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サイトフィッシングによるチヌ前打ち釣法の紹介

 

<更新履歴>

2021.6.14

 1.3.4. ■護岸のカキが喰われた状況から釣れる時間帯を想定を追加

2020.11.24

 1.1.2. ■プロセス定義の考え方を追加

 

 

=== 目次(タップでジャンプ) ===

1. ■プロセス観点

1.1. ■プロセス定義の必要性

1.1.1. ■勘と経験釣りとプロセス定義釣り

1.1.2. ■プロセス定義の考え方

1.1.3. ■プロセスを定義する方法

1.2. ■釣行前調査

1.2.1. ■始めて釣行する河川の選択方法

1.2.2. ■駐車場の確認

1.2.3. ■チヌが少ない河川の判断

1.2.4. ■釣れそうなポイントをチェック

1.2.5. ■水温について

1.3. ■釣り場で調査

1.3.1. ■護岸のカキ付着状態でチヌ居る判定

1.3.2. ■護岸のカキ付着状態でチヌ居ない判定

1.3.3. ■チヌの魚影を歩いて確認

1.3.4. ■護岸のカキが喰われた状況から釣れる時間帯を想定

1.4. ■釣り方の基本手順

1.4.1. ■釣り方プロセスの基本の流れ

1.4.2. ■釣るポイントを選択

1.4.3. ■釣り竿の長さを選択

1.4.4. ■護岸の歩く方向

1.4.5. ■チヌ発見し観察

1.4.6. ■釣り方の戦略を立てる

1.4.7. ■決めた立ち位置まで移動

1.4.8. ■竿を振る

1.4.9. ■餌を着水

1.4.10. ■餌を着底(ラインは張らない)

1.4.11. ■餌を食う

1.4.12. ■アタリのパターン

1.4.13. ■合わせる

1.4.14. ■引き寄せて取り込む

1.5. ■見えチヌが数釣りができる護岸別の手順

1.5.1. ■砂地の海底

1.5.1.1. ■釣れている場所

1.5.1.2. ■タックル

1.5.1.3. ■餌

1.5.1.4. ■釣り方

1.5.1.5. ■合わせの見極め

1.5.2. ■護岸の高さが3m以上の石畳

1.5.2.1. ■釣れている場所

1.5.2.2. ■タックル

1.5.2.3. ■餌

1.5.2.4. ■釣り方

1.5.3. ■整備された駆け上がりの護岸

1.5.3.1. ■釣れている場所

1.5.3.2. ■タックル

1.5.3.3. ■餌

1.5.3.4. ■釣り方

 


 

1. ■プロセス観点

まぐれで釣れたではなく、いつ釣行しても数釣りができる高釣果で安定化させるためには、プロセス定義とプロセスコントロールが必要と考えています。

 

1.1.  ■プロセス定義の必要性

沢山釣りたいと思うことは誰しも願う事ですが、数釣りができるようにする考え方の一つとしてプロセス定義する事と考えています。また、いつも数釣りができるようにするには、定義した各プロセスで最高のパフォーマンスを出すためにプロセスコントロールどうすることで、いつも数釣りができる安定化となると考えています。

ここでは、プロセス定義の考え方について紹介します。

 

1.1.1. ■勘と経験釣りとプロセス定義釣り

<勘と経験釣り>

勘と経験釣りは、過去の経験や勘から釣り場の状況に合わせて対処して釣る方法になります。

大漁だった場合は、何が要因で大漁だったかは経験として残りますが、次回も同じことをやろうとすると、記憶を辿って行動・作業することになり、なかなか同じ事はできません。また、釣り場の環境(水温・天候など)のデータを記憶していなければ、仮に同じ行動ができても環境変化の違いに気付かず、なかなか大漁になり難いです。釣れなかった場合も同様で、何が原因で釣れなかったかは分析できないため、釣果が不安定になりがちです。

 

<プロセス定義釣り>

プロセス観点のポイントは、大漁で安定させるパフォーマンスを出すためにプロセス定義と、そのプロセスコントロールが必要と考えています。

経験と勘も重要ですが、プロセスを考えずにに場当たり的に行動すると、どうしても釣り場の状況に的確に対応できず、釣果がバラついてしまい、今日は大漁だった、今日はボウズだったと、釣果が不安定になります。不安定の原因を究明しようにも、プロセス定義していないと難しいですが、プロセス定義していると要因分析が容易になります。

また、自然相手なので、気象などの変化が発生した場合は、気象変化に対応したプロセスを組み替えることで対処できるようになります。

 

<プロセス定義/改善する方法>

サイトフィッシングはチヌの動きを目の当たりにしているので、見えないチヌを釣る想像とは違い、全てリアルな情景を目の当たりにしているので、釣れない原因はチヌが逃げるなどの動きを見れば明確で、その課題をプロセス定義/改善に落とし込んで、プロセスコントロールすれば釣果アップが期待できると考えています。

 

1.1.2. ■プロセス定義の考え方

見えチヌ釣りにおいて、これだけやれば見えチヌの数釣りができるといった方法はないと思います。

そこで、先ずはプロセス定義を行うのですが、考え方は下記の手順で行います。

 

①プロセス定義する流れ

「釣る場所の設定」~「釣針に餌を付ける」~「歩いてチヌを発見」「見えチヌに近付く」~「竿を振る」~「餌を打つ」~「餌を食わす」~「合わせる」~「掛けてからのやり取り」までの一連の流れを先ずは、自分自身が釣り易いスタイルでプロセスに落とし込んで、更に経験的観点や餌観点、タックル観点、釣行時に記録したデータの分析から改善しながら最適なプロセスを定義します。

 

②自分なりの釣りスタイルでプロセス定義

プロセス定義に当たって、ルアー釣りでも餌釣りでも共通しているかと思いますが、いきなり数釣りができるプロセス定義を作成することは難しいと思いますので、先ずは自分だったらどうやって釣るか、一連の釣り方を自分なりの考えをプロセスに落とし込みます。

 

プロセス定義の一例です。

「釣る場所の選定」では、活性が高いチヌが居る場所を選定する。

「釣針に餌を付ける」では、餌は何を使ってどうやって針に付けるか。

「歩いてチヌを発見」では、チヌを発見ても逃げにくい歩くコースを考える。

「見えチヌに近付く」では、どうやって前打ちで餌が届く距離まで近付くか。

「竿を振る」では、横振り、縦振る、下振りなど、どうやって竿を振るか。

「餌を打つ」では、見えチヌの動きや、水深などからどこに餌を打つか。

「餌を食わす」では、どうやって誘って餌に気付かせて食わすか。

「合わせる」では、見えチヌが餌を食ったらどうやって合わすか。

「掛けてからのやり取り」では、バラシ易い護岸構造でのやり取りをどうするか。

 

「釣る場所の選定」のプロセス定義と問題点の洗い出し

チヌが居ない場所や、活性が低いチヌしか居ない場所で釣っても釣果は期待できません。釣り場の設定にあたり、過去の釣果実績や潮位、水温(上層、下層、上層と下層の水温差)、水深、透明度などから活性た高いチヌが居そうな場所を選定します。

 

④「見えチヌに近付く」のプロセス定義と問題点の洗い出し

定義したプロセスで釣ってみます。その結果、最初に直面する問題点が、チヌに近付くと逃げると思います。なぜ逃げるのか検討して、取組みべき課題に落とし込んで対策方法を考えます。

私の場合は、下記の方法でプロセス定義しています。

1)光の屈折を利用して近付く

2)チヌの前う付近から近付く

3)ゆっくりした動きで近付く

 

⑤「竿を振る」のプロセス定義と問題点の洗い出し

「見えチヌに近付く」で逃げない確率を高めることができたら、次に竿を振った時にチヌが逃げる問題点があります。なぜ逃げるのか検討して、取組みべき課題に落とし込んで対策方法を考えます。

私の場合は、下記の方法でプロセス定義しています。

1)スネルの法則で計算したチヌが見え難い角度で竿を素早く振る

2)チヌの上付近から竿を振る時は、振子のように竿をゆっくり下から上に振る

3)フィッシュウィンドウを意識して竿を振る

 

⑥「餌を打つ」のプロセス定義と問題点の洗い出し

「竿を振る」で逃げない確率を高めることができたら、次に餌を打つポイントによっては逃げる場合がありますので、どのポイントに打つと逃げない確率が高いかを試行錯誤しながら検討を行います。

私の場合は、下記の方法でプロセス定義しています。

1)臨界角の円の外側に餌を打つ

2)チヌが気付く前に餌が着底できる距離に打つ

3)チヌが居る構造物に合わせて打つポイントを決める

 

「釣針に餌を付ける」と「餌を食わす」のプロセス定義と問題点の洗い出し

「餌を打つで」で逃げない確率を高めることができたら、次に餌を食わすときにチヌが見切ってにげられない「釣針に餌を付ける」と「餌を食わす」プロセスについて、試行錯誤しながら最適なプロセスを考えます。

私の場合は、下記の方法でプロセス定義しています。

1)餌の選択は、カニをメインにイガイを使う

2)海底の構造物によって餌を使い分ける

3)カニ餌は針が見えないように腹側に刺す

4)イガイは房掛け

5)ラインでアタリを取る

 

「合わせる」のプロセス定義と問題点の洗い出し

「餌を食わす」で見切られる確率が低くできたら、次に合わせで針掛りの確率を高めるため試行錯誤しながら最適なプロセスを考えます。

私の場合は、下記の方法でプロセス定義しています。

1)イガイ餌は、しっかり食わせて合わす。

2)カニ餌は、未だに針掛の確率が5割弱で試行錯誤中

 

「掛けてからのやり取り」のプロセス定義と問題点の洗い出し

やっと掛けたチヌを根ズレなどでバラすと辛いです。掛けたチヌを確実に取り込むためにどうやったら良いかのプロセスを考えます。

例えば、テトラの隙間に落とし込んで掛けた場合は、軽く合わせてゆっくり引き上げると、チヌがフラフラとテトラの隙間から浮いてきます。テトラから出たところで、一気に合わせてテトラから引き離して主導権を渡さないようにすると取り込める確率は高まります。また、石畳の駆け上がりで掛けた場合は、一旦沖に出してやり取りして弱った頃に一気に引き寄せて取り込みます。

 

各プロセスにおいて、試行錯誤や検討を重ねてプロセス改善や、場合によってはプロセス変更することで、各プロセスの釣れる確率を少しづつでも上げていくことで見えチヌの数釣りが安定的にできるようになると考えています。プロセス改善やプロセス変更は、チヌが逃げる様子や餌を食わない様子が見えているので、見えないチヌよりは原因は分かり易いです。

また、見えチヌが釣れるようになっても、あまりにも複雑で面倒な釣り方では釣れる数が伸びないので、プロセスの合理化や効率化を行って数を伸ばす工夫を行います。

 

1.1.3. ■プロセスを定義する方法

プロセスを定義する基本的な考え方は、事実に基づいたデータの見える化を行うことから始めます。

事実でない仮説や勘などの想像データも重要ですが、事実に基づいたデータとは別に整理します。事実と想像を混同すると、客観的に最適なプロセス定義が出来なくなるためです。

 

プロセス定義するには、見えチヌを釣るための重要と思われるボトルネック的な動作・作業を優先にプロセスの定義を始めて順次広げていきます。

私の場合は、最初に定義したプロセスは、見えチヌを発見してチヌに近付いて竿を振って餌を打つと、殆どのチヌが逃げて釣りならなかったので、この部分のプロセス定義を始めに行いまいした。

 

最初に定義したプロセスは複雑で難しくなりましたが、試行錯誤しながらプロセス定義を組み替える合理化と、プロセス定義を変えず効率化する両観点からでプロセスをチューニングしました。これにより、当初は、面倒なプロセスで苦労する割にはチヌが逃げない確率は1割以下でしたが、現在は合理化により、かなりシンプルなプロセスとなりましたが、チヌが逃げない確率は5割程度まで改善できています。また、一連の動作・作業時間も効率化により短縮できた事で、前打ちの回数を増やせて釣れるチヌの数も必然的に増えました。

 

ここでは3点のプロセスについて紹介します。

 ①釣行前調査

 ②釣り場での調査

 ③釣り方の基本手順

 

1.2.  ■釣行前調査

釣行前に様々な情報を入手する事で、短時間に最高のパフォーマンスが出せるように考えています。

また、始めて行く河川では、河川の特徴をざっくり掴んで、2回目以降の釣行で、短時間で最高の釣果を出せるように準備を行います。

このプロセスについて紹介します。

 

1.2.1. ■始めて釣行する河川の選択方法

河川の選択において、チヌが前打ちで釣れている情報は皆無で、全て衛星写真とストリートビューから釣行先の河川を選択して、実際に現地に行って、チヌの魚影の確認や、実際に前打ちをして確かめます。

 

<河川の選択のポイント>

●河口の川幅が約100m以上の河川を基本的に選択します。

チヌは川幅の狭い河川ほど、警戒心が高いのか、チヌが見えてもサイトフィッシングによる前打ちで、1~2枚程度は釣れても数釣りすることは難しい傾向にあります。

 

●河口から汽水域が500m以上ある河川を選択します。

汽水域が短いとポイントが限られるため釣果が期待できないです。

 

●汽水域の護岸が歩ける場所が100m以上あるか確認します。

衛星写真や、ストリートビューから判断します。前打ちは、一カ所で釣る釣りではなく、護岸を歩きながら見えチヌを発見しては餌打ちする釣りのため、ある程度の距離がないと、釣果が期待できません。

 

●河川敷がある河川は釣果が期待できます。

護岸際まで建物があり、河川敷が無い場所のチヌは警戒心が高く、サイトフィッシングで釣るのは難しいです。釣果が期待できる河川は、河川敷に駐車場や、公園・運動場がある川幅の広い河川です。

 

●河口の形状でチヌが居ない河川を判断できます。

釣れると思って選択した河川に、車を何百キロも走らせましたが、全くチヌの魚影が見なえないため、竿を出さずにドライブだけして帰った時もありました。後日の調査で釣れないと思われる原因が分かり良い経験になっています。釣れない河川であることを確かめる事も重要です。詳細は「チヌが少ない河川の判断」の章を参照してください。

 

1.2.2. ■駐車場の確認

現地に行って右往左往することは時間の無駄になりますので、ストリートビューなどで駐車できる場所を確認します。釣り場から駐車場が遠い場合は、折畳自転車で釣り場まで行きます。

 

 

1.2.3. ■チヌが少ない河川の判断

経験的にチヌの魚影がほとんど見えない河川には、共通した形状があります。

 

河川の護岸がテトラや石畳があり、チヌが居そうなポイントでも、河口に砂山ができて流れが絞られている河川は、チヌの魚影を見た事が無いですし、護岸のカキなどもチヌに喰われた形跡もないです。この様な河口形状の河川を5か所調査しましたが何れもチヌの魚影は確認できませんでした。

 

参照:google map

 

 

実際に現地に行って撮影

河口付近は、波立って浅いことが分かります。

 

 

1.2.4. ■釣れそうなポイントをチェック

某河川の護岸の衛星写真ですが、様々な形状の護岸や、浅場・深場があり、それぞれの形状に合わせた釣り方の工夫が求められ楽しめる河川です。このような多彩な護岸構造がある河川は少ないですが、この河川を参考に事前調査のポイントを紹介します。

 

 

①整然と並んだテトラ

川の曲がりにの形状からして中間的な水深になります。この場所は干潮時にテトラの上に上がって、テトラ際を提灯釣りするか、満潮から下げの時に護岸の上から釣れる可能性があります。上流に橋がありますが、橋の下は定番ポイントで場荒れしてそうですが、意外に橋下の前打ちは釣果が期待できます。

 

②浅場:ゴロタ石

川の流れる形状からして浅場なようですが、ゴロタ石が幅広くあるため、干潮から満潮まで釣れそうです。一般的にこのようなゴロタ場は、夏場に濁りが入った場合に、水深が30~80cmで良く釣れます。

 

③深場:テトラが入り組んでいる

川の曲がりからして深場になっている可能性が高いです。テトラが乱雑に入り組んで置いてあるため、テトラ際を提灯釣りして、当りがあれば、ガツンと合わせるのでは無く、ソッと合わせてゆっくり上げて、チヌがテトラから出た瞬間にガツンと合わせて竿を起こしテトラから離して釣り上げます。

 

余談ですが、

アタリが有ってそ~っと竿を立てると、チヌは抵抗せずにふらふらと上がってきます。ただ、危険を察知すると猛ダッシュで潜りますので、危険を察知する前に、ガツンと合わせて、主導権をチヌに与えなければ、入り組んだテトラの穴釣でも釣る事はできます。

 

④深場:流れ込み

流れ込みは、定番ポイントで魚が集まり易いポイントのため、多くの釣り人が入って、水際に立って竿を振っているるため、チヌが護岸際に居てもプレッシャーを掛けられている可能性があるので釣果は期待できないです。このような場所は基本的に避けています。

 

⑤潮止

潮止は、魚が溜まる大定番ポイントで多くの釣りの人が居ます。護岸際にチヌが近寄っていてもプレッシャーを掛けられている可能性があり、釣り難いポイントと思っており避けています。

ただ、釣り人が少なくなる冬場で、晴天が数日続いた時期は、水温が上がる昼から釣れる可能性があります。

 

⑥突堤

定番ポイントのため釣り人が入っている可能性があります。また、突堤は一般的に深場になるので、干潮時にゴロタ石やテトラが水面に出る可能性が低くく、夏場は魚影が薄いと思います。冬場の人が少ない時に深場を丁寧に探れば釣果が期待できそうです。

 

⑦積み重なったテトラ

川の曲がりとテトラの積み重なりから深場と思います。冬場の下層と上層の温度差が多きときに釣りたいポイントです。テトラに上から提灯釣りができそうです。

 

⑧2段石畳

石畳の平らな部分が2段になっている場所は、全ての河川に共通する前打ちの定番ポイントです。

干潮から満潮までいつでも釣れる可能性があります。

始めて釣行する河川において、釣る場所を決める時に、1段石畳または2段石畳があれば最優先で釣るポイントとして計画に入れます。

 

⑨整列したテトラ

川の形状からして浅場でテトラを並べられてるようです。テトラポットは、チヌから釣り人の気配を消せますので、テトラポットが半分以上水没する状態になった時に数釣りが楽しめそうです。

 

⑩浅場:干潮時に干潟

川の曲がりからして、砂地の浅場で干潮時に干潟になりそうです。何の変化も無いポイントですが、干潮時になった時に砂地に穴が有るか確認します。もし穴があれば、チヌやエイが砂を掘って貝やゴカイなどを食べている可能性があり、満ち込みで砂地が隠れて水深が30cm~50cm前後になった時に釣果が期待できると思います。

 

 

1.2.5. ■水温について

釣行前に釣りに行く河川の近くの海水温について確認しておきます。河川の水温と同じではありませんが、相対的な温度として参考になります。

確認するポイントは3点です。

 

①海底温度が18度以上に上昇

春から初夏にかけて水温が上昇しますが、海底温度が18度以上になると、水面と海底の温度差が有っても1m以下の浅場でも釣れる目安になります。

 

②海底温度が14度以下に下降

秋から初冬にかけて水温が下がりますが、海底温度が14度以下になると、1m程度の浅場には居なくなります。1.5m~2mの深場での釣りがメインになります。

但し、水面と海底の温度差が1.0度以下であれば、浅場で釣れる河川もあります。

 

③前日との温度変化

特に注意が必要なのが、晩秋に川の上流で大雨が降ると冷たい水が流れ込み、一気に水温が低下します。このような状況であれば、チヌの活性は低下し深場の物陰でじっとするケースが多いです。

サイトフィッシングで釣ることは難しいですが、深場で流れが弱いテトラや捨て石がある物陰で小さい餌を使うなどの工夫が必要になります。

 

 

参考文献: 大阪府立環境農林水産総合研究所

        三崎町の海水温

 

<参考>

14度と18度の根拠は、釣行記録データを集計して分析した結果です。

 

 

1.3. 釣り場で調査

初めて行く河川は、必ず竿を出す前にチヌが居るのか確認します。チヌが居そうになければ、次の河川に移動します。

 

確認ポイント

<河口付近の護岸に付着しているカキの状況を確認>

カキが有るにも関わらず食べてる形跡が無ければ見切ります。

 

<カキを食べた形跡が在るか、カキ付着が無ければ>

 護岸を100m以上歩いてチヌの魚影の有無を確認し、魚影が無ければ見切ります。

 

<濁ってチヌが見えない場合>

見た目だけでは判断できないので、とりあえずチヌの居そうなポイントで竿を出して1時間程度竿を振ってチヌらしき当りが無ければ見切ります。

 

<余談>

2泊3日で某所に遠征して8本の河川に釣行した時に、全ての河川でチヌが居る気配がまったくなかったので、竿を出さずに帰途についた事がありました。このときは、自宅に帰り河川を分析して釣れない理由らしきが判明したので、良い勉強になっています。

もし、各河川で竿を出していると、3日間で8本の河川の調査は時間的にできないです。

 

1.3.1. ■護岸のカキ付着状態でチヌ居る判定

河川の護岸のカキを食べる可能性がある主な魚は、チヌ、エイ、コブダイの3種程度です。カキが食べられた痕跡から魚種を考えます。カキを一つづつ食っている場合は、チヌまたはカンダイに可能性があります。エイが食べやすそうな出っ張ったテトラや石で、複数のカキやフジツボがごっそり取られている場合は、エイが食べた可能性が高いです。

 

 

 

 

 

1.3.2. ■護岸のカキ付着状態でチヌ居ない判定

護岸にカキがびっしり付着していますが、食われた形跡が無ければ、チヌが居ない可能性が高いので、見切って他の釣り場に移動します。

 

 

 

1.3.3. ■チヌの魚影を歩いて確認

護岸のカキを食べた形跡がチヌの可能性が高ければ、チヌが居る可能性が高いので、釣行日にチヌが居るか判断するため護岸を100m以上は歩いてチヌの魚影を探します。2匹以上のチヌの魚影を確認できれば、釣れる可能性が高いので釣りを始めます。

 

ただ、下記の条件の場合は、とりあえず竿を出します。

・水温が14度以下で、水面と海底の温度差が1.5度以上ある場合は、海底にじっとして魚影を確認できない可能性があります。

 

・濁って魚影を確認できないときです。

 

★新しい河川への釣行するときは、水温が高くチヌの活性が高く雨がしばらく降らず透明度が高いと思われる時期に釣行するようにしてます。

 

 

1.3.4. ■護岸のカキが喰われた状況から釣れる時間帯を想定

護岸のカキの喰われ状況からチヌが居ることが分かりますが、加えて釣れる時間帯も想定できますので、下記の写真から分かる事を紹介します。

・石畳の上のカキが多く喰われており、喰われたカキ殻が白いので最近喰われた事が分かります。

・石畳の上には水温が18度を超える頃から上がってきますので、活性高い水温になったことが分かります。

・石畳の上の水深が30cm程度になった頃がチヌの活性が高いです。

 

以上より、石畳が30cm程度水没する事の潮位の時間を調べておくことで、短時間に効率よくチヌを釣る事が可能になります。

 

 

 

1.4. ■釣り方の基本手順

サイトフィッシングによるチヌの前打ちにおいて、プロセス定義と、プロセスコントロールは、短時間で高釣果で安定させるに重要と考えています。ここでは、釣り場の現地に到着してからのプロセスを紹介します。

 

1.4.1. ■釣り方プロセスの基本の流れ

釣を行う河川に到着してから釣りポイントを選択し、釣り上げるまでの全体のプロセスと、戦略・プロセスコントールの概要を紹介します。

 

<プロセス>

①釣るポイントを選択

釣場で釣るポイントの選択は、風向き、太陽光、水温(水面・海底の2点測定)、潮位・潮流・水の透明度から決めます。

 

②釣り竿の長さを選択

釣るポイントの護岸形状、潮位、水面基準に水平角20度、フィッシュウィンドウを考慮して決めます。

 

③護岸の歩く方向

風向、潮流・太陽光を考慮して歩く方向を決めます。

 

④チヌ発見し観察

いきなり竿を振らずチヌの行動を数秒観察します。発見したチヌについて、上層・中層・海底、泳ぎ方、泳いでる方向、チヌの目線を確認します。

 

⑤釣り方の戦略を立てる

観察したチヌの行動から餌を探し中、休憩中、釣り人に気付いたなど、チヌが何をしているか確認して、チヌの行動を予測し、風向き・太陽光・潮流・障害物などから竿を振る立ち位置や、餌サイズ、ガン玉サイズを決める戦略を立てます。

 

⑥決めた立ち位置まで移動

竿を振る立ち位置までの移動は、チヌに気付かれないように、竿がフィッシュウィンドウに入らないように寝かして持ち、水平角20度以下でチヌにゆっくりした動作で近付きます。

 

⑦竿を振る

竿の振り方は、水平角20度を意識して寝かせてサイドからコンパクトに素早く振ります。穂先がフィッシュウィンドウに入ると逃げるので注意が必要です。

 

⑧餌を着水

餌の着水音を極力させないよう状況に合わせて、針に付けるガン玉を選択します。

また、着水ポイントは、フィッシュウィンドウを意識して餌を打つポイントを決めます。

 

⑨餌を着底

餌は素早く着底させるためにガン玉の重さを最適にします。理想的なガン玉の選択は、着水音が小さく、海底まで素早着生させることですが、相反する課題です。着底後は竿を引っ張って餌を動かさず、自然な動きに任せます。

 

⑩餌を食う

食い方は様々のシーンがあり、食い方の実例を紹介します。

 

⑪合わせる

基本的には竿を真上に軽く合わせて起こします。もし餌がスッポ抜けた場合で、餌がボロボロで良いので付いている場合は、素早く同じ場所にチヌに気付かれないように竿を振って餌打ちすると、再び餌を食う確率は、経験的に5割以上あります

 

⑫引き寄せる

ゴロタ石・テトラがある場所では、竿を立てて、ラインが水面から垂直なるようにすることで、ハリスの根ズレを軽減します。チヌを引き寄せてタモに入れる時に、竿を背後までグッと引いて足元までチヌを寄せると、竿が折れる可能性が高りますので、たも網を前に出して竿の負担を軽減する操作します。

 

1.4.2. ■釣るポイントを選択

釣場に到着して確認することは、風向き、太陽光、水温(水面・海底の2点測定)、潮位・潮流・水の透明度を考慮してポイントを選定します。

 

★好条件のまとめ★

風向き  水際が波立って、水際だけが薄く濁っている状態

太陽光  背後から太陽光が射したとき

水温   下層の水温が18度以上

潮位   ゴロタ石、石畳などの構造物の上部の水位が30~50cm

水流   満ち込み2分、引き潮8分

透明度  透明度が50~80cm程度

 

●風向き

川の対岸から手前の岸に向かって斜め背後から受ける風がベストです。水際の波も風によって波立っているため、チヌの活性が上がり、チヌから釣り人が見難くくなっています。

 

●太陽光

チヌを探して歩いているときに、背後を太陽にした方が水中は見易いです。ただ、発見したチヌに自分の陰が当たらないような配慮が必要です。どうしても自分の陰がチヌに掛かる場合は、ゆっくりした動作で動けばチヌは逃げない可能性が高いです。面白いことに、釣人がじっとしているとチヌの釣り人の陰に入って来る場合もあります。チヌは影が好きなのでしょうが、ここから分かる事は、ゆっくり動けばチヌに気付かれ難いことも推測できます。

 

太陽光を正面から受けると、ゴロタ石の陰がチヌとよく似ていて、チヌと間違って餌打ちする場合があります。太陽光を背後にすることでゴロタ石を影が見え難くなるため、太陽光が極力正面に向くのは避けています。

 

●水温

川の汽水域は、下層は海水で上層は水の2層になっており、下層は温かく上層は冷たいです。

特に冬場は、下層と上層の温度差が水深2m程度でも5度も違う場合がありました。下層と上層の温度差が1.0度以上あると、チヌは変温動物なので、温度の変化に敏感で下層から上層へは行かず下層を泳いだり、急激な温度変化があるとじっとしています。おのずと釣り場の選定は深場になります。

ただ、冬場でも下層と上層の温度差が少ない河川であれば上層に浮いてきますので、冬場は下層と上層の温度差が少ない河川を選んで釣行しています。

また、春から初夏にむけて、下層の温度が18度以上になると、下層と上層の温度差が多少あっても上層に浮いてきます。時期的には6月頃以降になります。秋から初冬にかけては、下層の温度が14度以下になると、上層に浮いてこなくなります。時期的には12月上旬ごろです。

 

●潮位

川の汽水域での釣りは、大潮・中潮・小潮などの潮周りは、それほど重要ではなく潮位が重要になります。釣れる潮位は、ポイントによって違いますので、潮位に合わせたポイント選定が必要です。

 

●水流

一般的に言われる通り、流れがある方が釣れます。流れが発生する潮位は、干潮から満ち込み3分程度までの河口から上流に向かう流れと、満潮からの下げ7分程度までに上流から河口に流れになります。ベストな流れは、ポイントの河川形状や構造物の配置や形状により違うためこの時期がベストとは言えません。

 

●水の透明度

初夏から初冬にかけては、透明度が50~80cm程度が、経験的に釣果が一番期待できます。夏場で透明度が50cm程度なら干潮でチヌが溜まりに集まっている場所を狙えば、爆釣できる可能性があります。冬場のチヌは、夏ほど護岸に接近する魚影が薄く、大抵深場に居ますので、透明度が低い河川はチヌは見えません。見えないチヌに闇雲に竿を振っても釣果が期待できないので極力釣行しません。但し、下層と上層の温度差が無い河川は、チヌの魚影が薄くても、上層に浮いてきて狙い撃ちできますので釣行します。

 

1.4.3. 釣り竿の長さを選択

釣るポイントに合わせて、釣竿の長さを選択します。釣竿は4.5-5.4mズーム、5.4-6.3mズームの2本在れば、ほとんどの釣り場に対応できます。ただ、80カ所の河川に行きましたが、3本の河川の中で3カ所のポイントだけ6.3-7.2mズームの竿でないと釣りができない場所がありました。

 

釣竿は、フィッシュウィンドウや潮位に合わせて選択します。

経験的に下記の通りです。

 ・満潮時     水際にチヌが寄ってくるため4.5-5.4mズーム

 ・干潮時     川の干潟から釣りますので4.5-5.4mズーム

 ・潮位が中間位 潮位が5分前後は、河川に入れず、護岸上から釣っても

           水平角20度以下にすることが困難な場合が多く、

           5.4-6.3mズームが使い勝手が良いです。

 

1.4.4. ■護岸の歩く方向

護岸の歩く方向と水際からの距離を決める条件です。

<護岸から離れてあるく>

護岸ギリギリ歩くとチヌは見やすいですが、チヌから見られて逃げてしまいます。理想は水面を基準に水平角20度以下になるように水際から離れることですが、水平角20度以上にできない場合は、ゆっくりあるくことでチヌに気付かれないようにします。

 

<風向>

背後からの風では竿の振りをコンパクトにできますのでチヌに気付かれ難いです。

 

<潮流>

歩く方向に流れると、ラインが適度に張ることができるので当りが取り易いです。

 

<太陽光>

背後にすることで釣り人からチヌが良く見えますが、チヌからはフィッシュウィンドウを意識すれば気付かれません。

 

 

1.4.5. ■チヌ発見し観察

護岸を歩いて、チヌ発見したときは、いきなり竿を振らず数秒間は行動観察します。チヌの行動を観察することで、釣るための戦略を立てます。

 

観察するポイントは下記の通りです。

●チヌとの距離と水平角

<チヌとの水平角が20度以下>

20度以下であれば、チヌに気付かれてない可能性が高いので、チヌの行動を観察して釣る戦略を考えます。 

 

<チヌが足元の護岸下に居て水平角が80度以上>

水平角が80度以上であれば、釣竿を真上に起こしてクレーンのようにゆっくり竿を動かして餌打ちするば、釣れる可能性が高いです。

 

<チヌを発見した時に、チヌも釣り人に気付いた場合>

チヌも釣り人に気付いた場合は、餌打ちしても釣れないので、チヌにプレッシャーを与えて益々釣れなくなるよりは、他のチヌを探します。 

 

●チヌが泳いでいる層が上層/中層/下層

<下層・中層に居るチヌ>

釣れる可能性が高いです。

 

<上層に居るチヌ>

休んでおり活性が低く、ほぼ釣れないです。

特に満潮時の流れが止まった時は、上層に数十匹群れて浮いている時を見かけますが、10年間でこのシーンで、何とか釣ろうと試行錯誤してきましたが、釣ったことは無いです。むやみやたらにプレッシャーを掛けて釣れなくなるよりは、潮位が変わって活性が上がった時に釣る方が良いです。この我慢もプロセスコントールの1つになります。

 

●チヌが群れて行動か、単独行動

<単独行動>

単独行動のチヌが釣り易いです。

<群れているチヌ>

群れている匹数だけ監視の目が増えて、1匹が異変に気付いて逃げ出すと、他のチヌもつられて逃げていきます。この場合の釣り方は、餌を臨界角の半径の3倍以上の遠くに餌を打ってゆっくり臨界角際まで近付けます。

 

●泳ぎ方が停止/ゆっくり/早い

<停止してい場合>

干潮時に物陰に休んでいる場合は、そっと餌を打つと釣れる可能性が高いです。

 

<ゆっくりまたは早く泳いでいるチヌ>

餌を探して泳いでいる可能性が高いので、泳ぐ方向を予測して、フィッシュウィンドウを意識して竿を振り餌打ちをすれば釣れる可能性が高いです。

 

●チヌの目線

チヌが餌を求めて目線が下を見て泳いでいる場合は、泳ぐコースを予測して、竿を振って餌打ちでチヌが予想通りのコースを泳いで、餌に気付けば大抵釣れます。

 

●食事中のチヌ

食事中のチヌは、チヌの後方または、フィッシュウィンドウと臨界角の半径を意識して餌打ちすれば釣れる可能性が高いです。チヌは夢中で食事しているようですが、周りをかなり警戒しており、チヌの近くの視界の中に餌を落とすと、大抵のチヌは逃げ出します。このチャンスタイムは、集中して丁寧に餌打ちを行うことで釣れます。

 

1.4.6. ■釣り方の戦略を立てる

チヌの行動を観察して、餌打ちを行うか、次のチヌを探すかは重要な判断です。釣れる可能性が低いチヌに餌打ちしてプレッシャーを与えると、益々釣れなくなります。釣り人がチヌを見切るのも重要な判断です。

例えば、チヌを探して往路を歩いて、見つけたチヌが釣れそうになければ、復路でチャンスを狙えばよいです。

 

●釣るターゲットを決めた時の戦略立て方

<餌打ちするポイント>

ちょう臨界角の半径、チヌの泳ぐコースを予測て餌を打つポイントを決めます。

 

<竿を振る立ち位置>

竿を振る立ち位置を決めて、立ち位置までの移動コースを考えます。風向・潮流・太陽光・障害物を考慮して、状況によっては反対側に回り込みます。チヌに気付かれない様に、水平角20度以下になる立ち位置を決めます。水平角が20度以下では餌が届かない場合は、物陰や背を低くして、更に近く位置をきめます。

 

<餌のサイズ>

基本的には、甲羅サイズが100円玉サイズの餌を使いますが、食い気が無い場合は小さくします。

ただ、フグの猛攻を受ける場合は大きめにします。

 

<ガン玉のサイズ>

ガン玉サイズの基準が2Bですが、状況に合わせて変更します。

下記は一例です。

 

 ・ノーシンカー

 流れ込みは、軽い仕掛けで流す。

 ・B

   水深が50cm程度。

 ・2B

 波が立っていれば、どんな条件でもで2B固定でOK。

 水深1m以上。

 流れがある場合。

 

1.4.7. ■決めた立ち位置まで移動

立ち位置までの移動で重要な注意点が2つあります。

 

①釣り竿を立てて持って移動しないことです。

竿を立てて持つと、フィッシュウィンドウ内に竿が入って、チヌは竿に気付いて逃げ出します。

 

②竿を振る立ち位置までゆっくり移動します。

チヌが逃げるかもしれないと思い、あせって速く移動すると、チヌは気付いて逃げ出します。ゆっくり行動することが重要です。

 

1.4.8. ■竿を振る

チヌの前打ちを行う場合に竿振りが一番難しく、単純に竿を振るとチヌは逃げてしまいます。

竿振りのポイントは3点です。

 

①チヌから見え難い水平角20度の範囲でサイドから竿を振ります。

②手首のスナップを使って素早く振ります。

③餌打ちは一発勝負です。

 

思う場所に着底できなかった場合に打ち直すと逃げますので、その場で、餌の方向にチヌが泳いてくる事を期待して待つか、餌をチヌに違和感を与えないように竿を操作して近付けます。

 

 

 

1.4.9. ■餌を着水

チヌが居る水深から、臨界角(48.6度)を考慮した半径外の全反射の領域に餌を着水させます。着水音は極力小さくするように、着水の直前に竿をほんの少し起こして、餌がそっと着水して着水音を極力小さくなるように操作します。餌の着水が思ったポイントに入らなかった場合でも、着水後に竿を操作してラインを張って餌の場所を移動させるとチヌはラインの張りに気付いて逃げ出しますので、着水後はラインを緩めて餌が自然に沈むようにします。

 

 

 

1.4.10. ■餌を着底(ラインは張らない)

餌は素早く着底させるためガン玉の重さの選択は重要です。

ただ、ガン玉を重くすると、着水音が大きくなりチヌが逃げますので、状況により、2Bを基準に前後を使えば良いと思います。

 

カニ餌の場合は、着底後はラインを張らずをカニの自然な動きに任せます。餌に気付かないと思って、竿を操作してラインを張った時にチヌは違和感を感じて逃げます。どうしても着底した餌の位置を変更する竿の操作は、臨界角の半径の内側に竿やラインが通らない竿の操作が必要です。

 

餌が着底後は、ラインを張らずにたるませてアタリを待ちます。ラインを張って、穂先でアタリを取ろうとすると、チヌは餌を食った瞬間にラインテンションで違和感を感じで吐き出す確率が高いです。

 

★竿を振って思ったポイントの餌を着水し着底するまで

チヌが警戒しなければ、前打ち操作はほぼ成功したことになります。後は、餌に気付けば大抵のチヌは食ってきます。思った場所に餌打ちできて、チヌに気付かれないように餌が着底し、チヌが餌に気付いた瞬間が一番エキサイティングします。

 

1.4.11. ■餌を食う

餌を食う瞬間が見れるのはサイトフィッシングの面白い特徴です。

ここでは食い方を紹介します。

 

チヌの一般的な食い方は下記の通りです。

 

①餌を見つけて近付く

<海底が砂地・小さい石が点在>

チヌの尾びれの斜め後方に打った餌に気付いたら、体をくねって、餌を見て0.何秒間を置いて食ってきます。

 

チヌの前方2m程度先に餌を打って、ゆっくり竿を操作して近付けると、1.5m程度で気付きます。気付いた瞬間以降も、動かすと違和感を感じて逃げます。気付いたら餌を止めて待っていると、餌に近寄って餌を0.何秒間見て食う場合と、1~2秒見て見切って逃げる2つのケースがあります。餌を見切って、逃げる場合の原因は、餌から釣針が見える場合や、餌が変な動きでなく違和感がある場合です。

 

<海底がゴロタ石やテトラ>

着水音や餌が沈み中にチヌが気付かず、餌が着底後に気付く場合は、大抵のチヌは直ぐに食ってきます。ただ、カニ餌の場合は、直ぐに石の穴に潜り込むので、餌が着底後、5秒以内にチヌが気付く位置に餌を落とすことが重要です。大きめのゴロタ石場、テトラ際だったらイガイがベストですが、カニであれば、生きた方より、死んだカニが良い場合があります。

 

<共通>

餌を見ている時に餌を動かすと、ほぼ100%逃げます。

 

②餌を食う瞬間

大型チヌは頭を斜め下に尾ひれを斜め上にして、ゆったりした動きでカニの頭から食ってきます。50cm前後のチヌになると、甲羅が500円玉サイズ以上のカニでも吸い込むように一気に食ってきます。

30cm台の小型チヌは、餌を弱らせるためにカニを砕いて吐きを繰り返して食ってきます。フグが餌をつついているときは、チヌはフグを蹴散らして餌を奪わず、何故か餌に近寄らずフグが食っているのを静観しています。フグをかわす方法は、ゆっくり餌を落とすと落ちている途中にフグにやられるので、餌を早く着底させるガン玉(2B-3B)を選択することです。  

 

③食った後の動き

しっかり食ったチヌは、食い終わると次の餌を求めてゆっくり泳ぎ出します。この時にラインがゆっくり引き込まれます。

 

居食いするチヌは、食い終わってもその場でじっと、口をパクパクさせています。ゆっくり竿を上げるてチヌがゆっくり上がってくるようであれば、合わせを入れます。

 

当りとして穂先が一気に持って行かれる時のチヌの動きは、食った後に違和感を感じで逃げているように見えます。想像ですが、この一気に穂先を持って行く当りは食いが良いのではなく、ハリスが体に触れたりして違和感を感じて逃げ出したかも知れません。

 

複数のチヌが居る場合で、30cm前半の小型チヌに多い傾向ですが、甘噛みして引っ張るチヌもいます。この場合は合わせて乗らないので厄介です。

 

1.4.12. ■アタリのパターン

チヌのアタリはラインの動きで取りますが、アタリの代表的なパターンを紹介します。

 

●基本的なアタリ

[カニ餌]

最初にラインを弾くような当りが1度あった後、数秒してラインが海中にゆっくり引き込まれます。引き込まれた時に軽く合わせます。

 

[イガイ餌]

弾くような当りは無く、イガイを食い終わると、ラインが海中にゆっくり引き込まれたときに、軽く合わせると掛かります。

 

●居食い

[カニ餌]

これが難しいです。じっくり待つと針を吐き出す場合がありますし、早すぎるとすっぽ抜けます。少し待った方が針掛りする確率は高いと思います。判断が難しいときに、つい竿を起こして穂先が少し抑え込む程度のラインテンションを掛けて当たりを見ようとする操作を行ってしまう場合があると思いますが、この操作を行うと餌を離す場合が多いです。何もせず待つ方が針掛が良いです。

 

[イガイ餌]

 イガイの場合は、食い込むまでしっかり待っても針掛りしますので、落ち着いて合わせることができます。

 

●ひったくるようにラインが一気に走るアタリ

 サイトフィッシングでチヌを動きを見て2つのパターンを確認しています。

[パターン1]

小型チヌ(30cm程度)が餌を甘噛みして持ち去る時のアタリで、この場合は、合わせても針掛りしないです。

 

[パターン2]

チヌが餌を食った時に、ハリスが魚体に触れたなどして、違和感を感じで一気に逃げ出す場合があります。この時は大抵向こう合わせで掛かってきます。この場合の注意点として、1m前後の浅場での釣りなので、一気に横走りされて竿を伸されて、ラインと竿が一直線の綱引き状態になり、ハリス切れする可能性があります。走られたら竿を起こして臨戦態勢が整うまでラインを出せる準備を常しておく必要があります。

 

1.4.13. ■合わせる

●基本の合わせ

餌を食ったら竿を真上に軽く合わせて起こすことが基本です。竿を斜めに合わせたりすると、すっぽ抜けが多いです。ビシッと強く合わせると、針外れした場合にチヌが逃げますが、軽く合わせた場合は、直ぐに餌打ちすると食ってくる確立が高いです。

 

●餌がすっぽ抜けた場合の対処方法

軽く合わせて、すっぽ抜けてボロボロの餌が付いて上がってくる場合は、そのボロボロの餌のまま直ぐに打つと、5割以上の確率で沈んでいる途中の餌を食ってきますので、諦めず速やかに打ち直します。

但し、餌打ちを焦らず、フィッシュウィンドウを意識した餌打ちの操作は必要ですが、臨界角の半径は意識しなくて良いです。チヌの真上に餌打ちしても食う確率は高いです。すっぽ抜けた場合に餌が無ければ、新たに餌を付けて打ち直しても食ってくる確率は低いですが、諦めす素早く餌を付けて餌打ちします。

 

●餌がすっぽ抜けた時にチヌの行動が面白い

すっぽ抜けたときのチヌの動きを見ていると、餌が何処に行ったのかうろうろ探している光景が見えます。直ぐに食われてボロボロ餌を打ち直すと、餌が着水すると直ぐに気付いて沈んでいる途中の餌を一気に食ってきます。ボロボロになった餌なので柔らかく食い込みが良いのか、針掛かりは良いです。この光景は見ていて面白いです。

 

1.4.14. ■引き寄せて取り込む

ゴロタ石・テトラがある場所では、竿を立てて、ラインが水面から垂直なるようにすることで、ハリスの根ズレを軽減します。

 

石畳の駆け上がりでチヌを掛けた場合は、駆け上がり付近でチヌを引き寄せようとすると、根ズレでハリス切れします。一旦、川の中央に向けて出して、引きを楽しんだ後、一気に引いて取り込みます。

 

横走りする場合は竿を貯めますが、貯めきれない場合はチヌの泳ぐ方向に移動してラインが水面から垂直になる位置に立ってやり取りします。

 

●チヌの取り込み時の注意

チヌを引き寄せて、足元でタモに入れようと、竿を背後までグッと引いた時に竿の先から2本目(#2)が折れる可能性が高りますので、たも網を前に出して竿の負担を軽減する操作します。

 

1.5. ■見えチヌが数釣りができる護岸別の手順

河川の汽水域でチヌを数釣りするには、見えているチヌを釣る事が経験的に短時間に高釣果が期待できます。

先ず、見えているチヌに対して餌打ちすると、釣れても釣れなくても勝負は早いです。もし釣れなくて逃げられれば、次の見えるチヌを探して餌打ちを繰り返せば、見えないチヌ相手に闇雲の餌打ちするより、勝負できる回数は見えチヌが多いです。後は、見えチヌを釣るためにフィッシュウィンドウや臨界角などのプロセスを定義して釣り方の手順を守られば良いだけです。

そこで本章では、科学的観点と経験的観点から見えチヌが数釣りができている護岸はどのような構造で、護岸構造別にどのような手順でチヌの数釣りを行うかのプロセス定義を紹介します。

 

1.5.1. ■砂地の海底

海底が砂地で水深が20~150cm程度に見えているチヌがターゲットとなり、釣り易い水深は50cm前後です。

 

1.5.1.1. ■釣れている場所

海底が砂地で、水深が50cm前後の時に、チヌ真上の水面を基準に水平角が20度以下に釣り人が入れる場所であれば、チヌに近付けて数釣りができる可能性が高いです。

 

●先ずは、実際に釣れている場所を紹介します。

具体的な釣り方のプロセスは後で紹介します。

 

下記の写真は、砂地の海底で干潮から満ち込みでチヌが、満ち込み潮に乗って上流に上っているチヌの泳ぐコースを予想して、1.5m程度先に餌を着底させて、誘いは掛けずチヌが泳いできて気付いて食べるのを待ちます。

誘いを掛けるとチヌが逃げる確率が高くなります。理由は、他のチヌも上流に上っているため、誘いを掛けるときにPEラインを張った時に他のチヌが警戒して逃げ出して、周囲に居るチヌもつられて全て逃げるためです。

狙う場所は、干潮時でも流れている川筋や流れ込みです。

水深は20~30cm程度です。

 

 

下記の写真は、満ち込みである程度満ちた時に浅い溜まり場所ができます。この場所でチヌが餌を捕食している時に、少し離れた場所に餌を打って着底させた後に、餌を近付けてチヌに気付かせて食わせます。

水深は20~40cm程度です。

 

 

下記の写真は、手前の石畳の護岸が満ち込んで水没した時に、石畳の中に入り込んで餌を食べるために待っているチヌです。チヌの泳ぐコースを予測して1.5m程度先に餌を着底させて待っていると食ってくる可能性があります。もし、チヌの泳ぐコースが予想した違った場合は、餌を誘ってチヌに気付かせて、気付いた瞬間に誘いを止めます。チヌが餌に気付くと大抵のチヌは餌に近寄ってきて観察して違和感が無ければ食ってきます。

水深は30cm程度です。

 

 

下記の写真は、海底の小さなか石に付いているカキなどを食べているチヌです。

チヌの前方約150cmにカニ餌を打って、チヌが気付かないようにカニを着底させて、ゆっくりカニをチヌに近づけます。近づける時に臨界角の内側にPEラインが通過しないように、チヌの斜め横に近づくようにします。大抵のチヌは約100cm辺りまで近付けると気付きます。気付いた瞬間に誘いは止めます。チヌが近づいてカニの様子を伺って、違和感が無ければ食ってきますし、違和感を感じると逃げて行きます。逃げる原因の大半は、針が見えているや、カニが弱って動きがおかしい時です。

水深は約50cmです。

 

 

 

1.5.1.2. ■タックル

釣竿 5.3m

針 チヌ針1号

ガン玉 2B

ハリス 1.7号 2m

 

ハリスは透明度に関係なく2mを使用する理由は、チヌの先に餌を打つため、臨界角の内側にPEラインが着水しないようににハリスを長くします。ハリスが臨界角の内側に着水してもチヌは逃げないです。

 

1.5.1.3. ■餌

カニを使用します。

イガイは、何度か試しましたが食ったことは無いです。砂地に居ないのが理由かも?

 

針はチヌから見えないように刺すことが重要です。

刺し方は下記の写真を参考にしてください。

 

 

 

1.5.1.4. ■釣り方

①チヌに近づく

下図の通り約7mまで、水平角20度以下の範囲でゆっくり近づきます。

(高さ2mで水平角20度であれば約6mまで近づけます。)

水平角0度から20度はチヌから釣り人は見えないのでは無く、見え難いだけなので早い動作で近づくと、チヌは釣り人に気付いて逃げますので、必ずゆっくりとした動作で近づきます。

 

 

 

水平角20度の確認方法は、下図のようにプロトラクターを目の前に持って、チヌの前上の水面を基準に水平角が20度以下になっているかを確認することで、正確な角度になるようにプロセスコントロールします。

 

 

 

②餌打ち

竿は水平角20度以下の範囲で振って、チヌの前方の約1.5m先に餌を打ちます。

注意点は、臨界角の内側にPEラインを着底させない事です。チヌはPEラインが着底した瞬間に気付いて逃げる確率が高まります。

 

 

 

③誘い

チヌの方向に餌を近付けると臨界角の内側にPEラインが通過するため、餌は臨界角の内側を避けるように誘います。大抵のチヌは1m程度までカニを近付けると気付いて近寄ってきます。

注意点は、チヌが気付いた瞬間に餌の誘いを止めます。チヌが気付いてからも餌を誘うとチヌは違和感を感じて逃げます。

 

 

④合わせ

アタリはラインで取ります。穂先でアタリを取るために、ラインテンションを掛けて待つと、チヌは食った時に違和感を感じて吐き出す確率が高まります。必ずラインでアタリを取ります。

ラインがスーッと引き込まれたら軽く合わせます。軽く合わせる理由は、針掛しない場合でも、ボロボロになった餌が針に付いていれば、そのまま餌打ちすると食ってくる可能性が高いですが、強くビシッと合わせると針掛しなかった場合はビックリして逃げます。

 

1.5.1.5. ■合わせの見極め

前打ち全般に言える事ですが、居食いするチヌが多い傾向にあります。

中でも砂地の海底で餌を食うチヌは、海底が砂地なので食べやすいのか分かりませんが、何故か大半のチヌは居食いする傾向にあり、合わせる見極めが難しいです。早合わせすると、スッポ抜けますし、遅すぎると、針を飲み込んでしまう場合は良いですが、ガン玉が付いた針だけを異物と思うのか吐き出したりします。

そこで、合わせる見極めについて紹介します。

打ったカニ餌が着底したカニにチヌが近づいて、カニ餌辺りでじっとしている場合は、カニを口の中でコロコロ回しながら食っている可能性が高いです。この場合は、ゆっくりラインテンションを掛けて、穂先でコツコツするアタリを確認できたら軽く合わせます。

もしアタリを感じなけれは、チヌがカニを発見できていない可能性があるので、ゆっくり数cmカニを動かすイメージで少し誘います。誘ってチヌがカニに気づけば、ビックリして逃げるか、食ってくるか何れかの行動をします。稀に無視するチヌも居ますが、無視するチヌは釣れないので相手にしません。

 

1.5.2. ■護岸の高さが3m以上の石畳

護岸に幅が2~3m程度の石畳があり、護岸の高さが3m以上で、護岸の上に釣り人が覗き込める程度の低い塀がある護岸構造であれば、チヌを真上近くから見ても何故か逃げないので竿を振り方を工夫すれば、数釣りができる可能性が高いです。

見えチヌが釣れる水深は、チヌが泳いでいる直下の水深が30~80cm程度釣り易いです。

 

1.5.2.1. ■釣れている場所

下記の写真のように幅が2~3m程度の石畳で、護岸の高さが石畳から3m以上あり、護岸の上に50~100cm程度の塀がある場所は、チヌに近付き易いです。もし塀が無い場合は護岸の上から覗き込んだ瞬間に逃げる場合が多いです。

 

 

下記の写真のように幅が3m程度の石畳で、護岸の高さが石畳から3m以上あり、護岸の上に120cm程度の塀がある場所は、チヌに近付き易いです。

 

 

 

下記の写真のように、覗き込むと石畳の隙間の餌を食っているので、活性が高いと判断できます。

このチヌは餌を落とすポイントを間違わなければ食ってくる可能性が高いです。

 

 

下記の写真は石畳に沿って泳いでいるチヌです。

石畳の駆け上がりの途中で、石畳に沿って海底を泳いでいるため、餌を探して泳いでいる可能性が高いので、餌の打ち方を間違わなければ釣れる可能性が高いです。

 

 

下記の写真は、石畳から少し離れて浮いているチヌです。このチヌは釣れる可能性低いので、活性が上がるまで相手にしません。もし餌を打って警戒心を高めてしまうと、活性が上がった場合でも警戒しており、その日は釣れない可能性が高いです。

 

 

1.5.2.2. ■タックル

釣竿 4.5~5.3~6.3m(護岸の高さによって竿を選択します)

針 チヌ針2号

ガン玉 2B

ハリス 1.7号 透明度+30cmの長さで良いです。

 

1.5.2.3. ■餌

イガイがベストです。

イガイを調達できなければカニでも良いですが、石畳の隙間に入り込んで根掛する可能性があるので、カニが着底後、5秒程度でチヌがカニに気付くようがポイントに餌を打ちます。

針にイガイを付ける方法は、写真のように1cm程度のイガイを5個程度の房掛けにします。

カニと違って針が丸見えでも、警戒せず自然に食ってきます。

 

 

1.5.2.4. ■釣り方

①チヌに近づく

そっと海面を覗き込みチヌを探します。チヌが居る場合は、チヌの動きを観察し、チヌの行動によって餌を打つポイントを見極めます。

 1)餌を食べている

2)餌を探している

 

②餌の打ち方

下図のように塀から覗き込んで、竿を護岸際に這わすように移動させて竿を護岸下に向けます。餌の打ち方は竿を真上にゆっくり起こして、振子のように餌を打って、着水時に音を立てないようにそっと打ちます。

 

<注意>

餌を打つ時に真上に上げることで、竿を動きをチヌに気付かれ難いようにします。竿を斜めに振って餌打ちするとチヌから竿の動きに気付かれて逃げ出す可能性が高いです。するt

 

 

 

下図のような護岸の上に塀が無いと、覗き込んだ瞬間にチヌが逃げる確率が高いです。このような護岸では、護岸の上からの釣果は期待できないので、石畳の上に降りてから釣る方が釣果が期待できます。

 

 

③餌を打つポイント

下記の写真のように餌を探しているチヌであれば、泳ぐ方向を予測して1.5m程度先に餌を打ちます。

チヌの泳ぐ方向が予想と違って餌に気付き難い場合は、数cm程度誘うつもりで穂先をゆっくり動かします。

 

 

下記の写真のように食事中のチヌで、イガイを使い場合は、餌を食べている石垣の隙間で少し離れたポイントに着水音がたてずに落とし込みます。カニ餌を使う場合は、食事中の石垣の隙間に落とすとチヌはビックリして逃げる可能性が高いので、石畳の上に着水音をたてずに落とし、カニの自然な動きに任せます。

 

 

③誘い

餌がチヌに近いため誘いはしません。

イガイの場合は、チヌが食事中の石畳の隙間に落としますので、落下してきたときにチヌが気付いて食ってくる可能性が高いです。

カニの場合は自然な動きに任せます。

 

④合わせ

石畳に居る大抵のチヌは、餌を食うと移動しますので、ラインがスーッを引き込まれた時に合わせます。居食いするチヌの場合は、軽く穂先にテンションを掛けて、コツコツアタリを感じたら軽く合わせます。もし餌がすっぽ抜けた場合は、ボロボロの餌でも良いので付いてたら直ぐに餌を打つと食って泳ぎラインをスーッと引き込む当りが出る場合が多いので、すかさず軽く合わせます。

合わせの基本は軽くです。強く合わせっると安全な場所に逃げようとして、石の穴に入り込んだりして、ハリスが根ズレで切れる可能性が高まります。軽く合わせると、大抵のチヌは横向きになりながら頭を上に向けますので、石畳から離すことができます。

 

1.5.3. ■整備された駆け上がりの護岸

整備された駆け上がりの護岸に付いているチヌであれば、フィッシュウィンドウを臨界角の技術を使って餌を着底させて誘う事で数釣りができる可能性が高いです。

見えチヌが釣れる水深は、50~100cm程度です。

 

1.5.3.1. ■釣れている場所

下記の写真は、石積みで隙間をコンクリートで固めた駆け上がりにチヌが付いている場合は、餌を着底させた後に誘いで根掛り少ないので釣果が期待できます。

 

 

下記の写真は、石積みで隙間が少し開いた状態の駆け上がりでは、コンクリートで固めた駆け上がりより隙間に餌があるため、チヌが付きやすく餌の誘いもできるため、高釣果が期待できます。

 

 

下記の写真は、石積みが荒いので、隙間に多くの餌があるため、チヌが多く付いています。チヌの動きを観察して餌の打つ位置を決める事で高釣果が期待できます。

 

 

1.5.3.2. ■タックル

釣竿 4.5~5.3m

針 チヌ針 カニ餌:1号、イガイ:2号

ガン玉 2B

ハリス 1.7号 2m(透明度に関係なく2m固定)

 

ハリスは透明度に関係なく2mを使用する理由は、チヌの先に餌を打つため、臨界角の内側にPEラインが着水しないようににハリスを長くします。ハリスが臨界角の内側に着水してもチヌは逃げないです。

 

1.5.3.3. ■餌

石積みの隙間が少ない駆け上がりであれば、カニが最適ですがイガイでも良いです。

石積みの隙間が大きい場合は、イガイが最適ですが、カニでも良いです。カニの場合はおかs、石畳の隙間に入り込んで根掛する可能性があるので、カニが着底後、5秒程度でチヌがカニに気付くようがポイントに餌を打ちます。

 

針にイガイを付ける方法は、写真のように1cm程度のイガイを5個程度の房掛けにします。

カニと違って針が丸見えでも、警戒せず自然に食ってきます。

 

 

カニを使う場合は、下記の写真のように針が見えない刺し方をします。

 

 

1.5.3.4. ■釣り方

釣り方は、海底が砂地と同じ考え方で、フィッシュウィンドウと臨界角の技術を使い、餌が着底するまでチヌに気付かれないような餌の打ち方をします。

砂地の海底と明らかに違うのが、護岸が遊歩道なとで散歩している人が多くいますので、人が歩くことに関してはチヌは警戒しないようです。

例えば、餌を食べているチヌを発見した場合に、立ち止まらず歩き続けるとチヌは警戒せず餌を食べ続けていますが、人が立ち止まると餌を食べるの止めて警戒を始めます。もし一歩でも護岸に近づくとチヌは逃げますが、再び歩き始めるとチヌの何もなかったかのように餌を食べ始めます。チヌは、人の動きを見て危険か安全かを判断しているように見えます。

 

①チヌに近づく

下記の写真のように、護岸から離れてゆっくり歩きながらチヌを探し、チヌを発見すると急に立ち止まらず竿が届く範囲まで通過してスーッと止まります。チヌを発見して急に止まると、チヌは警戒して逃げる可能性が高いです。

また、チヌを歩く方向の前方に竿が届かない距離で発見できた場合は、竿が届くギリギリでスーッと止まります。

 

竿は、遊歩道と平行に下げて持ちます。竿を立てて持って歩くと逃げる確率が高まります。

写真のような護岸は、散歩されている方多くいますので、チヌは歩く人には警戒しないようなので、チヌを発見した立ち位置が水平角20度以上の場合は、立ち止まらず歩き続けて水平角20度以下になる距離まで離れて餌打ちの準備をします。

釣り易い水深は50cm前後の駆け上がりに居るチヌです。

 

 

 

下記の写真のようにチヌを発見して、河川の方向を向くとチヌは警戒態勢になり、更に護岸に一歩でも近付くと逃げる大抵のチヌは逃げます。

 

 

②餌打ち

水平角20度以下になるように護岸の駆け上がりに居るチヌに斜めに餌打ちします。重要なポイントは、餌は着底するまでチヌに気付かれないよう1.5m以上離れたポイントに打つことです。チヌに気付かれずに餌を着底できれば、経験的に約5割の確率で餌を食ってくる可能性があります。それだけ餌を着底させることに重要視しています。

竿の振り方は、護岸際を這うように振ります。竿を立てて振ると大抵のチヌは逃げます。必ず竿を寝かせる事です。

 

下記の写真のように石畳の間の隙間が広い場合は、餌の誘いは難しいので、チヌの気付くギリギリ場所に餌打ちを行てチヌに気付かれないように餌を着底させて誘いをせず待ちます。さそ

 

 

③誘い

チヌが気付くまでに着底できれば、PEラインが臨界角の内側に入らないように誘い、チヌが気付いた瞬間に誘いを止めます。

 

④合わせ

駆け上がりで食うチヌは、大抵餌を加えて沖に向かって泳いで行くのでラインがスーッと入りますので、軽く合わせます。もし餌がすっぽ抜けたらボロボロの餌で良いので付いていれば、すかさず餌打ちすると、餌を食ってくる可能性が5割程度ありますので、すっぽ抜けで諦めず餌打ちします。