付いてないのか食ってきません。

理由は不明です。

 

1.1.8.2. ■アオサ

産卵が終わったチヌが良く食べているのが新芽のアオサです。産卵前のチヌかと思うくらい腹がパンパンになるまで食っている場合があります。

 

アオサで何とか釣ろうと下記を試みましたが、何れも釣りにならなかったです。

<アオサを房掛け>

新芽のアオサを針に付けるのは一苦労しても釣れません。自然に生えているアオサにはかないません。

 

<アオサ団子>

ヘラブナ釣りに使うマッシュに練り込み、着底後に団子がバラけるようにしても見向きもしません。アミエビやサナギを混ぜた団子にしても見向きもしません。

やはり落し込み釣りにおいては、いかに自然界の状態の餌をチヌに気付いて貰うことが重要と考えいます。

 

1.1.8.3. ■牡蠣

チヌが大好物なカキを使って、かぶせ釣りのように殻を少し割って中身が見えるようにして針に刺して、竿を振って牡蠣の着水音が大きくチヌは逃げます。カニやイガイのように繰り返し打ち返すことは難しく実用的でなく諦めました。むき身は、針掛けはなんとかなりますが、チヌは自然界にない状態なのか警戒して逃げます。養殖カキの水揚げ場ではむき身でも釣れるらしいですが、河川の釣りでは釣れませんでした。

やは

1.1.9. ■餌保管方法

 

1.1.9.1. ■カニ保存

カニが長く生きるようにタッパの下に厚みが5mm程度のナイロンタワシを引いて、ナイロンタワシが海水で湿っている程度にします。カニが海水に浸かるまで入れると酸欠で死んでしまいます。タッパは、蓋に切れ込みを入れて酸欠にならないようにします。

 

ナイロンタワシは2枚使います。

下層に堅めのナイロンタワシとタッパの底に隙間が無いように敷いて、スポンジの下にカニが入り込んで、酸欠で死なないようにします。上層はナイロンタワシはクシャクシャにして柔らかくし掛布団のように硬いナイロンタワシの上に掛けることで、カニが下層のナイロンタワシとの間に入って、隠れることができることで、カニに安心感を与えてストレスを軽減できるようにしています。写真は上層のナイロンタワシは外しています。

 

 

 

 

 

 

 

1.1.9.2. ■カニ餌専用クーラー

カニの活きを保つために6LのクーラーBOXを使っています。

下に凍らせた500mLのペットボトルを置き、上にタッパにカニを入れて保管しています。タッパの底には5mm程度の厚みのスポンジを敷いて、海水をスポンジが湿る程度にします。この方法で夏場の炎天下でもカニは一日中元気です。また、遠征釣行では、毎日氷を交換を繰り返すことで4日間程度は元気です。

 

 

1.1.9.3. ■カニの長期飼育

冷蔵庫(野菜室)に入れて、水替えせず餌を与えなくても冬場は3週間、夏場は2週間は生きています。ただし、カニの種類によって生きている期間は違います。

3週間以上の長期保存するには、餌を与えると少し長生きしますが、スポンジが汚れるので定期的に洗う必要があります。カニの餌は冷凍保存したカキのむき身が使いやすいです。スポンジの洗浄は、2Lのペットボトルに海水を入れて持ち帰り、1週間に1度程度洗浄します。カキは、カニ採取時に一緒に採取してむき身を冷凍保存しておきます。

 

1.1.9.4. ■イガイの長期保存

同じ河川に何度も釣行する場合は、イガイをタマネギを入れるネットに入れて、護岸から干満の潮位を考慮して、干潮時に必ず水面から出る高さに吊るしておきます。これで一ケ月以上使えます。