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サイトフィッシングによるチヌ前打ち釣法の紹介

 

<更新履歴>

2021.7.22

 1.1.33. ■チヌのスイッチが入る行動について考察を追加

2021.6.15

 1.1.16. ■餌の誘い(着水~着底直前の誘い)を追加

 1.1.17. ■餌の誘い(着底後の誘い)を更新

2021.4.24

 1.1.32. ■チヌが捕食中の行動とアタリの関係を更新

2021.4.21

 1.1.30. ■複数のチヌが居る場所で数釣る方法を追加

 1.1.31. ■見えチヌの動きから最適にガン玉の選択を追加

 1.1.32. ■チヌが捕食中の行動とアタリの関係を追加

 

=== 目次(タップでジャンプ) ===

1.1. ■経験的観点

1.1.1. ■タックル・仕掛け

1.1.2. ■釣り場のローテーション

1.1.3. ■チヌは釣り人と散歩者を見分ける

1.1.4. ■チヌは動かない釣り人は警戒しない

1.1.5. ■チヌから真上は見え難い角度

1.1.6. ■釣れるポイントの水深

1.1.7. ■活性が高くなる水深

1.1.8. ■エイに付くチヌ

1.1.9. ■チヌの行動から釣れるチヌの見極め

1.1.10. ■狙ったチヌに対して餌を打つポイント(基本)

1.1.11. ■狙ったチヌに対して餌を打つポイント(実践)

1.1.12. ■餌の着水音

1.1.13. ■餌の沈め方

1.1.14. ■着底した餌に見切って逃げるチヌ

1.1.15. ■フグが食っていると横取りしない

1.1.16. ■餌の誘い(着水~着底直前の誘い)

1.1.17. ■餌の誘い(着底後の誘い)

1.1.18. ■餌の食い方(当り)

1.1.19. ■カニ餌を食った瞬間に吐き出すチヌ

1.1.20. ■カニの捕食シーン

1.1.21. ■合わせ

1.1.22. ■餌打ちを行う距離間隔

1.1.23. ■餌が着底して回収するまでの待ち時間

1.1.24. ■真チヌのキビレの生息域の違い

1.1.25. ■チヌとアオサの関係

1.1.26. ■チヌが餌を食った後ゆっくり竿を起こすとどうなる

1.1.27. ■浅場のゴロタ石場で休むチヌを釣る

1.1.28. ■見えチヌの釣り方は渓流釣りと共通点あり

1.1.29. ■ハリスの太さで食いに差が出るか

1.1.30. ■複数のチヌが居る場所で数釣る方法

1.1.31. ■見えチヌの動きから最適にガン玉の選択

1.1.32. ■チヌが捕食中の行動とアタリの関係

1.1.33. ■チヌのスイッチが入る行動について考察

 


1.1. ■経験的観点

どうしても科学的・プロセス的な観点だけでは解決できない「経験と勘」が重要なケースがあります。ここでは、理論化できないですが、実際に見えるチヌの行動から高釣果に繋がる経験観点を紹介します。

 

1.1.1. ■タックル・仕掛け

タックル及び仕掛けには拘りや工夫は無く、ベテラン釣り師の方が紹介されている内容と同様です。

本書では、[タックル・仕掛け]の章をで詳しく紹介していますが、ここではポイントだけ簡単に紹介します。

 

 

 

 

竿

メインに使う竿は、4.5-5.4mズームを使います。

80以上の河川に釣行した経験から、この竿1本で8割程度の釣りポイントで対応できました。残り2割は5.4-6.3mズームを使います。 

 

リール

両軸リールを使われる方が多いですが、片軸(横型)リールを愛用しています。

理由は、手首をひねらずリールのブレーキを親指で操作できるため、長時間餌打ちしても腕の負担が少ないです。

 

ライン

PE(白色)1号を150m以上巻きます。

PEラインが傷ついたり、汚れると、ラインを切って使うことで、 150m巻いて2年以上使っています。

白色を使う理由は、保護色を意識していますが、効果は数値化できておらず明確に分かりません。

また、PEラインの断面が正円の物を使っています。

 

ハリス

以前は、1.2~2号まで使い分けていましたが、チヌがハリスに 気付く感じは変わらなかったので、1年中1.7号だけ使っています。2号はハリス切れでバラス確率は低いですが、根掛りしたときの対処に

苦慮するので使っていません。ハリスの長さは2mを基本として、濁りがある場合は透明度+30cm以上としています。

例えば、透明度が50cmの場合は、80cm(50cm+30cm)以上あればチヌに気付かれ難いです。

 

ハリスとライン結び

8の字に更にもう一回ひねって接続強度を高めた結びで直結します。

 

チヌ針1~2号(黒つや消し)を餌によって使い分けます。

 イガイ: 2号のみ

 カニ: カニのサイズにより1~2号を使い分け

 

針の色は、「黒色つや消し」が他の色より明らかにチヌに見切られ難くいです。ただ、針のサイズについては課題があります。 1~2号では、食わすことはできても、合わせた時にスッポ抜けが、5割程度あります。3号以上の針を使うとチヌの掛かりはよいですが、餌を食う前に見切られる確率が高まりますし、テトラや石畳周辺で釣る場合に根掛の確率も高まります。

 

現時点では、食わすことに重点を置いて、1~2号を使用しています。スッポ抜けた場合でも、ボロボロでも良いので餌が針に付いていれば、そのまま打ち返すと、かなりの確率で再び食ってきます。

10年間も試行錯誤していますが、未だに良い対策案はありません。

 

ガン玉

Bをメインに使います。

理由は、着水音が小さくて、早く海底まで沈むことができるサイズが2Bです。ガン玉を付ける目的は、チヌに気付かれない内に早く着底させるためです。カニやイガイ餌をゆっくり落として、沈んでいるいる途中の餌をチヌが気付くと、通常は海底に居る餌が沈んでいるので違和感を感じて逃げ出します。

 

1.1.2. ■釣り場のローテーション

同じ河川に毎週釣りに行く場合に、先週良く釣れた同じポイントに入ることを繰り返すとチヌは警戒して釣果がガクンと下がります。同じ河川に釣行する場合は、複数のポイントをローテーションした方が、チヌへのプレッシャーを軽減できて高釣果で安定した釣りが期待できると考えています。

 

基本的な考えは、同じポイントに入るのは1か月以上の間隔を開けて行くようにしています。毎週同じ河川に釣行する場合は、下記の写真のように釣るポイントは最低でも4ブロックに分けて、1か月間以上の間隔が開くようにローテーションするようにしています。これでもチヌの警戒が高まったと感じた場合は、3カ月以上釣り場を寝かせます。

 

 

チヌの警戒感が高まった行動は、下記の2つより判断します。

①釣れていた時期より、明らかに魚影が少なくなった。

②下記のプロセスにおいて、チヌを反応を見ていると、釣れてた 時と比べて明らかに敏感になって釣り難くなった。

・竿振りを振った時に今までは逃げなかった水平角20度でも逃げるようになった。

・餌の着水音が少しでもすると一目散に逃げる頻度が明らかに上がった。

・沈み中の餌を見た瞬間に逃げるようになった。

  (釣れてる時は、逃げる場合でも餌を0.何秒は見ていた)

・着底した餌の見切りの判断が速くなった

 

1.1.3. ■チヌは釣り人と散歩者を見分ける

護岸が整備された遊報道の釣りは、散歩者が多く行き交いますから、釣り人も歩くだけでは、チヌは違和感を感じないので動きに変化はありません。竿を立てて持って歩いたり、チヌを発見して立ち止まったり、水際に近付くとチヌは警戒して逃げます。

 

●護岸の散歩コースを歩いてチヌの行動が面白い

①チヌを発見した後、足を止めずにそのまま歩き続けると、何食わぬ顔で餌を食ったりしています。

 

②足を止めてチヌを見ると、チヌは食いを止めてこちらを見て警戒状態になります。

下記の通り釣り人の動きでチヌの行動が変わります。

 

<ケース1>

釣り人がその場でじっとチヌを見ていると、嫌なのかゆっくり泳ぎ去ります。

<ケース2>

一歩でも近づくと一目散に逃げます。

<ケース3>

再び散歩のように歩き出すと警戒を解除して餌を探し始めます。

 

③水際を歩くと水中が見やすく、チヌを発見しやすいですが、チヌからも釣る人が良く見えるため警戒は高まるようで、竿を持たず散歩者と同じように歩いても一目散に逃げる場合が大半です。チヌを探して歩く場合は、水際から陸側にチヌが見えるギリギリまで離れてチヌを探して歩きます。

  

   

<考察>

チヌは、人の動きによって行動を変えるので、しっかり人の動きをチェックしていると考えられます。

この場所は、散歩されている方が多数居られますので、釣り人が散歩する人と同じように歩いてチヌに違和感を持たせないことが重要になります。

また、釣り人は竿を持っていますが、竿の持ち方にも注意が必要で、竿を川の方を向けたり、竿を立て歩くと一目散に逃げます。竿は寝かせてチヌに気付かれないように持って歩くことです。後で説明しますが、チヌを発見したがチヌも釣り人に気付いている場合は、餌打ちを行わず、一旦歩き続けてチヌから遠ざかった後、チヌに気付かれない様に再度近づいて餌打ちすると釣れる場合があります。

 

1.1.4. ■チヌは動かない釣り人は警戒しない

チヌは釣り人が動かなければ警戒しないようです。

写真は、釣り人が約5m先に居る40cmチヌを発見し、護岸の水際に立ってスマホを構えてじっと動かず見ていると、こちらに近付いて足元から1m弱まで接近しました。違和感を感じたのかこちらの方を見ましたが、再び護岸のフジツボなどの餌を食べ始めました。この後、手を振り上げたら一目散に逃げました。どうやら目が悪いのか動かない釣り人は、ただの物体としか認識できないようです。

 

ここから分かる事は、チヌが気付かない様に瞬間に竿を振って、餌打ちを行った後は、動かないようにじっとしていれば、釣り人や竿に対しては警戒しないと思われます。

サイトフィッシングで釣果を上げるためには、チヌ行動を観察して、竿を振って餌を打つタイミングと餌を打つ位置と餌が着底するまで、チヌに違和感を与えないプロセスコントロールができれば自然に餌を食うと考えられます。

 

 

 

1.1.5. ■チヌから真上は見え難い角度

経験的にフィッシュウィンドウ内でもチヌから釣り人が見え難い角度が真上になります。この角度がどこまで見えないかは科学的には分かりませんが、感覚的に水面に対して真上の90度から±10度程度は見えてないと思います。

但し、真上では釣り人は早い動きを行うとチヌは気付いて逃げ出すので、ゆっくりとした動作で餌打ちを行う必要があります。釣り方は、竿をまっすぐ上に向けた状態で、護岸際を覗き込みチヌを発見すると、ゆっくりとした動作で竿を立てたままクレーンのようにゆっくりチヌの斜め後方(尾ひれの辺り)に餌を落とし込めば釣れる可能性が高いです。

 

注意点として2点あります。

①風などで釣り難い場合に、餌をチヌに近付けたく、つい竿を寝かせてしまうと竿の動きにチヌが気付いて逃げ出します。この場合は、最初から竿を寝かせると良いです。

 

②餌を落とす位置を目の前にするとチヌの視界に餌が入った瞬間にびっくりして逃げ出します。

 

  

 

1.1.6. ■釣れるポイントの水深

●釣れるポイントの水深の基本的な考え方

チヌの活性が高い水深は、海底から水深が30~80cmテトラ・ゴロタ石等の構造物の上部から水深が30~80cmの水位です。海底から水深が150cm以上や、テトラやゴロタ石等の構造物の上部から150cm以上の水位では、チヌの活性は低下しており、また、沈む途中の餌に気付き警戒して逃げ出し釣るのは難しいです。同じ河川でもポイントによって、チヌの活性が高まる30~80cmの水深になる時間帯が違いますので、タイドグラフで確認してポイント毎に釣る時間を決める事は、釣果を上げる重要な基本要素になります。

 

例えば下図を例に説明しますと、

①満潮時に狙うポイント

石畳上の水深が30cm以上になると石畳の上に上がってきます。

チャンスタイムは、石畳上の水深が30~80cmです。

石畳上の水深が150cm以上になると釣り難くなります。

 

②石畳が少し水に隠れる

石畳み駆け下がり際の水深が10cm頃になると、石畳み駆け下がり際にチヌが寄ってきます。

チャンスタイムは、石畳み駆け下がり際の水深が10~50cmです。

石畳上の水深が150cm以上になると釣り難くなります。

 

③ゴロタ石場

干潮から満ち込みでゴロタ石の上部の水深が10cm程度隠れるようになると、ゴロタ石場の周辺にチヌが集まって、潮位が上がるのを待っています。

チャンスタイムは、ゴロタ石場の上部の水深が20~80cmの時です。

100cm以上深くなると釣り難くなります。

 

④干潮時の捨石・テトラ周り

干潮で水深が30~80cmの時にテトラや捨て石などの物陰で休んでいるチヌを狙います。

チャンスタイムは、干潮で流れが止まった時です。

特に透明度が30cm程度であれば、爆釣できる場合があります。

 

 

 

●水深20cmで釣れるチヌ

 特に大潮で一気に満ち込み時に、満ち込み直後の水深20cm程度の場所で、砂地を掘って背びれや尾びれを水面に見せながら貝などを食べているようです。このタイミングは活性が高いので連荘でバタバタと釣れ場合が多く、釣れるサイズも40cm級のチヌが多いです。

 

釣れるタイミングは2つあります。

 

①干潮から徐々に満ち込む潮に乗って、遡上する鮭のようにチヌが川筋を上るときに、長靴で川に入って釣れます。下記の写真は水深20cmで44cmのチヌを釣り上たシーンです。

 

 

②水温が高い夏場に多いですが、満潮から下げ潮や、干潮から満ち込みで、ゴロタ石場が水深が20cm程度になる時に釣れます。

 

 

●水深が150cm以上で釣れる場合

基本的には、海底や、テトラや捨て石などの構造物の上部から150cm以上の水深の場所は釣り難いです。沈んでいる餌をみたら大抵のチヌは逃げ出します。餌が着底するまでにチヌに気付かれなければ釣れる確率は高まりますが、かななか難しいです。

 

ただ、下記の場合は深くても釣れる確率が高いです。

<ボートや浮桟橋>

日差しを避けてボートや浮桟橋の下に居るチヌを見かける事がありますが、この場合は、ボートや浮桟橋の際から餌を落とすと、チヌが餌を追っかけて潜って釣れる場合があります。

 

<海底にテトラや大きな捨て石などの構造物がある場合>

構造物から50cm以内の距離であれば、釣れる可能性があります。

 

1.1.7. ■活性が高くなる水深

経験的に様々な場所で共通して活性が高くなる水深は、水温が約18度以上(6月頃~11月頃)では、障害物から水面までの水深が50cm前後と思います。

 

例えば、干潟の砂地が干潮から満ち込みで水深が20cmになった場所はチヌが餌を求めて背ビレや尾ヒレを水面に出して餌を捕食しています。写真の様なチヌが餌を掘った場所がある場合は、満ち込みで水深20cm頃に観察することをお勧めします。チヌが見えた場合は、1匹目は餌打ちすると、ひったくる様なアタリが出る場合が多いです。ただ、2匹目以降は警戒して釣り難くなります。

 

 

また、石畳の駆け上がりで、石畳が20cm程度沈んだ頃に、石畳の上に上がりたく駆け上がり際をウロウロ泳いで活性が高くなっています。

 

 

1.1.8. ■エイに付くチヌ

汽水域では1m四方位の大きなアカエイを見かける場合があります。エイを見つけたらチャンスタイムです。エイの後ろを数匹のチヌが付いて泳いでいる場合があります。これは、エイが石畳やテトラなどに付着している牡蠣などを食べた後のおこぼれを狙っているのです。そこで、エイがカキなどを食べていたら、餌を打つ構えで待機して、エイが移動する瞬間にエイが食べていた場所に餌打ちします。チヌが餌に気付くとは一目散に寄ってきて食らいつきます。

 

そこで、エイが竿が届く護岸際を泳いでいたら、後を追いかけて歩き、チャンスがあるときに餌打ちすると、かなりの確率でヒットします。この釣り方は、向こう合わせで釣れますが面白いです。

 

1.1.9. ■チヌの行動から釣れるチヌの見極め

発見したチヌの行動観察は、サイトフィッシングにおける数釣りを行う上で重要なポイントとなります。

釣れそうなチヌを見極めた時は、臨界角とフィッシュウィンドウや、海面基準に水平角20度以内で竿を操作して餌打ちできるように神経を集中して行います。

 

●餌打ちの基本

チヌが釣り人に気付いて無ければ、餌打ちに準備に入りますが、チヌに気付いた場合は、餌打ちしても大抵のチヌは逃げますので、餌打ちせずに次のチヌを探します。逃げるのが分かっているチヌに、更に餌打ちしてプレッシャーを掛けるとそのチヌは警戒して益々釣れなくなります。

例えば、釣り場で往路は釣れそうにないチヌは見切って、復路に釣れそうなっていることを期待します。

 

●チヌの動きで餌打ち有無を決める

<釣れる可能性が高い行動>

海底で餌を食べている(特に砂地)

 

・餌を打つポイントは、

   ・水深が50cm程度であればチヌの前方約1m

   ・水深が1.5m程度であればチヌの前方約3m

   ・チヌの後方は、水深に関係なく尾びれ直後

 

餌を打った時に着水音で逃げなければ釣れる可能性がかなり高いです。

ただ、数匹が群れている場合は、何れかのチヌが気付いて逃げると他のチヌもつられて逃げ出します。単独行動するチヌが釣り易いです。

 

干潮時にテトラ・ゴロタ石の物陰で休んでいる

餌打ちして着水音を立てないようにチヌの後方に落として、チヌが餌に気付けば釣れる可能性が高いです。但し、チヌの目の前に餌を落とすとビックリして逃げ出します。

 

・護岸際の上層から中層を泳いでいる

カニ餌を泳ぐ予測コースの3m程度先に餌打ちを行います。カニ餌に気付いたチヌは、気になるのかカニ餌を追いかけて潜り20~30cm程度まで近付きます。カニ餌に違和感を感じると逃げますが、違和感を感じないチヌは頭を下に向けて魚体をひねってカニを食ってきます。食い終わり泳ぎ出すとラインがスーッと引き込まれますので合わせます。中には居食いしてしばらくじっとしているチヌも居ますが、泳ぎ出すまで待つと針を吐き出す可能性が高いので、軽く竿を起こして穂先が抑え込まれると合わせます。  

 

<釣れる可能性少ない行動>

・釣り人に気付いて警戒している

餌を食べていたチヌが、食べるのを止めてじっとこっちを見ている場合があります。この状態で餌を打つと100%と言って良いほど逃げますので、一旦チヌから遠ざかり、改めて気付かれないよう近付けば釣れる可能性があります。

 

・釣り人に気付いて逃げ出す

チヌが逃げて居なくなれば、どうしようもないです。

ただ、チヌはお気に入りの場所が有るようで、しばらくしたら同じポイントに戻ってくる場合がありますので、時間をおいてチェックすることよいです。。

 

・水面を群れで漂っている

満潮時など、流れが無い場合に良く見られる行動ですが、数十匹・数百匹で群れて浮いていると1匹くらい食わないかと思い餌打ちしますが、今まで殆ど釣れた事がないです。

ただ、下記の場合は釣れる場合があります。

 

・群れの中に海底で餌を探しているチヌが居たときは、そのチヌを狙い撃ちします。

 

・群れている場所が橋の下の場合は、ガン玉を外してノーシンカーで小さいカニで餌打ちすると釣れる場合があります。

 

1.1.10. ■狙ったチヌに対して餌を打つポイント(基本)

チヌは好奇心旺盛だが用心深いと言われますが、餌を打ってチヌの行動を見ていると実感できますし、行動がとっても興味深いです。様々な行動をするチヌが居ますので、一連のチヌ前打ちのプロセスの中で一番ワクワクします。

 

●餌打ちのポイントの基本

狙いを定めたチヌに対して、餌を打つポイントは、チヌに餌の着水音に気付かれず、沈んでいる餌にも気付かれず餌が着底でき、着底後に餌に気付かせる事が基本です。

 

<チヌが逃げるポイント>

●チヌの頭の前

餌の着水音に気付かれなかったとしても、沈んでいる餌がチヌの視界に入った間に、一旦30cm程度後退して弧を描くように振りかって好奇心があるのか餌を見て大抵のチヌは逃げます。ただ、餌に近付いてくるチヌもいます。餌に10cm程度まで近付いて餌をガン見して逃げるチヌが殆どですが、稀に餌を食ってくるチヌもいます。

 

●チヌ前方の臨界角の境界の内側の視界範囲

例えば、水深が50cmの場合は、チヌ前方50cm以内に着水音に気付かれなったとしても、沈んでいる餌をガン見して、大半のチヌは逃げ出します。

 

<チヌが逃げないポイント>

●チヌの後方

カニ餌の場合は、着水音に気付かれなかったら、餌の着底まではチヌは餌に気付かないですが、カニの動きを察したチヌは、振り向いて違和感を感じず大抵のチヌは自然に食ってきます。残念ながらチヌに気付かなければ、竿の操作をチヌに気付かれないようにして餌をそっと回収して、再度餌打ちしたいですが、大抵のチヌは竿の動きに気付いて逃げ出します。

餌打ちの基本は一発勝負です。

 

●チヌ前方の臨界角の境界の外側付近の視界範囲

例えばカニ餌で水深が50cmの場合は、チヌ前方1~1.5m程度のポイントに餌を打って着水音に驚かなかった場合、沈んでいる餌を見ていますが逃げません。何が沈んでいるのか判断できないと思われます。着底してから動く物体(カニ餌)に好奇心があるのか近付いて、自然なカニの動きで違和感が無ければ食ってきます。しかし、元気なカニでも針の刺し方によっては見切って逃げます。

カニ餌の刺し方は見切られない針の刺し方」章を参照してください。

また、食っても違和感を感じると吐き出して逃げます。

 

●チヌ前方の臨界角の境界の外側の更に離れたポイント

例えばカニ餌で水深が50cmの場合は、チヌ前方2m以上のポイントに餌を打つと大抵のチヌは着水音を気にしません。餌にも気付かないので、竿を操作してカニをゆっくり近付けてチヌが気付いた瞬間にカニを止めると、チヌは20cm程度まで近付いて、違和感を感じ無ければ食ってきます。もし違和感を感じ釣ると逃げます。

 

1.1.11. ■狙ったチヌに対して餌を打つポイント(実践)

●チヌが単独行動のケース

チヌが単独でカキなどの餌を食べている時が一番釣れる確率が高いので、神経を集中して丁寧に竿を操作して釣りします。

 

チヌ後方から近づき、下記の写真で黄色エリアにカニ餌を落とすことができて、カニ餌が着底するまでチヌが気付かなければ大抵釣れます。着底したカニが動き出し、チヌはしばらくするとカニに気付き近付いて食ってきます。喰い終わってチヌが移動するときにラインがす~っと引き込まれ、合わすとチヌが何故かいつも横向きになって、いぶし銀をキラリとさせて一気に泳ぎ出して竿を絞り込みます。

 

 

 

●数匹の群れで居るケース

数匹の群れで居る場合は食わせる難易度が高いです。

竿を振る立ち位置まで近付く時や、竿振り、餌の着水音、餌が沈んでいる時などで、何れか1匹が違和感を感じて逃げ出すと、他のチヌもつられて逃げ出します。やはり監視の目が多くなると、少しでも違和感を感じさせたら釣れません。しかし、竿振りが成功して狙いのポイントに餌が着底するまでに、チヌに気付かれなければ、チヌの数が多い分、何れかのチヌが餌に気付きますから大抵釣れます。

 

●10匹以上のチヌが海底で群れてるケース

特に干潮で川筋などの潮溜まりにチヌが海底から中層で10匹以上群れている場合はあります。

この場合は、チヌに気付かれても良いのでフィッシュウィンドウや水平角20度は考えることなく、竿を素早く振ると気付いたチヌが逃げ出しますが、中には何が起きたのか把握できすその場で右往左往するチヌもいます。右往左往したチヌは、その後に違和感を感じなければ、その場にとどまってユラユラ泳いだり、餌を食べたり始めます。右往左往している間に餌が着底できれば、その場に留まって

いるチヌが餌に気付いて食ってきます。この右往左往するチヌの動きを見ていると面白いです。

 

1.1.12. ■餌の着水音

チヌは、竿振って餌が着水した時の着水音にはとても敏感です。

 

無風で水面が鏡のようだったら、いくら竿振りを水平角20度以内で行っても着水音で逃げだすため、釣るのは難しいですが、下図の方法で釣ると釣れる確率が高まります。

 

●餌の着水位置ついて

カニをチヌから2m以上遠くに打って、チヌから1.5m位までゆっくり竿をPEラインが臨界角の半径の内側に入らないように引いて近づけると大抵のチヌはカニに気付きます。気付いた瞬間に竿を止めて待っていると、カニの動きに誘われてチヌが近づいて食ってきます。但し、チヌが気付いた以降もカニを動かし続けたり、PEPラインが臨界角の半径の内側に入ると異変を感じて逃げますので慎重な操作が求められます。

 

 

<参考>

臨界角の半径とは、魚(水中)から空気中の景色が見える範囲で、臨界角の半径は、概ねチヌが居る水深と同じ距離です。

例えば、チヌの水深が50cmであれば、臨界角の半径約50cmになります。

 

1.1.13. ■餌の沈め方

●餌の沈む速度について

チヌはゆっくり沈む餌は見切って逃げます。

なぜなら空気中からカニやイガイが落ちるような現象は自然界に 無いからです。(ボートや浮桟橋、岸壁などは除きます。) 自然界に無い現象に対してはとっても敏感で、早く着底させた方が見切られる確率は低下します。しかし、早く沈めようとガン玉も大きくすると、餌の着水音が大きくなり好ましくありません。そこで、釣るポイント構造や水深毎にガン玉の重さを変更します。

 

●基準ガン玉サイズ

2Bを基準に状況に合わせて、ノーシンカーと3号~3Bまで変更します。

 

●砂地

ガン玉サイズ: 2Bを基準

砂地の海底に居るチヌを狙う場合は、テトラ・ゴロタ石などの障害物が無いので、カニが海底を這っている動きや、チヌが餌に気付いて近寄って食うまでのシーンを目の当たりにできるためワクワクしますが、釣るには高度な竿操作が必要で、チヌを掛けた時は、とっても満足する1尾になります。

 

<実際にチヌの行動>

海底に構造物がない砂地や小さな捨て石が点在する場所では、水面から沈んでいるカニに気付くと、0.何秒程度はカニ餌に見ていますが、違和感を感じるのか大半のチヌは逃げます。カニ餌が着底するまでチヌが気付かないように、フィッシュウィンドウや、臨界角・全反射などを意識した操作を行って、着底後にチヌが気付いた時は大抵釣れます。

 

★チヌ間のコミュニケーションについて

餌打ちた時に沈むカニ餌に気付いて違和感を感じたが、逃げずにカニ餌に近寄らず無視して泳いでいるチヌを見かけます。この時に護岸を泳いできたチヌが、 カニ餌に気付いて食おうとする場合、先に違和感を感じてカニを無視していたチヌは、他から来たチヌに警戒は発しないようで、他から来たチヌは餌に気付くと食ってきます。このようなシーンを何度も見ており、恐らくチヌ間で危険を知らせる

コミュニケーションは無いと思われます。

●ボート・浮桟橋

・ガン玉サイズ: Bを基準

護岸に係留されているボートや、浮桟橋下に複数のチヌが休んでいる場合があります。このチヌを釣る難易度は低いです。ガン玉は軽めにセットして、ボートや浮桟橋から餌を落ちてきたことを想定してゆっくり沈めると、チヌが気付きやすいです。気付いたチヌは、餌を追いかけて海底に潜った後、ラインがスーッと吸い込まれる当りががでます。

 

<面白い現象>

ボートの下に数匹のチヌが居ても、ボード際から餌を落とすと、数匹が競うように餌を追っかるのではなく、何故かいつも1匹のチヌだけが餌を追っかけて潜っていきます。(想像ですが、チヌには競争しない暗黙の行動があるのかも?)

 

ただ、1匹釣った後でもボート下にまだチヌが居る場合は、2匹目を釣ろうと、再びボート際から餌を落とすと、数匹のチヌが居るにも関わらず餌を無視します。気付かないのかと思い、何度かボート際に餌を落とすと、チヌは徐々に逃げるので、嫌がっていると思います。2匹目のチヌを釣るためには、1匹釣った後は、2回目の餌打ちは行わず、他の場所に移動して、1時間以上開けて2度目の餌打ちすると確立は低いですが釣れる場合があります。 

 

●石畳

・ガン玉サイズ

餌がイガイで水深が50cm程度であればノーシンカーで、1m以上と深ければB餌がカニの場合は2Bが基準

 

写真は2段石畳で、1段目は沈んでおり、1段めの駆け下がり部分の水深50cm程度の浅いところに居るチヌは活性が高いです。ここに居るチヌはイガイ餌を落すと、警戒せず餌にすーっと近付いて食ってきます。カニ餌は、餌を打って海底に着底するまでにチヌが気付かなければ、食ってくる可能性が高いでが、イガイが断然食いが良いです。イガイは必ず小粒を5個程度の房掛けで付けます。岸壁の

落とし込みのように大粒1個掛けでは食ってきません。

 

 

 

●目の前にカニ餌が落ちて逃げるチヌ

例えば、テトラの物陰で休んでいるチヌの真上から竿をクレーンのように操ってゆっくり餌を落とすと、チヌの目の前の視界に餌が入った瞬間にビックリして逃げます。真上から落とす場合は、チヌの尾びれの斜め後方に落とすと着底後に気付いた場合は食ってきます。気付かないと思って餌を操作すると違和感を感じて逃げます。餌を着底させた後は、落とす場所を失敗したと思ってもじっと待ちます。打ち直すと大抵のチヌは逃げます。餌打ちは様々なシーンでも一発勝負です。複数回打ち直すとチヌは逃げます。

 

●深場(2m以上)

深場のチヌは、前打ちでは、あまり釣れないです。水深が2m以上深い場所で、テトラ等の構造物が無い砂地などの場所は着底まで時間がかかるため、チヌが落ちてくる餌に気付くチャンスが多くなるのかチヌが逃げ出すことが多くなり、なかなか釣るのは難しいです。ただ、釣っているポイントの潮位と、周辺にテトラ・捨て石・岸壁などの構造物が釣りたいポイントから約50cm以内であれば、釣れる確率が高いです。

 

1.1.14. ■着底した餌に見切って逃げるチヌ

餌を見切って逃げるは、砂地に着底したカニ餌を見つけて20cm程度まで近づいて、1秒程度じっとカニ餌を見て違和感を感じて見切って逃げます。中には、一度見切って2m程度離れても気になるのか、数秒に再び近付いてきて、やっぱり見切って逃げるチヌや、食ってくるチヌもいます。チヌの行動を観察していると釣れなくても飽きないです。

 

<考察>

逃げるチヌは、カニ餌に付けた針が見えていると考えています。チヌから見えない刺し方に工夫してから見切られることは少なくなりました。経験からハリスの太さで警戒度の変化はないようです。実施にハリス1.2号から2号までに使いましたが、警戒度に変化は無かったです。

ただ、PEラインはチヌはしっかり見えるようで、臨界角の半径の内側に入ると、気付いて一目散に逃げ出します。

 

1.1.15. ■フグが食っていると横取りしない

先にフグがカニ餌を食っている時に、後からチヌがフグを散らかしてカニ餌を食ってくるシーンを目の当たりにしたことは一度も無いです。チヌはカニ餌に気付いてもフグを散らして横取りせずじっと見ています。不思議です。

フグからカニ餌を守る方法は、ガン玉んを重くして早く着底させることです。カニ餌の沈む速度が遅いと、沈んでいる途中からフグが寄ってきて、着底してからも餌から離れません。

 

1.1.16. ■餌の誘い(着水~着底直前の誘い)

着水から着底までの誘いで重要なポイントは2点あります。

①餌が着水から着底直前までチヌに沈んでいることを気付かせない

②チヌが着底直前に気付くように沈む餌を操作して適度に近付けて着底させる

 

2点を厳守するためには、下図の通り餌を全反射領域に着水音を立てないように餌を打って、チヌが居る水深を同じで、チヌから20~50cm離して着底させる操作を行うと、着底直前にチヌが餌に気付く確率が高まります。

チヌの横に餌を着底させる距離は、チヌが居る水深とチヌの行動から判断します。

例えば、夢中でカキなどの餌を食べている状況であれば20cm程度に着底させ、チヌが海底でじっとしている場合は、50cm程度まで離します。また、水際に波立っている場合は、20cmまで近付けるなどです。

 

 

 

1.1.17. ■餌の誘い(着底後の誘い)

基本的には竿を操作して餌を動かす誘いはしません。誘った時に餌が異様な動きをしたり、PEラインがチヌの視界に入って逃げ出す確率が高まります。ただ、餌に気付いて貰わないと釣れませんから餌の誘い方を紹介します。

 

●餌の誘い方

経験的に、下図のように餌の誘い方によってチヌの反応が違います。

①チヌより遠くに餌を打って、チヌが気付かなかったので、チヌから離れた場所で餌を引きずると気付いてくれる場合があります。但し、臨界角辺りまで引くとチヌは逃げます。ある程度引いたら、あとはカニの自然な動きに任せます。

 

②餌をチヌに近づけようとして、PEラインがチヌの近くを通過すると、PEラインに気付いた瞬間に一目散に逃げます。

 

③チヌの近くから餌を遠ざける誘い方をした場合は、チヌは違和感を感じて逃げ出します。近くに餌がある場合は誘いせず、チヌが気付くまで待ちます。

 

④チヌの遠くに餌があり、更に餌を遠ざける誘いをした場合でも、 チヌは気付いて追っかけてくる場合があります。気付いた瞬間に餌を止めます。

 

●お勧めできない誘い

水深が深い、透明度が低い場合は、縦方向の誘いに効果があるかどうかは、チヌが見えないので何とも言えませんが、水深が1.5m以下で透明度が2m以上ある場合は、着底後に餌を浮かす縦方向の誘いをすると、概ね50cm以内の距離にチヌが居た場合は、チヌの行動を見ていると大抵は危険を察知して逃げ出しますのでお勧めできません。

 

●餌の誘いのポイント

・チヌ近くでは誘誘わない。

PEラインを臨界角の半径の内側に入れない。

・餌をチヌに近付け過ぎない。

・チヌが餌に気付いたら直ぐに止める。

 

 

1.1.18. ■餌の食い方(当り)

見えないチヌを釣り場合の当りの判断は、ラインの動き、浮き、穂先、穂先で効くなど、チヌが食って発生す間接的な事象で判断しますが、サイトフィッシングの場合は、水深が50cm以下の浅場で透明度が高ければ、チヌが餌を加えて口をパクパクさせる動きまではっきり見えますので、当りはチヌの動きで判断します。居食い、食ってしばらくして泳ぎ出す、餌を加えて一気に泳ぎ出すなど様々です。

 

●典型的なカニ餌の捕食

カニ餌を使う場合は、大抵のチヌは口を下に尾びれを上にして、魚体をひねっていぶし銀をキラリとさせて捕食しますので、餌を食ったかは分かり易いです。捕食後は魚体を水平にして餌を食い込んで、ゆっくり泳ぎ去ります。

 

●居食い

居食いする場合は、物陰で休んでいたチヌに餌を打った場合に多いです。餌に気付いた時に、下を向いて餌を食って魚体を水平にして、その場にいます。居食いは、餌を口の中でコロコロさせているようで、合わせるタイミング難しく、しばらく待っていると、針だけ吐き出して空振りになる場合があります。また、食べ終わったら休んでいるのか分かりませんが、その場でじっとしています。この場合は、ゆっくり竿を立てて穂先の抑え込み具合で針の掛かり具合を確認します。穂先が抑え込んでじっとしているようなら合わせますが、竿先が上下にピクピク動くようなら食い込みが甘い可能性がありますので、待ち、穂先がぐっ!と抑え込むようになったら合わせます。また、竿を効いた結果、まだ食っている判断して竿を下げると、大抵のチヌは餌を吐き出しますので、竿を効くタイミングが難しいです。

 

●しっかり食い込んだ

餌を完全に食い終わって、次の餌を探しにゆっく泳ぎ出します。この時にラインがスーッを引き込まれる当りは、餌をしっかり食い込んでいる場合が多く、大抵針掛します。この食い方が活性が高いと思います。

 

●食って一気にラインを引っ張る

食ってから一気にラインを引っ張る当りは、一見活性が高そうな当りですが、チヌを目の当たりに見ていると、違和感を感じて逃げている泳ぎ方と同じです。おそらく、餌を食ってからハリスが体に触れるなどして違和感を感じたのかと想像します。また、小型のチヌが甘噛みして引っ張りまわす場合の当たりもあります。

 

1.1.19. ■カニ餌を食った瞬間に吐き出すチヌ

 

カニ餌を食った瞬間に吐き出して逃げるチヌがいます。

(餌を見るとカニが潰される「カニクシャ」となっています。)

考えられる要因は3点かと思います。

 

●穂先がコンと曲がる様なに当り

穂先がコンと曲がる様なに当りがでる場合は、約50%以上の確率でカニ餌を離します。必ずラインテンションを掛けないようにし、アタリはラインの動きで判断することで、カニクシャはかなり改善できます。

 

●餌に違和感を感じた

針の付け方を改善しました。「見切られない針の刺し方」章を参考にしてください。

 

●ハリスに魚体が触れた

釣り人や釣竿、ラインの気配を消しているにも関わらず、餌をくわえるまでゆっくりした泳ぎだったのが、餌をくわえた瞬間にカニをくわえたまま一気に走り出してラインが一気に引き込またり、食った瞬間にカニを吐き出して泳ぎ出すチヌを何度も見た事があります。違和感を感じないチヌは、カニを食った後は、ゆっくり次の餌を求めて泳ぎ出し、ラインがスーッと水中に引き込まれる事が、典型的なアタリです。一気に走り出すチヌについては、釣り人を発見した瞬間に逃げる泳ぎ方をよく似ていますので、ハリスが魚体に触れて違和感を感じて逃げ出したと可能性があると考えています。この現象が多いのは、満潮からの引潮で流れが速くなるときで、どうしてもハリスは海底を這わすことや、ハリスにテンションを掛けないことが難しくなるタイミングです。極力ハリスにテンションを掛けないようにすることです。

 

以上を改善することで、カニを吐き出す確率は約5%まで改善できましたが、抜本的な対策を試行錯誤中です。

 

<余談>

全てのチヌが魚体にハリスが触れたり、ラインテンションを掛けたら逃げることは有りません。明らかにハリスが触れていても、お構い無しにカニを食ってくるチヌは居ますので個体差はあります。ラインテンションは全ての少しでも釣果を上げるための改善策です。この小さな改善の積み重ねで、満足できる釣果になると考えています。

 

1.1.20. ■カニの捕食シーン

サイトフィッシングを行っていて一番ワクワクのが、晴天・無風で透明度抜群で、砂地の海底で水深約30cm前後の海底に居るチヌに近付いて、餌打ちしてチヌが捕食るシーンを目の当たりにするときです。

 

水面に波が無いため、餌を打ってチヌが近付くとカニはハサミを立て威嚇しますが、チヌはカニの正面から近付いて、口を下に、尾びれを上にして、魚体をひねっていぶし銀をキラリとさせながらカニを

食っています。カニが口に入ると魚体を水平にして、口の中でカニをころころ回しながら食べて、食べ終わると次の餌を求めて泳ぎ始めると、ラインがスーッと引き込まれていきます。チヌが捕食するシーが鮮明に見えるため、チヌの生態を正確に把握でき、とっても勉強になります。

 

1.1.21. ■合わせ

●合わせてすっぽ抜けた場合

当りがあって合わせた時に、クシャクシャになった餌だけが上がってくる時のチヌの行動が面白いです

 

食った当りに合わせてスッポ抜けで、クシャクシャになったカニ餌だけが上がってくる場合があります。

この時のチヌの動きは、くわえていた餌が突然無くなったのでキョロキョロ探しています。こ場合はクシャクシャのままで良いので直ぐに同じ場所に餌を落とすと大抵のチヌは着底する前に飛びついてきます。

ただ、再度竿振って餌を打った時や、餌の着水音で逃げる場合もありますので、チヌに気付かれない竿操作は必要です。

 

すっぽ抜けた時に餌が付いてなければ、素早く餌を付けて再度同じ場所に打っても釣れる確率は下がります。

 

 

●テトラ際での合わせ方法

テトラ周辺は、釣り人が見え難いの、食わす難易度は低いですが、当りに強烈な合わせを入れると、チヌが一気にテトラ内を走ってハリスが根ズレでバラす確率が高いです。テトラ周りで釣る場合は、当りがあると、ゆっくり竿を上げるてチヌをテトラの隙間からそっと出すことです。ゆっくり竿を立てると、チヌは何の抵抗も無くスーッと出てきます。出てきた瞬間に一気に合わせて竿を起こしてテトラから引き離して釣ることができます。

 

1.1.22. ■餌打ちを行う距離間隔

サイトフィッシングによる前打ちは、護岸を歩いてチヌを発見して、自分の思い描いたプロセスでチヌに近付いて餌打ちしますが、濁り等でチヌが見えない場合は、チヌが居るだろうと想像して餌打ちしながら歩くことになります。現時点で最適と考えている釣り場を往復する場合の餌打ちの距離間隔について紹介します。

 

チヌは護岸に均等に散らばっているのではなく、チヌが多い場所と、少ない場所があり、場所は日によって違います。そこで、釣り始め(往路)は5m間隔で1回の餌打ちを行います。もし当りがあると、餌打ちする間隔を短くします。当りが続かなければ5m間隔に戻します。これにより、釣り場全体のチヌの居場所を短時間に把握できます。復路では、チヌの当りが無かった場所は間隔を8m程度まで広げて、当りが有った場所は、間隔を短くして丁寧に探ることで、短時間で最高の釣果を上げることができます。大抵の河川は釣り場所は沢山ありますので、長い距離を短時間に餌打ちすることで、おのずと釣果が上がります。

 

 

 

 

★ポイント

・餌打ちを行う最短の間隔は海水の透明度の倍の距離です。

例えば透明度が1mであれば最短の間隔は2mとなります。

理由は、チヌの視界に餌が落ちる光景が見える回数は1回のみにします。2回以上餌が落ちてくる光景を見ると、違和感を感じて逃げます。餌打ちは一発勝負です。

 

・チヌが釣れた同じポイントで2匹目を狙って何度も餌打ちしても、他のチヌは警戒して同じポイントで滅多に2匹目が釣れませんので移動します。しつこく餌打ちして警戒心を高めるより、場を少し寝かせて復路で餌打ちすることで2匹目が釣れる可能性が高いです。

 

・餌打ちする間隔は、釣り場の在るの距離に応じて変更します。釣り場の幅がさっくり500m以上あれば、釣れていても5m以上の間隔で餌打ちして、釣り場の全体を短時間に把握することが重要です。特に釣れてい場合に餌打ちの間隔を狭めて丁寧に行うと、釣り場全体を把握する前に時間切れで納竿して帰途につくと、釣っていないポイントの把握が出来ずに終わるため、次回の釣行時のつって参考データが無いため戦略が立てれないないです。

 

1.1.23. ■餌が着底して回収するまでの待ち時間

濁りなどでチヌが見えない場合は、餌打ちして餌が着底して、餌を回収するまでの時間は、餌や水温、釣るポイントにより異なります。

 

●基本的な釣り方

カニを使う場合で、釣り場がテトラやゴロタ石、石畳の場合は、着底してアタリが無ければ5秒程度で回収します。長く待つとカニが穴に入って根掛りになります。冷凍カニや、イガイを使う場合は、長くても15秒程度です。但し、サイトフィッシングでチヌが見えている場合は、チヌが気付くまで根掛覚悟で30秒程度待つ場合もあります。

 

●海底が砂地

海底が砂地の場合は、当りが無ければ長くても15秒程度で回収します。

 

●食い渋りの場合

当りが無ければ長くても15秒程度で回収します。

 

1.1.24. ■真チヌのキビレの生息域の違い

河川ではキビレが多く釣れると、よく耳にしますが、経験的に真チヌとキビレは生息域が違うように思います。投げ釣りしている釣り人に伺うと、殆どキビレしか釣れない河川でも前打ちでは、大半の河川では護岸際の石畳場、テトラ場を狙うと実績から98%以上真チヌしか釣れないです。

但し、大阪府の水路や河川は、岸際の石畳場、テトラ場で釣ってもキビレ中心で、真チヌが少ない場所もあります。

この事より、真チヌとキビレの生息域は下記の通りかと思われます。

 ・真チヌは、護岸際やゴロタ石場、テトラ場を好む

 ・キビレは、海底が砂地場を好む

 

1.1.25. ■チヌとアオサの関係

4月から5月頃、テトラやゴロタ石や岸壁にびっしり付着して一面緑一色になるアオサ(アナアオサ)とチヌの関係が推測ですがありそうなので紹介します。瀬戸内海全般に共通しているのは、アオサが水温が高くなりテトラなどから剥がれて漂うようになる6月から7月ころは、河川の汽水域でチヌの数釣りが楽しめるシーズンと同時期にります。

「月別の釣果(釣れる季節)」の章を参照)

推測ですが、アオサが剥がれてテトラや石に付着している食べ易い幼ガキが見えるようになり汽水域にチヌが集まることも一理あると考えています。

 

また、アオサは河川によって食べる/食べないの差があるようです。某河川では、アオサに多くのチヌが寄って新芽を好んで食べて、産卵直前かと思うくらいおなかがパンパンになっています。アオサを食べているチヌは、魚体の匂いがアオサそのものです。

 

 

1.1.26. ■チヌが餌を食った後ゆっくり竿を起こすとどうなる

サイトフィッシングで見えてるチヌが餌を食った後に、合わせるを大抵のチヌは横向きになり、いぶし銀をキラリとさせて猛ダッシュで安全と思われる方向に泳ぎ出し、竿は一気に絞り込まれます。

それでは、見えているチヌが餌を食った後、竿がフィッシュウィンドウに入らないようにゆっくり引くと、チヌは口を上に向けて何の抵抗もせずフラフラ浮いてきます。水面近くになって危険を察知すると一気に反転して潜り安全な方向に一気に泳ぎ出します。

このフラフラ行動は大型チヌに多く、30cm台の小型チヌは早めに危険を察知できるのか水面まではフラフラ浮いて来ることは少ないです。このフラフラ浮いて来る光景を目の当たりにすると思わず笑っちゃいます。

 

実はこの行動は、入り組んだテトラ内に居るチヌを釣る場合に利用するのです。テトラ際でアタリが有った場合に一気に合わせを入れると、チヌは安全なテトラ内に潜って出なくなります。そこで、アタリが有っても合わせず、ゆっくり竿を起こしてチヌをテトラから引き離した後に、合わせを入れて主導権をチヌに与えず、安全な場所へ誘導してチヌの引き味を楽しんで釣り上げるのです。

 

1.1.27. ■浅場のゴロタ石場で休むチヌを釣る

下記の写真は、ゴロタ石場で、干潮時に水深30cm程度の場所で、石の陰で休んでいるチヌです。

満ち込み始めると餌を求めて動き回りますが、休んでいるチヌの尾びれの横辺り(写真の黄色の丸円)にカニ餌をそっと着水音をたてずに落とすことができれば、チヌはカニを目視できなくても側線感覚で感じるのか、カニの動きに反応して体を反転して喰ってくる可能性があります。逆に言えば、餌を着水時に音を出すと側線感覚で異変を感じで逃げる可能性もあります。

経験的な話ですが、写真のようにチヌがはっきり見えず、シルエットだけ見えてる場合は、提灯釣りで竿をゆっくりチヌの真上に持っていき、ゆっくり尾びれの横にカニを落としても、チヌは竿に気付かない可能性が高いです。竿の動きを素早くすると竿に気付いて逃げる可能性がありますので、竿の動きはゆっくりです。ここでポイントですが、一旦落としたカニは自然に任せる事です。チヌがカニに気付かないので竿を操作してカニを動かすと、チヌは違和感を感じて逃げ出します。

チヌの目の前にカニを落とすと、ビックリして大抵のチヌは逃げる可能性が高いので注意が必要です。稀に活性の高いチヌは、目の前に落ちてきたカニに一気に近寄って食らいつく場合もありますが期待しない方が良いです。

 

<ノウハウ>

先ずは、シルエットしか見えないチヌを発見する目力も必要になりますので、私は少しでもチヌが発見しやすいように偏光メガネのレンズはグレー色やブラン色を使わず、クリア色タイプを愛用しています。

ゴロタ石場は、餌の宝庫なので、夏場は要チェックです。目を凝らしてしっかり見ると、今まで見逃していたチヌを発見できるかも知れません。

 

 

 

 

1.1.28. ■見えチヌの釣り方は渓流釣りと共通点あり

見えチヌをメインに釣りを行う以前に、海の堤防のテトラ際で見えチヌを前打ちで始めて釣れた時に、1匹目と同じ方法で釣ろうと何度も試みましたが、思うように2匹目は釣れませんでした。結果的に、同じ手順で2匹目を釣る事が出来なかったので、まぐれで釣れた事になりました。

1匹釣れた思い出は捨てて、見えチヌを釣るための手順を新たに開拓したく、様々な観点から調査した結果、客観的に考えると渓流のアマゴ釣りの餌打ちスタイルと、チヌの前打ちスタイルは似通っています。調べたところアマゴ釣り師は光の屈折(臨界角、全反射)を利用していることを知り参考にしたところ、見えチヌの数釣りができるようになった大きな要因となっています。

世間一般的に見えチヌは釣れないと思われていますが、参考にできる釣り方は先人が既に開拓しているこが多く、物事を広く捉えるための良い経験になっています。

 

<参考>

光の屈折を利用するとは、下記の2点がポイントになります。

 

①水中(チヌ)から空気中(釣り人)を見た場合

チヌから釣り人は、角度によっては見え難くなります。

 

②空気中(釣り人)から水中(チヌ)を見た場合

チヌから釣り人が見え難い角度でも、釣り人からはチヌがはっきり見えます。

 

具体的には、

チヌの真上付近の水面を基準に水平角が020度範囲に居る釣り人をチヌが見える景色は、5分の1に縮んで湾曲して見え難くなっているのですが、釣り人からチヌを20度の角度でチヌを見るとハッキリ見えるので、この現象を利用してチヌに近付きます。

また、臨界角と全反射領域を利用してチヌの餌打ちのポイント決める事で、チヌに気付かれずに餌を着底できます。

 

1.1.29. ■ハリスの太さで食いに差が出るか

透明度が高い場合は、一般的にハリスが細い方が見切られ難いと言わていますが、河川の前打ちで実際に3年間試してみました。試したハリスの号数は、1.2、1.5、1.7、2.0の4種類です。

透明度が高いと2号を使うと見切られる確率が高まるかと思いましたが、結果1.2号~2.0号の何れを使っても食いに大差は無かったです。大差が無ければ切れ難い2.0号が良さそうですが、2.0号のデメリットは、根掛したときに切れ難く、ハリス価格も少し高いので5年前から1.7号のみ使っています。ハリスと1種類だけ使用すると、持ち歩くハリスは減りますし、複数のハリスを購入する必要が無いので財布にも優しいです。

見切られ易いケースは、ハリスの号数に関係なくハリスを穂先でアタリを取りたくハリスにテンションを掛けたり、餌を誘うためにピンと張ると見切られる確率が高まりました。また、ハリスが短いとPEラインで見切られます。

 

1.1.30. ■複数のチヌが居る場所で数釣る方法

複数のチヌが居る場所で1匹釣り上げて、2匹目のチヌを釣りたく同じ場所に餌打ちしても他のチヌは餌に興味を示さず無視する場合が多いです。また、執拗に餌打ちすると、居心地が悪いのかその場から散っていきます。恐らく1匹目が釣られたので、同じような動きをする餌に警戒していると思われます。

 

そこで、2匹目を釣る方法を紹介します。

例えば、陰となる橋の下には複数のチヌを見かけると思います。ここで数釣りする方法は、1匹目を掛けたら、チヌを怒らないように、ゆっくり引っ張って橋の下から離して少なくとも10m程度は離して取り込むと、他のチヌは警戒はしてないようで2匹目が釣れる可能性が高まります。

 

また、複数チヌが居る場所で、2匹目を釣ろうと餌打ちしてもチヌが餌を無視している場合で、他の場所から泳いで群れに加わったチヌだけは、同じ餌に興味を示して反応します。恐らく、チヌ同士で危険を伝える手段は持っていないようで、釣れる可能性が高いです。

 

 

 

●ノウハウ

高架下などで群れているチヌを釣る場合は、1匹目を掛けて群れた場所から離して取り込んだ後に、2匹目を釣るために餌打ちしても無視される場合は、執拗に餌打ちしてプレッシャーを掛けず時間を空けて釣ると、1匹目を釣った後に他の場所から群れに加わったチヌが釣れる場合があります。

 

1.1.31. ■見えチヌの動きから最適にガン玉の選択

針に付けるガン玉の最適なサイズの選択について、釣り場の護岸構造(テトラ、ゴロタ石、砂地、岸壁など)や、水深、流れ、水温などからガン玉のサイズを変えていましたが、現在は多くの見えチヌの動きから殆どの場合は2Bだけ使って良いと考えています。

Bだけ使う理由について、一番難易度が高いが高釣果が期待できる砂地の海底で、周囲にテトラやボートなどの障害物が無く波も穏やな状況で、水深が約50cmの海底に居る見えチヌをカニ餌で狙う場合について紹介します。

 

  

 

<2Bを使う理由>
チヌの動きを見えていると理想的なガン玉の重さは、餌を打って着水するまではノーシンカーで、カニが着水してから早く沈めて、着底後はノーシンカーでハリステンションを掛けないが理想的ですが現実的には不可能です。状況に合わせていろいろ試しましたが2Bだけ使う場合と、状況に合わせて使い分ける場合とで、釣果に差を感じられませんでした。

あまりガン玉を変えず共通化した仕掛けが変更時間が不要で良いと考えます。

 

 

 

●理想的なガン玉

1)餌を打つ

竿を振ってカニ餌の着水音には、チヌはとても敏感でチヌから1.5m程度離れた位置に餌打ちしても着水音で逃げ出す場合もあります。波が立ってザワついている場合は少々の着水音が発生してもチヌが逃げることは少ないですが、波が無く穏やかな水面のときの着水音は厳禁です。着水音を極力小さくするには、ノーシンカー理想ですが、風の影響で狙ったピンポイントの位置に着水音を立てずに狙い打ちすることは難しいです。

 

2)餌を沈ませる

チヌがカニを捕食するのは、着水して沈んでいる途中のカニを食べることは稀で、大半のチヌは着底してから捕食します。また、沈んでいる途中のカニをチヌが発見すると危険を察知して逃げる確率が高いので、チヌに気付かれないようにガン玉を重くして早く沈ませます。

理由は、構造物が無い場所で水面から餌が落ちてくると事は無いことを理解しているようで沈んでいるカニを見るなり、危険を察知して逃げ出すように見えます。

もう少し詳しく紹介すると、チヌと沈んでいる餌との距離で動きが変わる傾向にあります。カニをチヌの真上付近に落とすと、チヌの目の前にカニが沈むまでは見えないのか気付かないです。チヌの目の前にカニが沈んでくると、ビックリした泳ぎ方で、一旦50~100cmまで逃げますが、好奇心があるのかカニに20cm程度まで近付きますが、ほとんどのチヌは違和感を感じて逃げて行く行動するチヌが何故か多いです。

また、チヌとカニとの距離を2~3m程度離して餌打ちすると、沈んでい物体(どうも餌とは認識とは認識していない)に興味を示して近付いて来ます。ある程度近付いて餌と分かると食ってくる場合もありますが、危険を察知して逃げる場合もあります。この動きは見ていると面白いです。

 

3)餌を食わす

着底後はノーシンカーでハリスにテンションを掛けないで、チヌに違和感を与えないように食わす事が理想ですが、流れや風があると、カニがラインに引っ張られて不自然な動きとなるとチヌは警戒して喰いません。余談ですが、透明度が50cm程度と低い場合は、死んだカニでも食ってきます。

着底後に、チヌがカニを食べるシーンを何度も見ていますが、カニの正面からチヌが頭を斜め下に向けて体を反るように食っているチヌが多いです。食った瞬間に魚体がキラリとするとワクワクしますが、この時点で合わせると釣れる確率は低いです。理由はカニを口にくわえたただけで食い込んでいません。くわえた後は、魚体を水平にして口の中でカニをコロコロ回しながら居食いするチヌが多いです。

食い終わると別の餌を求めて泳ぎ出しますが、泳ぎ出すまで待つとオモリの付いた針だと異物と思うのかを吐き出す場合があり、オモリを軽くすると食い込みが良い感じがします。

また、正確に集計していますが感覚的に半数以上は居食いが多いです。

 

●最適なガン玉の選択

1)の餌を打つと、3)の餌を食わすは、テクニックを駆使出来れば何とかなりますが、2)の餌を沈ませるは、テクニックを駆使しても不可能に近いので、2)の餌を沈ませる速度に重点を置いて、ガン玉のサイズを決めています。

 

結論としては、カニ餌で前打ちするときは年間を通して2Bをメインで使っていますが、流れが速い時は餌を着底ささせるために重くしたり、無風で水面が鏡の様な場合は、着水音を小さくするため軽くします。

イガイを使う場合は、イガイ自体が重いので、Bや1号などをメインに使います。また、水深が30cm程度と浅ければノーシンカーにする場合もあります。

 

<2B以外を使うケース>

 

●出水口(ノーシンカー、3号)

河川の本流に流れ込む支流や工場の排水口、樋門などの出水口にチヌは寄ってきます。この場合は、ノーシンカーまたは、3号程度の軽いガン玉を付けて、見えチヌの上手に打って流れに任せてカニを流しますと食ってくる確率が高いです。

 

1.1.32. ■チヌが捕食中の行動とアタリの関係

見えているチヌを年間300枚弱釣っており、その中の10数匹は、餌を食って口の中で餌を潰しながらコロコロ回して食ってい光景を目の当たりにしています。この見えているチヌがカニ餌を捕食する時の動きとアタリの関係について紹介します。

 

ラインに出るアタリは大きく分けて4パターンありまして、その時のチヌの動きを紹介します。

 

●コンコンからスーッと引き込む

教科書的なアタリが、強いコンの後、小さいコンコンが続いて、ラインがスーッと引込むアタリです。

カニを食い終わって、次の餌を求めて泳ぎ出した時にラインがスーッと引込まれるので、合わせるのは簡単ですが、このようなパターンのアタリは少ないです。

チヌの動きは、カニを見つけるとスーッと近付いてきて、一瞬餌を観察した後、違和感がなければ頭を下にして体をひねりながらカニの正面からくわえいきます。くわえた時にラインに強いコンッと伝わっているようです。

魚体を水平に戻して、カニを飲み込まず口の中でカニを潰しながらコロコロ回して食っており、このときに、コンコンと小さな当りが続きます。

カニを食べ終わると、次の餌を求めて泳ぎ出すと、ラインがスーッと引込まれますが、時々チヌが泳ぎ出してもラインが引き込まれないときがあります。どうもカニを口の中でコロコロ回している間に、針を吐き出したか、カニを潰した時にカニから針が外れて自然に口から出た可能性があると、実際に針が口から出た場面は見た事はありませんが想像しています。

また、食事中は口を大きく開けてパクパクしていますが、食事が終わるとゆっくりと小さくパクパクしますので、食事が終わったことは分かります。

参考までに、食事中にカニを口から出したり、吸い込んだりして食べている光景は見た事はありません。

 

 

 

<参考 カニ餌の違和感>

違和感を感じた時の行動は、無視して泳ぎ去るでは無く、Uターンして逃げ出す泳ぎをしています。逃げ出した時のカニの状態を見ると針が丸見えになっていたり、カニが弱って動きが不自然な状態の場合が多く、カニが元気で針がチヌから見え難いように刺した状態の場合は見切られた記憶はないですから、チヌぬ食うチャンスを逃さないように餌の状態を確認することが重要です。

 

また、チヌの行動からカニを無視する場合は、活性が低いか、日頃からプレッシャーを与えられていてカニ餌には興味を持たないチヌの傾向がありますので、このようなチヌは粘っても滅多に釣れませんので釣り対象から外します。

危険を察知して逃げるチヌは、違和感を与えなければ釣れる可能性が高いチヌと考えていますので、時間をおいて再度チャレンジすると釣れる可能性があります。

 

<参考 針の付け方>
チヌがカニを潰して針が外れて口の外に出難いようにするため、カニの足の付け根の筋肉が多い部分で、チヌから針を見切られないように腹側に刺すようにしています。

 

 

●コンコン叩くアタリが続く、またはアタリが分からない(居食い)

大半のアタリがこの居食いになります。集計できていませんが半数以上がこのアタリと思います。

チヌが捕食中はコンコンとアタリが続きますので、合わせるタイミングは難しいです。

チヌが泳ぎ出さないので竿を起こして少しラインテンションを掛けて穂先にアタリが出るようにすると、ハリスを張ったのに気付いたのか、竿を起こしたのに気付いたのか分かりませんが、危険を察知して一気に泳ぎ出すチヌして、竿を絞り込まれて向こう合わせや、すっぽ抜ける場合があります。

また、食い終わってもその場に居座って、口をゆっくり動かしているので休憩しているように見えるチヌも居ます。こ休憩していると思われるチヌに対してゆっくり竿を立てると、チヌは危険を察知してないようで、フワフワと上を向いて上がってきます。水面近くまで上がってきて危険を察知して一気に逃げ出します。この光景を目の当たりすると面白いです。

 

<参考>
この光景を見て、テトラ回りで釣る場合の参考にしていますが、アタリで合わせをビシッと入れてチヌを怒らせず、竿をゆっくり起こしテトラから出してから一気に竿を立ててチヌに主導権を与えないような竿さばきすることでチヌがテトラの穴に潜って出てこない事は少なくなりました。

 

●コンコンからビューッと強く引き込む

コンコンのアタリ後にラインをビューッと引込む場合は、活性が高いアタリではなく、捕食中に危険を察知して逃げるような泳ぎ方をしています。この場合は、合わせても掛からない場合が多いですので、

餌打ちした後は、釣り人はじっとして、風や流れによりラインでアタリが取り辛くらくなる場合がありますが、竿は極力動かさない事が基本です。

 

<考察>

危険を察知した考えられる要因は、過去の経験から3点考えられます。

1)緩めていたハリスまたはラインがピンと張った時。

2)竿や釣り人がフィッシュウィンドウに入った時。

3)PEラインがチヌが居る真上付近の水面に着水した時。

 

●いきなりスーッと引き込む

いきなりスーッと引込むアタリは、小さいカニを使った場合に多いです。一口で飲み込んで次の餌を探しているような泳ぎに見えます。

合わせると大抵の場合は針掛します。

 

ただ、小さいカニを使うと食いが良いように思えますが問題点が3つあり、私の場合は甲羅サイズが100円玉程度のカニを基本として使っています。

1)エサ取りのフグに盗られ易い。

2)チヌがカニをくわえて口の中で潰した時に針が外れて口から出やすい。

3)チヌがカニを発見し難い。

 

●いきなりビューッと強く引き込む

いきなりビューッと引込むアタリは、小型のチヌに多いようです。餌を甘噛みしたまま、安全な場所で食いたいのか、くわえて泳ぎ去っているように見えます。

合わせると、すっぽ抜けて無傷のカニが上がったり、カニが潰された場合でもカニの一部だけ潰されている場合が多いです。

何とか針掛させたくラインを送り込む事を行いましたが滅多に針掛しません。

また、ビューッと引込むアタリは、フグの可能性もありますのでカニの足が無くなった等、カニの損傷具合から判断します。

 

<アタリで針掛りする確率>

前打ちによるチヌ釣りで数釣りするための取り組みをやってプロセス改善してきましたが、唯一残っていると考えている課題が針掛の確率が5割程度と低い事です。

2020年は400枚程度釣っていますが、針掛の確率を1割り向上させるだけで、40匹も釣果を伸ばすことができるので、釣りを始めた当初から最重要課題として取組んできました。

改善して来た方法は下記の2点で、多少は針掛の確率は向上しましたが未だに満足できる改善はできていません。

 

<対策の経緯>

1)カニの教科書的な刺し方は尻掛けですが、5番目の足の付け根にチョン掛けする方法に変更した。

2)チヌから針を見切られないように、かつ、カニが潰されても針がすっぽ抜けないように腹側の足の付け根にしっかり針刺しする方法に変更した。

 

1.1.33. ■チヌのスイッチが入る行動について考察

河川の浅場で見えチヌを前打ちにて釣っている時に、チヌが突然、見境なく餌を喰う光景を何度も目にしたことがあり、どのようなケースで見境が無くなっているか過去の経験を元に考察します。

冷静な時のチヌの動きを見ていると、餌を喰う前には大抵餌を1~2秒程度確認してから危険を察知しなければ、餌にゆっくり近付いて喰ってきます。しかし見境が無くなったチヌは、餌を発見した瞬間に喰らいつくので、釣り人からすればテクニックは必要なく簡単に釣れるチャンスです。

 

①アタリの合わせでスッポ抜けた時

特にカニ餌を使った場合に多いです。カニ餌は合わすタイミングが難しく針外れが多々ありおます。チヌにスイッチがはいるタイミングは、合わせた時に餌がすっぽ抜けた時です。すっぽ抜けた時に、チヌに噛まれてボロボロの餌でも針に付いてれば、そのまま餌打ちすると、チヌが餌を発見すると見境なく喰ってくる場合が多いです。着水と当時に水面まで一気に浮いて喰らいつく場合もあります。

但し、合わせて約1秒以上、チヌが掛かってゴンゴンとやり取りしたチヌが針外れでは逃げます。

 

②餌を回収時にチヌが追っかけて来た時

アタリが無く、餌を回収した時にチヌが餌を追っかけて来た時は、直ぐにそのまま餌打ちすると、直ぐに喰ってくる場合が多いです。

 

③エイに付くチヌ

エイが泳いでいる後ろに付いているチヌに餌打ちすると、餌を発見するとスッと近付いて餌を喰ってきます。特にエイがテトラ・ゴロタ石に付いてカキを食べている時や、砂地の海底を掘っている時からエイが移動した瞬間にエイが喰っていたポイントに餌を打つと、チヌが餌を見つけた瞬間に一気に近づいてひったくるように向こう合わせて喰ってきます。

 

④満ち込みで石畳の水際20cm程度に居るチヌ

水際に居るチヌは、竿振りや餌打ちポイントは、見えチヌ釣りの手順で行う必要がありますが、チヌが餌を発見した瞬間に喰らいついて来ます。

<見えチヌ釣りの手順>

チヌに気付かれないように水平角20以下で近付いて竿を振り、餌打ちポイントはチヌの目の前を避け、チヌの横や20cm程度チヌの前方に打ちます。

 

私の場合は、このようなケースがチヌにスイッチが入ったと考えています。『スイッチが入る』という定義は明確な考え方は無いかと思います。釣り方や釣り人の考え方で違うと思います。

 

また、私の場合は、チヌの食い気の定義について、大きく3レベルで考えています。

 

①スイッチがオン

上記で紹介した見境なく喰う時です。この時はどんな竿振りや、餌打ちしても喰うとは限りませんが、最低限の手順は守る事で、チヌを掛ける確率を高めます。

<手順>

・竿振りはチヌに気付かれないように水平角20度以下で竿振るか、竿を上下に振って振子の様に餌打ちします。

 

②活性が高い

チヌが餌を発見していきなり喰わないが、餌を1~2秒程度観察して喰うケースです。

 

③活性が低いも

チヌの視界の範囲に明らかに餌を打ったり寄せたりしても無視するケースです。

なお、チヌが逃げるケースは食い気レベルと区分とは別で、危険を察知して逃げた可能性が高いので、釣り方の問題の可能性が高いです。