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サイトフィッシングによるチヌ前打ち釣法の紹介

 

<更新履歴>

2021.3.2

 1.1.1.7. ■釣果が期待できる水温章を追加

2021.2.9

 1.1.1.8. ■釣れなくなる水温章を追加

2020.12.31

 1.1.1.2. ■釣果実績を追加

 

=== 目次(タップでジャンプ) ===

1.1. ■データ分析観点

1.1.1. ■データ分析

1.1.1.1. ■データ分析方法

1.1.1.2. ■釣果実績

1.1.1.3. ■月別の釣果(釣れる季節)

1.1.1.4. ■月別の平均サイズ

1.1.1.5. ■サイズ別分布

1.1.1.6. ■某河川における水温と釣果の関係

1.1.1.7. ■釣果が期待できる水温

1.1.1.8. ■釣れなくなる水温

1.1.1.9. ■河川で良型を狙うベストシーズン

1.1.2. ■データ記録

1.1.2.1. ■干潮時に釣り場撮影

1.1.2.2. ■釣ったチヌの撮影

1.1.2.3. ■水温

1.1.2.4. ■透明度

1.1.2.5. ■風

1.1.2.6. ■天気

1.1.2.7. ■釣れないと思う時も釣行し記録する

 

 

1.1. ■データ分析観点

釣行時に記録することで、日々の1点1点の記録を集計して、河川毎の記録が線となり、複数の河川のデータを集めると面となり、マクロ的な分析が可能になります。釣行結果を収集し分析することで河川全体や河川毎の傾向を捉えることができるため、次回釣行時の強力な武器になります。

 

マクロ的なデータ分析で重要なファクターとして、釣れないと思われる時期にも釣行して、なぜ釣れないかを解明することも大事です。実際に釣れないと思い込んでいた時期に釣行して嬉しい好釣果となったこともあり、このケースではなぜ釣れたのかデータ分析を行う事で、更に高釣果で安定化させるノウハウを修得できるようになります。

 

先ずは、様々な河川に年間を通して通うのは大変なので、1つの河川を年間を通して釣行して季節ごとの傾向を掴むことです。

 

収集したデータを分析すると、気付かなった発見が実際にありました。

一例ですが、某河川で常連さんから、この河川は6月頃からチヌが釣れだしますよと常連さんの経験より言われた事がありました。集計したデータの中の水温を確認すると、6月上旬から、低層の水温が18度前後になっていました。水量の多い河川では、18度以上になると浅場で釣れるようになると考えていましたので、某河川での釣れ出す地元の釣り人の経験値と私自身が考えていたデータの整合性がとれましたので、他の水量が多いの河川でも18度を基準にした釣り方の戦略に活用しています。但し、水量の少ない河川では18度以下でも釣れます。この理由も判明できています。

 

1.1.1. ■データ分析

前打ちで釣ったチヌについて多角的にデータ分析を行いました。

 

分析の元データです。

期間         2010年~2019年 (10年間)

釣った匹数     2480匹 (サイズが30cm未満は集計外です)

釣行日数      673日 (1日の釣り時間は日中の平均約6時間)

釣行河川本数   80か所

釣行河川延回数 762回 (1日に複数の河川に釣行しており釣行日数より多い)

 

1.1.1.1. ■データ分析方法

データ分析は、Excelのピボットテーブルを活用しています。

釣行時に記録した河川名、日付、サイズ、枚数、天気、風向、水温(水面/海底の2点,水温差)、汽水の透明度を基に全河川の傾向や、河川毎に多角的に分析して、次回の釣行時の参考にしています。

 

<分析例>

・月別の全河川総計/河川別の釣果分析

・月別の全河川総計/河川別の1日の釣果分析

・月別の全河川総計/河川別の釣れる平均サイズ分析

・全河川総計/河川別の釣れるチヌのサイズ分布

・全河川総計/河川別の釣れるチヌの時間帯分布

・水温(海底水温/水面水温/海底と水面の温度差)による釣果の違い

・濁り度合い(透明度)による釣果の違い

・透明度と水温の関係や、海底水温と天気と釣果など、様々な

 複数項目を組み合わせた分析

等々。

本書では全河川の集計データからマクロ分析した興味深い結果を紹介します。

 

1.1.1.2. ■釣果実績

前打ちを10年間行って釣ったチヌは2480匹(30cm以上のみ集計)です。

1日の釣果が増えた2017年以降は、それまでの経験的観点と、プロセス観点に加えて科学的観点に着目して釣るようになって釣果が増えています。

特に2019年は、サイトフィッシングによるチヌの前打ち釣法の形がようやく見えてきて504匹釣って、1日平均6.3匹、平均サイズも40.6cmでした。要因は見えている小型チヌは無視して、良型チヌをサイトフィッシングで狙い撃ちできるようになったことが大きいと考えています。

 

下記の分析結果より、年々1日の平均匹数(釣果)が増えていますので、チヌ前打ちが上達していることが見えてきますので、自身のモチベーションの維持に繋がっています。

 

★追記

2020年の釣果を追加しました。

2020年の1年間の1日平均の匹数は7.0匹となっていますが、コロナ禍で遠征できず日帰りできる釣行経験のある山口県・広島県・岡山県の河川だけ釣行したため、勝手知った場所とあって1日平均の匹数が増えたためで、初めて釣行する河川が増えると場所探しに時間を費やすため釣果は下がってきます。また、釣果数や50cmオーバーが少ないのは、大型が狙える3~4月に釣行できなかったことが影響しています。

平均サイズが、2019年の40.6cmから41.7cmにサイズアップしたのは、良型の見えチヌを狙い撃ちで釣る竿操作や餌打ちなどを定義したプロセスの完成度と、そのプロセスをコントロールする精度が向上した結果だと思います。

 

 

 

 

<釣場>

瀬戸内海全域(和歌山県、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、大分県、宮崎県)がメインの釣り場となります。

 

その他に、高知県、三重県、島根県、鳥取県、福井県、石川県、富山県にも釣行していますが、瀬戸内海の河川の汽水域と比べて、日本海側や太平洋側はチヌの魚影は少なく感じます。今まで80本の河川に釣行した経験から個人的な考えとして、干満差が大きい場所の河川の汽水域はチヌにとって好条件かと思われます。

 

 

1.1.1.3. ■月別の釣果(釣れる季節)

河川で前打ちにより釣った10年間の月別の集計データです。

  10年間の合計

    釣った匹数 2480匹 (30cm以上のみ集計)

    釣行日数  673回

 

●データ分析

 1位 6月 5.3匹 (釣行日数60回)

 2位 7月 5.1匹 (釣行日数61回)

 3位 4月 4.6匹 (釣行日数39回)

12位 2月 2.0匹 (釣行回数18回)

 

●考察

釣った数と水温の関係に相関がありそうです。

汽水域の低層の水温が18度を超えるのは6月頃からになります。18度を超える頃からチヌは浅場に餌を求めて上がって来るようで、河川の護岸に多くのチヌが寄って、釣り易くなっていると考えます。

 

但し例外があります。

このデータは水量が多い河川の場合になります。

冬場において水量が多い河川は、汽水域の上層(真水)と下層 (海水)との温度差があると上流までチヌが来ないようです。チヌは変温動物のため温度差を嫌うためと考えています。

 

例外として、いつも水量が少ない河川の場合で、海水の上層と下層の温度差が殆ど無い場合は、上流までチヌがきているようです。水量が少ない河川では、海底水温が14度以下でもサイトフィッシングで半日で20匹以上釣れる場所があります。これらより、一般的には冬場は河川の河口付近の海水の上層と下層の温度差が少ない場所での釣りがメインになります

ただ、海底水温が10度以下になると釣れないことはないですが、高釣果を期待することは厳しい条件になります。

 

実際に某河川で、6月から7月だけ、何もへんてつもない石畳に多くのチヌが寄って爆釣できる場所が数か所あります。6月から7月以外の月は殆ど寄っていないです。毎年楽しみにしているポイントなのですが不思議な現象です。

 

一般的に言われていますが、データも同様の傾向がでており、乗っ込みシーズンの4月も釣れています、また、2月はやはり釣り難い時期になっています。

 

 

 

 

月別の合計匹数で8月の多いのは、盆休みで釣行日数が多いためです。

 

1.1.1.4. ■月別の平均サイズ

河川で前打ちにより釣れる月別の平均サイズです。

2月がやはり釣り難いですが、釣れたら大きいサイズになります。こちらも一般的に2月は釣り難いが、釣れたら大きいと言われていますが、データも同様の結果となっています。データによる見える化で、更に他の月の平均サイズより2月は2cm(6%)大きいサイズが釣れることが分かります。

 

 

 

1.1.1.5. ■サイズ別分布

河川で前打ちにより釣れるサイズ分布図です。

35cm~40cmを中心にした分布になっています。40cmオーバーが42%釣れていますので、河川の浅場でも良型が多く釣れることが分かります。50cmオーバーの年無しは100匹釣れば2匹釣れることになります。ただ、何故か河川の汽水域ではビックリするような年無しは釣れず、50cmオーバーは43匹釣っていますが最長寸が53.5cmでした。

 

 

 

1.1.1.6. ■某河川における水温と釣果の関係

汽水域の海底水温と1日の平均釣果の関係を分析したデータを紹介します。

なお、釣り時間は日中の平均約6時間です。

 

下記グラフは、水量が多い某河川に8年間(2011年~2018年)で163回通って集計した釣果と海底水温の関係を示すデータです。

このグラフから分かる事は、海底の水温が18度を超えた6月頃から釣果が増え始めて14度以下になる12中旬から釣果が下がり始めていることが分かります。この傾向は、水量が多い河川で同じような釣果傾向となっています。

 

但し、水量が少ない河川で、汽水域の水面水温と海底水温の差が無い場合は、海底水温が14度以下でも、1年中安定した釣果となっています。

ただ、10度以下になると釣れないことはないですが、高釣果を期待するのは厳しい条件になります。

 

この分析データより、河川の水量から釣行する河川の日程選定の参考になると思います。

 

<考察>

4月の釣果は、全河川の釣果結果からは高釣果が期待できる時期ですが、下記のグラフでは少なくなっている理由は、釣行回数が少なく信憑性が低い可能性が有ります。

余談ですが、4月は別の河川で大型チヌが多く釣れる場所があり、別の河川中心に釣行していたため、某河川の釣行回数は4月だけ3回となっています。他の月は6回以上です。

 

 

 

<参考データ>

参考までに上記グラフを作成した元データを記載します。

某河川に8年間で163回釣行して、691匹釣った釣果から分析しています。

 

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

合計

釣果

22

17

17

4

17

70

96

71

115

94

86

82

691

釣行回数

9

9

6

3

6

16

16

13

21

19

24

21

163

平均釣果

2.4

1.9

2.8

1.3

2.8

4.4

6.0

5.5

5.5

4.9

3.6

3.9

4.2

平均サイズ

38.7

40.8

39.1

39.4

40.7

39.1

39.9

39.4

38.2

37.6

37.7

38.9

38.8

最短寸

32.5

34

31

37

31

31.5

30

30

30

30.5

30.5

30

最長寸

46

46.5

46.5

41

49

49.5

52

49

50

50

51

51

 

 

1.1.1.7. ■釣果が期待できる水温

私が瀬戸内海の河川に釣行した時に、記録した310回の河川の海底水温と1日の平均釣果を集計したグラフに加えて、実際に釣行した経験的観点から分かる事を紹介します。

 

 

)28度の1日の平均釣果が17匹となっていますが、これは1回の釣行だけなので28度で数釣りできるとは限りません。

 

実際に釣行した時の海底水温が、5度~28度までの釣果グラフから分かる事は下記の通りです。

 

●釣果が期待できる海底水温

<20度前後>

春から初夏になって海底水温は20度前後になった時は、河川の汽水域の上流の浅場にプレッシャーを掛けられていないフレッシュな活性が高いチヌが集まって餌を捕食始めますので、数釣りができると考えています。

 

<11度~13.5度>

秋から初冬に掛けて水温が低下して汽水域の上流からはチヌの姿が少なくなり、河口付近にチヌが集中する時期では、越冬に備えて荒食いするのか釣り易いです。また、汽水期の河口から上流の潮止まで広範囲に釣り歩く必要は無く短時間い高釣果が期待できます。

 

●水温帯により釣果に違い

<8度未満>

水温が低い時期は釣れないと分かっていましたが、実際に釣行して釣れない事を実証するため複数の河川に10回程度釣行しました。

河川の汽水域で見えチヌの姿は全く確認できなくなります。チヌが見えないので、海底水温が高いと思われる河口付近の深場を中心にブラインドフィッシングを行っても、全く当りが無く釣れないです。小さいカニを使っても、水温が高ければ一撃でカニを食うフグさえ当たらず生命反応を感じない状況になります。

 

<8度以上~10度未満>

グラフからは分かりませんが、海底水温と上層水温差が少ない河川の河口付近しか釣れなくなります。

この時期の見えチヌは、餌をチヌが気付く前に着底できて、着底後にチヌが餌に気付くと、水温が高い時期であれば餌を観察するのですが、一気に近寄って食うチヌが増えますので餌が少なく腹が減っているチヌが多いのかも知れません。

水量が多い河川は、一般的に海底水温と上層水温差が大きくなり釣り難い時期になります。

 

<10度以上~14度未満>

河川の海底水温と上層水温差が約1度以下と少ない河川においては、浅場で見えチヌの姿は少なりなり、河口付近から中流域で見えチヌを釣る事になります。

また、河川の海底水温と上層水温差が約1.5度以上と大きい河川においては、浅場ではチヌの姿は見えなく河口付近の深場で見えないチヌを中心に釣る事になります。

 

<14度以上~18度未満>

春から初夏にかけて水温が上昇して18度程度になる頃は、河川の汽水域の上流の浅場でチヌを見かける事は少なく、河口中心の釣りになります。

また、秋から初冬にかけて水温が14度になるまでは、河川の汽水域の上流の浅場でチヌを見かけますので、シーズン最後の水深50cm程度の浅場で見えチヌ釣りを楽しむ時期になります。

 

<18度以上~>

水温が18度以上になると河川の汽水域の浅場を中心に、全域で釣れるようになります。河川の護岸を歩くと、こんな場所にもチヌが居るのかと新しい発見する場合があります。

こんな場所にはチヌが居ないと思い込まず、水深が20cm程度で背びれが水面に出るような場所でも年無しのチヌが居る場合がありますので、是非とも河川の護岸を丁寧に歩いてチヌを発見して、マイ穴場として楽しんで頂きたいです。

 

●参考情報

文献によると、チヌの活性が高い水温は20度前後で、チヌが生息できる水温は5度~30度らしいです。

私が釣った釣果から20度前後が良く釣れて、5度~8度未満では全く当りもありませんでしたので、整合性がとれていると思います。

 

1.1.1.8. ■釣れなくなる水温

 

海水温は釣果に大きく影響すると思いますが、具体的に釣れなくなる海水温度について瀬戸内海の山口県・広島県・岡山県で調査しました。

 

下図は、海上保安庁が提供している海面水温図です。瀬戸内海の水温は、岡山県の瀬戸中央自動車道近辺が最低の水温で、東西に徐々に水温が上がっている分布になっています。恐らく太平洋から距離が遠いことが影響していると考えられます。

 

 

 

◆釣れなくなる水温

河川での前打ちは、経験的に14度以下になると上流からチヌの姿が消えて、釣り場は河口付近が中心となり、釣るには厳しい時期になります。そこで実際に水温が低い岡山県から水温が比較的高い山口県の間の7つの河川に釣行しましたので釣果結果を紹介します。

なお、釣行した河川は、水温が14度以上の時期であれば、半日で2桁釣りができるチヌの魚影が濃い河川です。

 

結果的に、海底水温が8.0度以下の河川では釣れず、8.5度以上で釣れています。

釣行回数が少ないので何とも言えませんが、河川においてチヌを前打ちで釣るためには8.5度以上が目安になるかと考えています。

 

◆釣行した河川

 

場所

海底水温

()

上層水温

(度)

釣果

(匹数)

釣行

回数

1日平均

(引数)

岡山県 河川A

5.0

4.0

0

1

0

13.0-13.5

11.0-12.0

16

2

8.0

岡山県 河川B

8.0

7.0

0

1

0

11.0

11.0

1

1

1.0

岡山県 河川C

6.5

6.5

0

1

0

11.0

11.0

3

1

3.0

広島県 河川A

7.0

7.0

0

1

0

12.5

12.5

3

1

3.0

広島県 河川B

10.0

10.0

3

2

1.5

9.0-12.0

9.0-11.0

14

5

2.8

山口県 河川A

9.0-11.5

9.0-11.5

17

3

5.7

山口県 河川B

9.0-11.5

8.5-11.5

53

8

6.6

 

 

1.1.1.9. ■河川で良型を狙うベストシーズン

河川で40cm以上の良型の数釣りを狙うベストシーズンを分析したデータを紹介します。

良型の数釣りを狙う場合は7月です。約5匹釣れば、約3匹は40cm以上釣れた実績となっています。

 

釣行月

40cm以上

1日平均釣果

1位

7月

2.7匹

4.7匹

2位

6月

2.4匹

5.2匹

3位

8月

1.5匹

3.4匹

12位

1月

0.9匹

3.0匹

 

 

 

 

 

 

50cmオーバーが釣れる高確率で釣れる月も6月~7月になります。

50cmオーバー(年無し)を高い確率で狙える月は6月です。100匹釣ると約3匹は50cmオーバーが釣れた実績となっています。

 

釣行月

年無し

1位

6月

3.1%

2位

3月

2.9%

12位

1月・5月

0.0%

 

 

 

 

 

従って、数釣りと良型の両方を狙える月は、6月がベストシーズンになります。

下記の表は、月別のサイズ別の釣果実績です。

 

 

 計算式: 1日サイズ別引数 月の1日平均釣果(引数) × サイズ比率

 

1.1.2. ■データ記録

データ分析を行うために必要な記録データについて紹介します。

 

記録するデータ

記録始めた当初は、様々なデータを記録していましたが、最近は釣果に影響すると思われるデータだけ記録するようにしています。

 ・釣り場の干潮時の写真

 ・チヌ撮影(釣った日時、GPSで場所記録)

 ・水温は水面(真水)と海底(海水)の2点

 ・汽水の透明度(濁り)

 ・風の向きと強さ

 ・釣ったチヌのサイズ

 ・天気

 

1.1.2.1. ■干潮時に釣り場撮影

記録の目的

干潮時に釣り場を撮影する目的は3点あります。

①海底の状況を確認

チヌが好む河川は、干潮時に干潟になり、満潮時に干潟が水中に沈む場所が多いです。干潮時の写真があると、満潮時に釣行した時に釣れるポイントを確かめる参考になります。

 

②干潮時でも水があるポイント確認

干潮でも水がある場所は、川筋でチヌの休憩の場所となっている場合が多く干潮時の釣り場所を決める参考になります。

 

③餌を採取できる潮位

撮影日時より、カニやイガイなどの餌を採取できる潮位をタイドグラフから確認することができます。

 

1.1.2.2. ■釣ったチヌの撮影

記録の目的

釣ったチヌの撮影すると、撮影日時、GPS位置、画質サイズ、シャッタースピードなどの情報が記録されいます。この中の撮影日時とGPS位置情報のデータを利用して、いつ何処で、どれだけ釣れたか数値化できるので、客観的な判断が可能となり、釣行先の選定など、常に高釣果で安定した釣りを楽しむ一因にできると考えています。

 

①撮影日時

撮影日時とタイドグラフから釣れた潮位を確認します。

 

②GPS位置情報

撮影した全てのチヌの写真のGPS情報を集約して地図上にマークすることで、どこの釣り場で、釣れた時期・潮位・匹数を数値化できるため、客観的に釣りの戦略を立てやすいです。

 

1.1.2.3. ■水温

記録の目的

汽水域は、下層が海水・上層が水の2層となっています。

下層と上層のそれぞれの水温と水温差よりチヌの行動を予測します。

 

水温記録方法

水温は、朝・昼・夕で水温が違いますが、基本的には釣り場に付いたら、先ず水温(海底と水面から10cm程度の場所)の2点を測定します。測定するポイントの理想は川の流れのゆるやかな場所だと、汽水域特有の下層(海水)と上層(真水)の混ざりが少なく、温度を正確に測ることができると考えています。

 

水温で分かることは2点

①下層と上層の温度差1.0度以上で、かつ下記の条件場合

  ・春から初夏にかけては海底の温度が18度以下。

  ・秋から初冬にかけては海底の温度が14度以下。

 

<水温から判断する事>

チヌは変温動物なので温度変化を嫌って上層に浮かない可能性が高いです。

そこで、先ず深場のポイントから釣行開始します。一般的に昼頃は水度が上昇しますので、昼頃に水温を計って、下層と上層の温度差が1.0度以下になっていれば、浅場のチヌが見えやすいポイント確認し、魚影を確認できるようであれば釣ります。

 

②下層と上層の温度差が無いケース

例えば水温が10度以下でも、干潮で干潟だった場所が満ち込んで水深30cmから50cm程度になったら寄ってきます。川の水量が少ない河川で温度差が無くなる傾向にあります。

 

干潮から満ち込みで上がってくるチヌは活性が高いので、浅場の釣り場から攻める戦略を取ります。

ただ、別の問題ですが、寒波で急に冷え込んだり、晩秋に雨が降ると、河川が浅いので気温の影響を受けて水温は一気に下がり、チヌに活性が低下しますので日々の温度変化の考慮が必要です。

 

1.1.2.4. ■透明度

記録の目的

透明度の記録は下記の2点です。

①ハリスの長さの参考にします。

ハリスの長さは、透明度+30cmと考えています。

ただ、透明度が2m以上は、1ヒロ半(約2m)固定で良いです。

 

②透明度で釣るポイントの参考にします。

濁りがあり透明度が30~50cm程度の場合は、透明度が高い時に沢山チヌが見えてた場所で釣ります。特に、干潮から満ち込みの水深が50cm前後のテトラ際・ゴロタ石際・石畳際で、提灯釣りができる場所では爆釣の可能性があります。

 

③チヌの活性度合いの参考にします。

水温が高い場合、透明度が低下すると、チヌは活性が高まり餌の捕食で泳ぎ回り警戒心を鈍るようです。

但し、大雨で一気に水温が低下すると活性は低下するので考慮が必要です。

 

透明度の測定方法

釣竿の仕掛けにマークを付けて沈めてマークが見えなくなる水深を、データ分析の観点から傾向し調べるために、ざっくり下記の7分割で測定します。

  20cm以下/30/50/80/100/150/200cm以上

 

透明度データの活用

<水温が高い時期>

水温が高い初夏から秋にかけては、透明度が30~80cmの時は、チヌが見え難くなりサイトフィッシングは難しいですが、チヌの活性が高くチヌが居そうなポイントに餌打ちして釣果は期待できます。

また、透明度が30cm程度であれば、干潮時に水深30cm以下の物陰で休んでいるチヌを狙い撃ちできます。

 

<水温が低い時期>

温度が低い冬場は、河川に入ってくるチヌは少なくなりますので、見えない少ないチヌ相手に闇雲の餌打ちしても効率が悪いので、透明度が高いポイントで、サイトフィッシングで狙い撃ちすることで、 効率い釣果が期待できます。濁りが有ってチヌが見ないときは、チヌが居そうなポイントや過去の実績から餌打ちするしかなく効率が悪く釣果は期待できません。

 

<透明度による釣果の違い>

良く釣れる条件は、透明度は50cmから80cmで、潮位は干潮前後です。

干潮で適度の濁りがあると、チヌから釣り人が見え難いため、チヌが居るポイントに近付けて、4.5mの短竿で餌を打ちたい場所に正確に投入出来て、水深が浅いので手返しが早くなり釣果も上がります。

ただ、チヌの魚影は殆どシルエットしか見えず発見が難いです。

 

透明度は干潮と満潮で違う

<干潮から満ち込み>

特に夏場の大潮時期は、干潮になった干潟には多くの貝・虫類が動き回っています。

干潮からの満ち込みで干潟が沈む時に水深が30cm程度までは、少し濁りが発生します。このときチヌは、背びれや尾びれを水面に出しながら餌の捕食のために泳いでいます。このタイミングは、長靴で河川に入って30分程度ですが、爆釣できるチャンスタイムです。胴付きゴム長(ウェーダー)で入れば、も少し長い時間釣りが楽しめると思いますが、手軽さ優先で実施していません。

 

<満潮>

満潮になると、一般的に透明度が上がります。

理由は、濁った川でも海水が汽水域に入り込んできますので、透明度が高くなるようです。干潮時に川の濁りが酷く釣りにならない場合でも、満潮になると濁りが改善されて釣れる場合があります。

 

1.1.2.5. ■風

記録の目的

風向きと強さと水温によって釣果が変わります。

 

強風

6月~11月の水温が高い時期は、川の対岸方向から吹いてくる風で、護岸は波立って水際に濁りが

発生して、チヌの活性が上がり水深20cm程度の水際でも釣れる可能性が高まります。

 

微風

12月~5月の水温低い時期は、風が強いと釣果は期待できないです。

冬場は、天気が良く無風で穏やかな日が、チヌ活性が上がるようです。しかし、天気が良い穏やかな日は、チヌから釣り人が良く見えるため、フィッシュウィンドウ、臨界角、水平角20度、保護色を意識したサイトフィッシングでないと釣果は期待できないです。

 

1.1.2.6. ■天気

記録の目的

晴れ・曇り・雨で釣果に影響がありますので記録します。

サイトフィッシングにおいては、晴天時がチヌを発見しやすく釣果が期待できます。

 

晴天が釣果が期待できる

一般的には、曇りや雨が、チヌから釣り人が見え難くいので良いと言われていますが、釣り人もチヌの発見が難しいです。サイトフィッシングによる前打ちにおいては、晴天時が釣り易いです。晴天時は、釣り人がチヌを発見し易いので、チヌが釣り人に気付く前に、フィッシュウィンドウや水平角20度、臨界角等を考慮した戦略を立てて釣る事で高釣果が期待できます。また、チヌの動きが鮮明に見えるため、釣れなくても見ていて飽きないです。

 

1.1.2.7. 釣れないと思う時も釣行し記録する

釣れないと思う時の記録は重要

釣れそうな時期や時間帯だけ釣りを行って記録したデータは、偏ったデータになります。釣れないと思う時の記録データが有ってこそ、釣れる条件が明確になるのです。

 

釣れない時期と思い込んで、釣行しなかった条件の河川に、あえて釣行したことで下記を発見して、釣果を伸ばすことができました。冬場は水温が低いから河川にはチヌが入ってこないと考えていました。しかし、実際に釣れないつもりで、釣行して海底の水温が6度程度でも、水深50cm程度の浅場にもチヌが居る河川が有りました。

記録データを分析した結果、理由が判明しました。汽水域の下層と上層の水温差が無い場合は、浅場にもチヌが居ることが分かったのです。温度差の無い河川の特徴は、水量が少ない河川です。

また、水量が多い河川では、上層と下層との温度差が少ない河口付近の浅場で釣る事ができます。