見えチヌを釣るための前打ち入門
<更新履歴>
2021.1.26
新規作成
2021.2.15
8. ■護岸構造毎の釣りの基本章を追加
=== 目次(タップでジャンプ) ===
見えチヌ釣りに挑んだが釣れなくて諦めた方や、見えているチヌは釣れないと思われている方に挑戦して頂きたく、見えチヌをまぐれで釣れたのでは無く、繰り返し見えチヌを釣るための方法について紹介します。
本書は、見えているチヌが釣れそうか判断し、釣れそうであれば気付かれないように近づいて餌打ちして誘ってチヌに気付かせて、掛けた場合はチヌの取り込み方法と、食わなかった場合は餌の回収方法までの一連の流れを紹介します。
なお、本書は瀬戸内海の河川の汽水域で実績がある釣り方です。他の地域では適用できないかも知れませんが参考にして頂ければと思います。
前打ちの基本をご存知の方を対象としていますが、もしご存知でなければ、別ページの『初心者のためのチヌの前打ち入門』をご覧ください。
<余談>
本書の先頭ページの見えチヌ(約40cm)の写真は自然に餌を食べていますが、実は私の足元からチヌまで約1mの距離からスマホで撮影しました。何故1mまで接近しても逃げずに警戒もせず餌を食べているのかは、チヌの習性を理解できると可能になります。見えチヌを数釣りするためには、チヌの習性をしっかり理解して、如何にチヌに近付き餌を打って餌を食わせるかの一連の手順の中で、各手順において1%でも釣れる確率を上げる取り組みを積み重ねる事が重要と考えています。
チヌの前打ち入門書は、3部構成で作成しています。
●ステップ1(見えないチヌ釣り)
前打ちで見えないチヌを釣る基本を紹介します。
先ずは、前打でチヌを釣るために必要なタックル・小道具の紹介した後、見えないチヌを前打ちで釣る基本となる提灯釣りを理解して頂き、更に竿を振って狙った場所に餌を打って、見えないチヌの釣り方とノウハウを紹介します。
URL 初心者のためのチヌ前打ち入門
●ステップ2(見えチヌ釣り) 本書
前打ちで見えチヌを釣る基本を紹介します。
前打で見えチヌを釣るための必要な小道具の紹介と、チヌを見つけて、如何にチヌに近付いて竿を振って、チヌに餌を食わして釣るための一連の手順において、各手順毎に釣る確率を高めるための基本的な考え方とノウハウを紹介します。
●ステップ3(チヌの数釣り) 作成予定
河川の汽水域で前打ちで、いつもチヌの数釣りするために竿を出す場所を決める戦略ストーリーの基本的な組み立て方について紹介します。
一つの釣り場で竿を出して、チヌを1匹1匹釣るテクニックを磨くだけではチヌのプレッシャーは高くなり、いつも数釣りする事は難しいです。いつも数釣りするためには、潮位・水温などの条件や、プレッシャーを軽減させるために釣り場のローテーションなど竿を出す場所の選択を戦略的に組み立てる事が重要と考えています。
戦略を組み立てるには、感と経験に加えて、チヌの習性や本能による行動の想定や、過去の釣行時の記録データ(釣果・水温など)を多角的に分析した上で、釣行する河川の選択や選択した河川で釣れる確率が高い場所の選択、釣行場のローテンションなど、1%でも釣れる確率が高い場所を選択する判断が必要になると考えています。
URL チヌを数釣りするための前打ち入門
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前打ち釣りの基本となる竿やリールなどのタックルは、『初心者のためのチヌの前打ち入門』を掲載していますのでご覧ください。
ここでは、見えチヌを釣るために追加で必要な道具を紹介します。
●偏光サングラス
偏光サングラスは持っておられと思いますが、見えチヌを釣るためにはレンズがクリア色が使い易いです。
理由は、チヌに気付かれる前に発見するためには、海底が良く見えるレンズ色が薄いクリア系がお勧めです。
●プロトラクター
チヌに近付く方法として、光の屈折を利用します。簡単に言いますと、釣り人からチヌが見え難い角度でも、チヌから釣り人が見える角度(水面基準に水平角20度以下)があります。この20度以下に釣り人が入っているか確認のためにプロトラクターを使います。
チヌから見えない角度である水面基準に水平角20度以下で近付くための必須アイテムです。
なお水平角20度は、私が経験的にチヌが逃げ難い角度と勝手に決めた数値です。
実際に見えチヌに近付いて逃げた時の角度を測ることで、どのくらいの角度で逃げるか経験して体で覚える事が良いと思います。
●水温計
水温計と見えチヌの関係が有るかと思われるかも知れませんが、見えチヌを釣る場所決めには水温は重要な情報になります。
私の測定方法は、釣り始める前に釣り場付近で海底と水面から10cm程度の水深の2点の水温を計ります。測定時刻は、早朝や昼頃など時刻は釣行時間になりますので、定量的ではありませんが傾向がザックリ掴めれば良いかと考えています。
瀬戸内海の河川の汽水域においては、水温によってチヌの生息域が変わってきますので、河川に到着したら、先ず海底の水温(海水)と上層の水温(淡水)を測定します。特に秋から初冬にかけて降雨量が多いと水温が一気に変化してチヌの活性が下がり、釣れる場所が限定されますので、水温は、釣行した当日に水深のある河口や上流の浅場など、釣り場を決める重要な情報になります。
●服装(保護色)
見えチヌを釣るために、保護色となる服装にすることで、少しでも釣れる確率が上がるかと5年位前から白系の服を着用しています。
ただ、実際に効果があるかは感覚的にも、科学的観点からも保護色以外の色との比較をしておらず分かりませんが、このような考え方もあるかと思って参考にして頂ければと思います。
保護色とは、体の色が背景と同色となり見分けがつき難いことで、イワシ、ブリなどの青物系の魚は、背中が青色、腹が白色になっています。
例えば、イワシの上から見た場合は海の色と同系色となっており、鳥から見つかり難くくなています。
また、イワシの下から見た場合は海面がキラキラした白色系でブリなどから身を守る保護色と言われています。
そこで、釣り人の服装とPEラインとレインコート(100円均一)の3つについて保護色を意識して、白色系にしています。
見えチヌを釣るために、チヌの習性を理解した上でチヌの動きを見ながら最適な方法で前打ちができると高釣果に繋がると思います。
見えチヌを釣っていると、様々な行動を目の当たりにしていますが、見えチヌを釣るために重要と思われる習性について紹介します。
<ポイント>
①水中に沈下する餌の有無に関わらず敏感に反応します。
②釣り人がチヌが近くに居てもじっとしていれば逃げないです。
この2点より前打ちは、チヌに気付かれないように餌を打って、見えチヌが食うまで動かないで待つことが基本となります。、
見えチヌを釣った経験から分かった事ですが、動くものに興味を示します。
例えば、チヌが石畳の水際の水深が1~1.5mの水面付近を石畳に平行して泳いでいる場合に、チヌが泳ぐ方向の2~3m先に餌打ちすると、チヌが沈下物に気付くと、沈下物を追っかけて潜水していきます。
ただ、沈下物に興味を示して潜っていきますが、餌を直ぐに食べることはしません。沈下物に20cm程度まで近付いて観察して、危険を感じると俊敏にUターンして逃げ出し、違和感を感じなければ自然に食ってきます。もちろん近付いて明らかな餌でないと分かれば興味を示さず無視です。
<余談>
見えチヌが沈下する餌を発見した時の行動は、食っても食わなくても目の当たりにすると、「潜った!潜った!食え!食え!」と独り言をつぶやきながらワクワクできる光景の一つです。
是非ともトライして頂きたいです。思いも寄らぬ行動をする場合もあり楽しいです。
好奇心旺盛だが用心深と言われますが、実際に見えチヌの行動を見ていると、泳ぎ方から言われている通りだなと思います。よくあるチヌの行動について紹介しますので、釣り人はチヌに警戒されないような行動の参考して頂きたいです。
河川敷に遊歩道がある場合、チヌは散歩している人物は警戒しないですが、チヌが居る場所で立ち止まったり、竿と立てて持って歩くと警戒するようで、人物の動きを観察しながら護岸に付いている餌を食べているようです。
下記の2つの写真は、100km以上も離れた別々の河川の遊歩道がある護岸ですが、チヌの動きは、散歩している人物と釣り人を見分けている同じような動きをします。
下記の写真を参考に釣り人が遊歩道を歩く場合に、歩き方でチヌの動きが変わる一例を紹介します。
歩き方①
河川から離れた①コースを竿を寝かせて遊歩道と平行にして持って歩き、チヌを発見しても立ち止まらず横を通り過ぎると警戒せずに餌を食べ続けています。
歩き方②
チヌが見えやすい遊歩道の川側を歩くと、餌を食べていたチヌは餌を食べるのを止めてこちらをじっと見て警戒モードに入りますが、立ち止まらずそのまま通り過ぎると、警戒解除して餌を食べ始めます。
歩き方③
河川から離れた①コースを竿を寝かせて遊歩道と平行にして持って歩いて、チヌを発見して止まると、チヌは餌を食べるのを止めてこちらをじっと見て警戒モードに入りますが、そのまま歩き始めると、警戒解除して餌を食べ始めます。しかし、河川側に近付くと警戒モードから一気に逃げ出します。チヌの群れとなっている場合は、一匹逃げ出すと他のチヌも釣られて一緒に逃げ出します。
チヌは、違和感があると上を向いて観察します。
特に釣り人がゆっくり歩いてチヌに近付いた場合は、危険を感じて逃げ出さないですが、違和感を感じるのか上を向いて釣り人を観察します。
釣り人を観察しているチヌの写真を紹介します。(2枚の写真は別々の河川です)
下記の写真ですが、護岸を歩いていて5m先に水際で餌を探しながら、こちらに泳いでくるチヌを発見したので立ち止まって動かないと、チヌが足元まで近付いて違和感を感じたのかこちらを見て観察しましたが、その後餌を食べ始めました。チヌはじっとしている人物に関しては警戒しないようです。(本書のトップページの写真です)
下記の写真は、チヌが大好きな影になる橋桁下で撮影した写真ですが、一匹が上を向いてこちらを観察しています。
前打ちを始めた2010年に初めて見えチヌがまぐれで釣れて以来、なんとか見ているチヌを釣りたく試行錯誤してきました。2018年の夏頃に光の屈折を利用することで、チヌに近付けることが分かり、更に全反射領域に餌を打てば、見えチヌを釣る確率が高まることが分かり、1日の平均釣果が約30%向上しました。
本章では、見えチヌを釣るために重要な光の屈折の利用する方法を紹介します。
ただ、理屈っぽい内容なので、本章のポイントを下記に列記しますので、詳細は読み飛ばして良いです。
<ポイント>
●チヌ気付かれ難い立ち位置
チヌに気付かれ難い立ち位置(歩くコース)は、チヌが居る護岸の水際の水面を基準に水平角が約15度~20度近辺に目線がくるような位置まで水際から離れて歩くと、チヌが気付く前に発見できる確率が高いです。
●チヌの真上に近付く
チヌの前上付近から近づくと、光の屈折原理からすると釣り人は見えるはずなのですが、なぜかチヌは逃げない確率が高いです。
●警戒され難い餌打ちポイント
チヌが居る水深をチヌの真上の水面から半径とした円の外側に餌を打つと、チヌに警戒されずに餌打ちができる確率が高いです。
チヌに近付く方法は、護岸構造に合わせて2通り使っています。
①光の屈折を利用して近付く
②チヌの真上から近付く
その他のチヌに近付く方法として、波が立っている時や、護岸が泡立っている、浮遊物、橋桁の下などがありますが、一般的な内容なので本章では紹介しません。
光の屈折をどのように活用するかポイントだけ紹介します。
光の屈折の計算式などの詳細は、科学的観点で紹介している下記を参照してください。
「サイトフィッシングによるチヌ前打ち釣法の紹介の釣り方 科学的観点」
<ポイント>
釣り人がチヌの概ね真上の水面を基準に水平角が20度以下に釣り人が居ると、チヌから釣り人は約5分の1に縮んで湾曲して見えるため見難いです。
また、釣り人(空気中)からチヌ(水中)を見ても光は屈折しますので、釣り人かチヌが見える角度は20度近辺が見易いです。
チヌの真上から近づく方法は、光の屈折は利用しませんが、様々な河川でチヌの真上から近付いて前打ちして釣れています。科学的な根拠はありませんが、経験的に釣れていますので紹介します。
実際に釣れている護岸を2例紹介します。
下記の2つの写真は別々の河川ですが、同じように護岸の上らから覗き込んで発見したチヌを、竿を下から真上に上げて振子の様に餌を着水音を立てずに打つと、チヌは逃げずに食っくる確率が高いです。
釣れる時間帯は、潮位が上昇し石畳の上部に上がりたいチヌが、石畳の駆け上がりに集まってくる時になります。
<考察>
チヌが釣り人に気付かないのは、チヌの真上付近は見え難いのかと思います。
理由は、経験的観点から2つあります。
1つ目は、真上を確認する時のチヌは上を向きます。
2つ目は、横を向いているチヌの真上から餌を落すと、チヌの目の前まで餌が沈下した時に、ビックリして逃げ出す光景を何度も確認しています。
チヌに気付かれずに餌打ちができるよう光の屈折を利用した方法を紹介します。
光の屈折の計算式などの詳細は、科学的観点で紹介している下記を参照してください。
「サイトフィッシングによるチヌ前打ち釣法の紹介の釣り方 科学的観点」
<ポイント>
餌打ちポイントは、チヌが居る水深から真上を基準に48.6度傾けた角度の水面が臨界角になり、48.6度以上の角度になると全反射となり、水面が鏡のようになって海底が映り込みます。
条件:真水の屈折率(1.333)で計算しています。
<重要>
チヌが居る水面からの距離(水深)をチヌの真上の水面を中心とした半径の円の外側に餌を打つと、チヌに警戒されずに餌打ちができる確率が高いです。
臨界角の円の半径は、三角関数で求めることができますが、波を考慮してませんからザックリとした餌打ちの目安と考えれば良いです。重要なのは基準を定義する事です。
例えば、チヌの真上から見て水深1mに居るチヌに対しては、チヌを中心に半径を約1mとした円の外側に餌を打つ事でチヌに警戒されずに餌打ちができます。
見つけたチヌが全て釣れることは有りませんので、より多くのチヌを見つけて、気付かれないように近付いて数多くの餌打ちすることが見えチヌの数釣りができることになります。
参考までに私の場合、見つけたチヌが釣れる確率は護岸構造にもよりますが、年間を平均して10~20%です。10匹のチヌを見つけて1~2匹釣れることになります。日によっては100%釣れる場合もありますが、5%程度しか釣れない場合もあります。
<参考>
カニ餌を使ってチヌを発見して釣れるまでの確率を示します。
10匹発見して、2~3匹のチヌは餌を食いますが、針掛かりするのは1~2匹程度となっており、チヌのアタリが有っても半分程度は針掛りしない課題が有ります。試行錯誤していますが未だに解決策は有りません。
なお、イガイは殆どチヌが針掛りします。
No | 工程 | チヌが逃 げない確率 | 逃げる主な理由 |
1 | チヌに近付いて竿を振って餌打ちするまで | 8割 | 風の影響でカニがチヌの近くに着水し危険を察知し逃げる |
2 | 打ったカニが着水して沈んで着底するまで | 6割 | 沈下中のカニに危険を察知して逃げる |
3 | チヌがカニに気付いて食うまで | 2~3割 | カニ餌を見切って逃げる |
4 | チヌが針掛りして釣れるまで | 1~2割 | 食ったが針掛りが悪くスッポ抜ける |
チヌを発見するための基本的な考え方を紹介します。
<偏光サングラス>
見えチヌを釣るための道具でも紹介しましたが、レンズがクリア色が海底まで良く見えますので、必須アイテムになります。
<晴れた日>
見えチヌを発見するためには、当然ですが晴れた日が断然良いです。しかし、一般常識的には、チヌを釣るには雨や曇りがチヌの警戒心が薄れるから良いと言われていますが、釣り人の都合かと思うのですが科学的な根拠は無いと思います。
釣り人はチヌが居る護岸の水際の水面を基準に水平角が約15~20度近辺に目線の角度になる様な立ち位置で護岸を歩いてチヌを探すことで、晴れた日が釣り易いです。
<透明度>
透明度が高く底まで透き通って見えていると、チヌが仕掛けに気付いて釣りにならないと、一般的には言われていますが、科学的な根拠は良く分かりません。
見えチヌを釣りには、透明度が2m以上ある場所でチヌがしっかり見える場所が、より多くのチヌを発見できるので高釣果となっています。
仕掛けに関して様々な実験をしまして、下記の3点が分かりました。
(1点目)
ハリスは1.2~2.0号までであれば、ハリスの太さに関係なくチヌがハリスに気付くレベルは同等でした。特筆すべき点は、チヌの近くで餌を誘いたく、ハリスを張ると殆どのチヌはハリスに気付いて危険を察知して逃げます。
(2点目)
釣針に関しては、カニ餌では、針がチヌから見える場所に刺していると見切られる確率が高く、見えない場所に刺すと見切られる確率が低いです。
ただ、イガイ餌に関しては、針が丸見えとなるイガイのヒゲにチョンがけしても、違和感を感じないようで自然に食ってきます。
(3点目)
チヌを発見して餌を打つ場所は、スネルの法則で計算できる臨界角の外側の全反射領域に餌を落とすことで、チヌが逃げない確率が高いことが分かりました。これを発見してから1日の平均釣果が約30%に一気に上がりました。
<太陽光を背にして歩く>
太陽を正面にして歩くと水面のギラギラしてチヌが見えませんので、太陽は背にして歩きます。
一般的に、釣る人の陰がチヌに掛かると逃げると言われますが、チヌが居る護岸の水際の水面を基準に水平角が約15~20度近辺でゆっくり歩くとチヌに釣り人の陰が入ってもチヌは逃げないです。
チヌを数釣りする戦術の話になりますが、例えば早朝から良く釣れる好ポイントAで釣りたくても、早朝は太陽が正面となり水面がギラギラしてチヌが見えない場合は、はやる気持ちを抑えて、例えば対岸で太陽が背になるポイントBから釣り始めて、日が傾いて潮位を考えながら好ポイントAが太陽が背になる時間帯で見えチヌを釣る事も考えます。
<潮位で場所選定>
水深が深くなるとチヌが見えないので、海底の護岸構造によるチヌが付きやすい潮位と、釣行日の透明度と、釣行日の潮位を考えて場所移動しながら見えチヌを追っかけます。
<チヌに近付ける距離>
チヌが逃げない距離は科学的・経験的に、下記の2つを基本的なチヌとの距離間として歩きます。
●12m以上離れる
チヌが居る水際から約12m以上離れると、水平角20度以上でもチヌは逃げないです。
●5mまで近付ける
チヌが居る水際から水平角20度以下であれば約5mまで近付けます。
●竿の選択
5mまで近付けると、4.5mの短竿が使えるので、チヌが見えない角度での竿振りや餌を落とすポイントなど、竿の操作精度が向上して釣果が期待できますので、できるだけ近付ける歩き方で短い竿を使うようにします。
<参考>
実際には、12m以上離れていてもチヌがが逃げたり5mまで近付けないケースはありますので、臨機応変に対応することになりますが、基準を決める事が必要と考えています。基準が無いと、スランプになった時に基本に返る事ができないためです。私自身は、見えチヌを釣るための一連の手順について、プロセスを定義して「見える化」しており悩んだ時に見直しています。
また、基準は状況見ながら見直し定義したプロセスを進化させます。
<見えチヌを追っかけて総合判断>
釣行した河川で、最高の釣果を出すために、チヌが見え易い太陽位置、チヌが見易い潮位、活性が高くなる潮位など、時間によって釣り場が刻々と変化しますので、下図のように潮位を基準に総合的に判断して釣れる確率が高い場所に移動しながら釣ります。
チヌの数釣りする実践を紹介したページが有りますので参考して頂ければと思います。
「チヌを前打ちでた釣る実践の紹介」の「4章.濁りのある河川で二桁釣り戦略」章
障害物が有ったり、透明度が低い、波立って海中が見難いなどの時でも、見えチヌを発見出来るようになることが見えチヌを釣る釣果を上げることになりますので、悪条件でのチヌの発見するノウハウを紹介します。
護岸の石畳などを歩いてチヌを発見するには、チヌが居る辺りから水面を基準に水平角が20度以下で約5m以上離れて歩くか、20度以上の場合は約12m以上離れれて歩けば良いですが、護岸構造から水際から離れることが難しい場合は、ゆっくり歩くとチヌに気付かれ難いです。
例えば、石畳の幅が3m程度の場合は、護岸を直角に河川のチヌを発見するには3mしか無いので、斜め先のチヌを発見すれば良いように思えます。確かにチヌは発見できますが、チヌに気付かれない竿振りはとっても難しいです。対策方法は、ゆっくり歩いて3m先にチヌを発見した時に、釣り人に気付いて無ければ竿を振らず餌を手投げする方法もあります。
透明度が高ければチヌの発見は容易ですが、濁りでチヌが見え難い場合に発見する方法について紹介します。
下記の写真にチヌが何匹居るか分かりますでしょうか。釣り場の一部を切り出して写真にしていますので、2匹居ることは直ぐに分かると思います。
チヌを探すポイントを紹介します。
チヌの見分けで良くある悩むケースは、チヌと石陰の見分けが難しい場合があります。この時間は太陽光の位置からして不自然な黒い影がある場合は、魚の可能性があるので餌打ちしたら良いです。また、1~2秒程度見て、影が微妙に動くようであれば魚の可能性があります。
餌を打って誘いなどしても逃げなければ陰の可能性が高いです。経験を重ねると見分けが出来るようになります。
また、②のチヌはこちらを向いています。チヌがこちらを向くと白い口がパクパクしているのが見えますので分かりやすいです。
下記の写真は、ゴロタ石場の干潮で水深が30cm程度の場所になります。チヌの居場所が分かりますか。
このチヌは、干潮で水深約30cmの石の陰で休んでいるチヌです。浅場に居る理由は、干潮から満ち込みで水位が上がって、干潟で活動していたカニなどが石の下などに隠れる前に食べたくゴロタ石場の水深20cm程度の浅場で待機してるようです。
実は、干潮で待機しているこのチヌは、餌をチヌの横20cm程度の場所にそっとカニを打って、着底後にチヌがカニに気付いて釣り上げました。
チヌがどこに居るか見難いと思いますので、拡大して画質を調整して見易すくしました。
このようなチヌを見つける方法は、太陽光による石の影以外の黒いシルエットが見えると、チヌの可能性があるので数秒間見ると、慣れると黒いシルエットが波などで微妙に動いている事が分かるようになります。
●チヌを見つける重要性
実際の釣り場では、波や水面のギラギラの中を歩きながら探しますので難しいですが、あきらめて見えないチヌに対して闇雲に餌打ちするより、ゆっくり歩いて多くのチヌを発見して狙い撃ちができるようになると、闇雲に釣るより見えチヌを釣る方が短時間に数多く釣れるようになると考えています。
ただ、魚とは判別できても、体色が似ているボラと見分けがつかない場合があります。慣れるとチヌとボラの泳ぎ方の違いやヒレ色・高などの違いで区別できるようになますが、分からなければ迷わず餌打ちする事が良いです。
見えチヌの泳ぎ方で、釣れる確率が高いか低いかを見分ける方法を紹介します。
下記の写真は、護岸を平行に泳いでいるチヌで、極めて釣れる確率が高いです。
理由は、浅場を上流に向かって泳いでおり、餌を探しながら泳いでいる可能性が高いです。このチヌを釣るには、泳いでいる方向の2~3m先に餌を打って誘うと釣れる可能性があります。
泳いでいる水深(水面、中層、下層)によって釣れる確率は経験的に変わらないです。また、泳ぐ方向が上流と下流でも釣れる確率は変わらないです。
なお、泳いでいるチヌは、下流方向でも釣れる確率は同等です。
下記の写真は、橋桁の下でゆっくり休んでいるチヌです。このチヌの群れは漠然に見ると一般的には活性は低く釣れないとされていますが、この写真から読み取れる情報を紹介します。
写真中央の底を泳いでいるチヌは釣れる可能性があります。また、写真手前の上を向いているチヌは、釣り人の私を警戒していますが私が動かないので、警戒していますが逃げるまでに至っていません。もし一歩でも近づくと逃げ出し、他のチヌも釣られて逃げ出しますので、群れているチヌを釣るのは難しいです。
もし、全てのチヌが浮いて休んでいたら釣れる可能性がかなり低いので、むやみやたらに餌打ちしてプレッシャーを高めて、活性が上がった時でも釣れる可能性が低下しますので、釣れる可能性が高まるまで放って置きます。
底に居るチヌに餌を打つには、手前の警戒中のチヌが横を向いて警戒解除してから、底に居るチヌから右側1.5m程度のチヌが居ないエリアに餌打ちして、着底してもチヌが気付かなければ、チヌに餌を近付けるのではなく手前にゆっくり誘って、チヌが餌に気付くと直ぐに誘いを止めるとチヌが近寄って釣れる可能性があります。チヌが餌に気付ても誘い続けると危険を察知して逃げます。
釣り人が橋桁の下に居る場合は、チヌから釣り人を見ると背景に橋が見えるため、どうもチヌは橋に釣り人が隠れて見え難いようで、かなりチヌに近付けます。竿振りも同様に気付き難いようです。
タックルと餌については、見えないチヌを釣る方法と同じですが、ポイントだけ紹介します。
竿の長さの選択は、護岸構造に合わせて使い分けます。
瀬戸内海の約80本の河川に釣行した経験から、4.3-5.3mのズームが有れば約8割の場所で使えます。2割弱で6.3mを使い、1%程度7.2mが必要な場所があります。
竿の調子は、超高調子がお勧めです。
理由は、水深が浅いので横走りの突っ込みで石に付いたカキなどでラインブレイクしないように耐える強さがあるとチヌに主導権を取られず思うように誘導しやすいです。
ハリスの長さは、見えないチヌ釣りでは透明度+30cmを基本としていますが、見えチヌを釣る場合は、透明度が1m以上あれば、2mの長さが有った方が良いと思います。理由は、透明度は一般的に潮位が上がって満潮になる頃は透明度は高くなりますし、ハリスが長いと臨界角の円の内側にPEラインが入り難くなるなど、どのような状況下でも使えるようハリスは長い方が良いです。
<ポイント>
ハリスの長さ 推奨2m
カニ餌を使う場合は、針が見えないように刺すことが基本になります。
尻掛けや足の付け根にチョンがけでは針が見えて、チヌがカニに近づきますが見切って逃げる事が多いため、カニの腹側に針を刺して、カニが歩く時に針が見えなくします。
イガイは、5粒程度の房掛けでヒゲに針を絡めます。針が丸見えですが、イガイの場合は警戒せず自然に食ってきます。
詳細は、別ページの『初心者のためのチヌの前打ち入門』をご覧ください。
チヌの習性や、チヌの発見方法、チヌに近付く方法を理解した上で、実際にどのように見えチヌを釣るか手順を紹介します。
見えているチヌに闇雲に近付いて餌を打って釣れる場合があるかも知れませんが、繰り返し釣る事は難しいと思います。見えチヌをいつも釣るようになるには、経験的観点に加えて科学的・餌・タックルなど様々な観点を考慮して、釣るための手順(プロセス)を決めて、その操作精度を上げて1%でも釣る確率を高めることで可能になると考えています。
発見したチヌを釣る方法について基本手順を紹介します。
食い気があるのか見極めて、釣れそうだったら気付かれないように近付いて、気付かれないように餌打ちして、気付かれないように餌を沈めて自然界と同様になるように着底させた後、チヌに餌を気付かさせる事ができれば、チヌが水深20cmの背ビレが水面から出るような丸見えの浅場に居ようと自然に食ってきます。
この自然に食わせるための一連の基本的な手順(プロセス)の流れについて紹介します。
本章では、護岸構造は、石畳やテトラ、ゴロタ石、砂浜など様々な構造がありますが、河川によく使われている石畳の護岸構造を例に紹介します。
その他の護岸構造についても基本的な考え方は同じです。
<見えチヌを釣る一連の流れ>
1) 護岸を歩く
護岸の歩き方は、チヌが見易くチヌが釣り人に気付いて逃げない距離で、チヌが竿に気付かないように寝かせてゆっくり歩きます。
2) チヌ発見
チヌを発見すると、釣れる可能性があるチヌか見極めます。
3) チヌに近付いて竿振り
釣れそうなチヌの場合は竿が届く距離に近付き、水平角20度以下の領域で竿を振ります。
4) 餌打ち
餌打ちは臨界角の外側の全反射領域に、チヌの動きに合わせて最適なポイントに着水音を立てずに餌打ちします。
5) 誘う
餌が着底後、チヌが気付くように誘い、チヌが気付くと誘いを止めます。
6) 餌の回収
チヌが逃げた時などは餌を回収しますが、必ず竿は歩いて来た後方に斜めに起こして回収します。
7) アタリと合わせ
居食いが多いので合わせるのは難しです。
8) 取り込み
チヌを掛けると、歩いて来た方向にチヌを誘導して取り込みます。歩く方向にチヌを誘導すると、これから釣り歩く場所に見えるチヌが居た場合に散って釣れないです。
護岸の歩き方は、釣り人からチヌが見易くチヌが危険を察知して逃げない距離で、竿をチヌに気付かれないように寝かせて持って歩く方法について紹介します。
<ポイント>
●石畳の幅が5m以上
歩き方の基本は、チヌが居る護岸の水際から水平角が20度以下になる場所まで離れて、竿は歩く方向に寝かせて持ってゆっくり歩きます。
●水際まで12m以上は離れる事が可能
12m以上離れることができればチヌか警戒しないので、早歩き、止まって観察など、自由な行動してもチヌは釣り人を気にしない確率が高いです。但し、竿には敏感なようで寝かせて持った方が良いです。
●石畳の幅が4m以下
斜め前方の5~6m程度先の水際に居るチヌを探します。顔はチヌを発見するため歩く方向を向いて、竿は後方に向けて寝かせて持って歩きます。
石畳の幅が4m以下とは、正確には護岸から水際までの幅になます。
石畳の幅が5m以上有り、水面が石畳の上部まで50cm以下であれば、チヌから釣り人が見え難い水面基準に水平角20度以下に釣り人を入れることができるため、水際から5m以上離れて歩けば、発見したチヌは逃げる確率は低いです。
下記の写真のように、潮位が高くなると石畳は水没して釣りができなくなる場所では、潮位を確認して釣行する時間帯の確認が必要です。
石畳の幅が4m以下では、チヌから釣り人が見え難い水面基準に水平角20度以下に釣り人を入れることはできないです。
そのため、歩く方向の斜め前方の竿が水際に掛からない距離に居るチヌを見つけて餌打ちすることになります。例えば竿が4.5mであれば、5~6m先に居るチヌを見つけます。
ただ、石畳を斜めに見えて距離を延ばせば良いかと思われますが、顔は歩く方向に向けてチヌを探しますが、竿は歩く後方に向けて持たないと、チヌを発見して竿を振った時にチヌは穂先に気付いて逃げ出しますので、体をひねった状態で歩くことになり歩きづらいです。
下記の写真は、石畳の幅が4m以下ですが、石畳の上に約1m幅の通路があります。この場合は、潮位が上がり石畳が水没しますが、後方の通路から釣る事で水面基準に水平角が20度以下に釣り人を入れることができて、穂先も石畳の駆け上がりから川側に出ないので見えチヌが釣り易くなります。
釣り場の護岸構造によっては、釣り易くなる場合がありますの護岸構造と潮位の関係の把握は重要です。
チヌを発見すると、釣れる可能性があるチヌか見極めます。
釣れる可能性があるチヌは、基本的に海底の石畳、ゴロタ石、砂地などの海底に着いて居るか、護岸際に沿って水面や中層を泳いでいるチヌが釣れる可能性が高いです。
<ポイント>
釣れるチヌ
①餌を探して泳いでいるチヌ
②海底で餌を食べているチヌ
釣れないチヌ
③群れて浮いているチヌ
④警戒しているチヌ
餌を探して泳いでいるチヌが泳ぐ方向に餌を打つことで、釣れる確率が高いチヌです。
下記の写真は、石畳の駆け上がりで餌を探してウロウロしているチヌです。
下記の写真は、砂地の海底で浅場を水際に平行して泳いでいるチヌで、活性が高く釣り易いです。
食事中のチヌは釣り易そうですが、実際は食べている餌に夢中で、餌を打っても気付かない場合が多く、なかなか思うように釣れません。無理に餌をチヌ近付けるとビックリして逃げます。
餌の打ち方については、あとで説明します。
この写真は、砂地の海底で食事中のチヌで、餌打ちして誘いも根掛しないので釣れる確率は比較的高いチヌです。
この写真は、石畳の隙間に入りイガイなどを食べているチヌです。食事中なので釣れる確率は高そうですが、チヌに気付かれずに餌をチヌの近くに着底させる必要があり、ピンポイントに餌打ちが必要で、更に風が有ると思うように餌打ちできませんので、竿操作の精度が必要で、餌打ちは1回勝負です。打ち直しすると大抵のチヌは危険を察知して逃げます。
もし、イガイ餌を持っていれば、イガイをチヌの横にそっと打つと自然に食ってくる可能性が高いです。
河川の汽水期でよく見かける群れになって浮いているチヌですが、全て水面に浮いて漂っているチヌは相手にしないことが基本です。
但し、浮ているチヌの中に混ざって海底に居るチヌが見える場合は、釣れる可能性があるので、浮チヌに気付かれないように餌打ちができれば、海底に居るチヌが釣れる可能性はあります。ただ、群れの中の1匹でも危険を察知して逃げ出すと、他のチヌも釣られて一斉に逃げ出しますので、極めて釣るのは難しいです。
釣れそうなチヌを発見すると、風向や流れを考慮して竿を寝かせて、餌が届く距離まで近付いて竿を振りますが、チヌの真上の水面を基準に水平角が20度以下の領域で竿を振らないと、チヌは竿に気付いて逃げ出す確率が高いです。
<チヌに近付くポイント>
基本的な近付く距離は、穂先が水際から出ない距離が良いです。
石畳の幅が竿の長さより狭い場合は、斜め前方に居るチヌを見つける事になりますが、この場合は思うように釣れないでです。
<竿を振るポイント>
竿の振り方は、サイドスローで手首のスナップを使ってビシッと水平角20度以下で竿を振ります。餌やラインが水平角20度以上になってもチヌは危険を察知しません。
竿振りは、石畳の幅が5m以上(正確には水際までの幅)で4.3mの竿を使っていれば、歩いていく方向から振っても穂先が水際から出さないように、操作すればチヌは逃げる可能性が低いです。
石畳の幅が4m以下(正確には水際までの幅)の場合は、歩く方向から振るとチヌが穂先に気付きやすいので、歩いて来た後方から水際から穂先が出ないように振ります。
●石畳幅が5m以上
護岸から直角に水際を見てチヌを発見すると、竿を歩く方向に寝かせて穂先が水際に入らないよう距離まで近付き、竿をサイドスローでチヌの真上の水面基準に水平角が20度以下の領域で竿を振ります。
20度以上に竿が出るとチヌは竿に気付いて逃げる確率が高まります。
[注意]
PEラインが水際の波にもまれて石畳に絡む場合があるので、竿の寝かせる角度やラインテンションを掛けない程度にたるませる事が必要です。
●石畳幅が4m以下
歩く方向の斜め前方にチヌを発見すると、チヌの方向を向いて穂先がチヌが居る手前の水際から出ない距離まで近付き、体をチヌの正面を向かせて竿を後方からサイドスローで手首のスナップを使ってビシッと振ります。
慣れないと後方からの竿振りは難しいですが、歩く方向から竿を振るとチヌが穂先に気付いて逃げ出す確率はかなり高いです。
<ノウハウ>
例えばチヌを2~3mの近くで発見してチヌがこちらに気付いて無ければ、釣り人はその場で動きを止めて餌を手投げします。手投げするときに、大振りせずスナップを使って臨界角の円の外側に投げします。
この方法は、波などできずチヌが見え難い場合に、チヌに接近して発見した時に有効な手段です。
餌打ちの基本は、臨界角の外側の全反射領域で、餌が着底するまでチヌが気付かないポイントに着水音を立てずに打つ事が基本です。臨界角の内側でも釣れる場合がありますが、釣る確率を高めるには臨界角の円の外側がベストです。
<ポイント>
●餌打ちの基本
餌打ちのポイントは、見えチヌの動きを予測してチヌが気付かないように着底できるポイントに打って、餌を誘わなくてもチヌが気付く事が理想の餌打ちポイントです。
●泳いでいるチヌ
泳いでいるチヌの場合は、泳ぐ速さや水深によりますが、泳ぐ方向の1.5~3m先に餌打ちします。
●餌を探しているチヌ
餌を求めてウロウロ泳いでいるチヌは、泳ぐ方向が読めないので餌打ちポイントは迷いますが、予想したコースを泳いで来て、餌をチヌが気付く前に着底できれば釣れる可能性が高いです。
●食事中のチヌ
食事中のチヌの場合は、臨界角の外側付近に餌打ちしますが、食事中のチヌは餌に気付き難くいので、餌打ちポイントはチヌが気付くまでに着底できて、着底後に気付くであろう餌打ちのポイントの見極めが重要です。
見えチヌに対して餌を打つポイントの基本は、下記の3つの条件から決めますが定番の餌打ちポイントについて紹介します。
①臨界角の円の外側
②海底の構造
③チヌの動き
臨界角の外側で定番の打つ場所は、下図の通り臨界角円のチヌの先になります。
理由は、餌を誘う時にチヌの動きに合わせて手前や左右に動かせ易いためです。
着水音を極力小さくすることです。着水する直前にラインを気持ち張って水面に置けるように心持さを手首を使って起こします。
餌が着水すると、餌を自然に沈めるためにラインは緩めます。餌が沈む途中のフォールでアタリを取りたく、ラインを張ってゆっくり沈めるとチヌは危険を察知して逃げます。アタリは殆どが着底後で、フォールでアタリが出るとしたらテトラ際や、護岸際など、沈んでいる餌の近くに構造物が有る場合くらいです。
<注意点>
穂先が臨界角円の上空を通過したり、PEラインが臨界角の円の内側に着水すると危険を察知して逃げる確率が高まります。
但し、ハリスが臨界角の円の内に着水しても逃げることはありませんので、ハリスを2m程度にしている理由の一つとなっています。
石畳などの際を石畳と平行に泳いでいるチヌは釣り易いです。
理由は、チヌが泳いでいる方向の予測が容易で、チヌの泳ぐ方向の3m程度先に餌打ちするため、チヌから距離があり穂先や釣り人の動きで逃げる確率が低くなります。
また、チヌが近づくまでに餌を着底させて待っていると、チヌが餌に気付くと潜水して餌に近付き、1~2秒程度観察して釣針が見えないなど違和感が無ければ食ってきます。
チヌが餌に気付かず素通りしそうになった時は、通過時点に誘うと餌に気付いてUターンして餌に近付く場合もありますが、誘うのでハリスが張りチヌが危険を察知して逃げるリスクがあるので、チヌが通過した後に餌を回収して、再び餌に気付かず通過して泳いでいるチヌに先回りして餌打ちする方法もあります。
釣り方に慣れると、チヌが泳ぐ速度と水深から餌打ちポイントを決めて、餌が沈下して海底に着底する直前にチヌが気付くように餌打ちできれば、誘いせずに食ってくる可能性があるので、チヌが逃げるリスクが高い誘いを行う必要がありません。
石畳の駆け上がりやゴロタ場、砂地の海底などで、餌を求めてウロウロしているチヌは、泳ぐコースが読めないため餌打ちポイントは悩みますが、予測がぴったり当たりチヌが探している餌と同じであれば「餌を見つけた!」と思うのか一気に近づいて餌を観察することなく食ってきます。但し、探している餌と違う場合は、近付いて1~2秒程度観察して違和感が無ければ食ってきます。
下記の写真は、水深50cm程度の石畳の駆け上がりを餌を探してウロウロしているチヌです。泳ぐコースを予測して餌打ちしますが、考えられる泳ぐコースが2通りあります。チヌの行動を見ていると石畳の駆け上がりの上の水深が浅い場所を中心にウロウロするケースが多いので、餌打ちポイントはコース②に打ちます。
食事中のチヌは、活性が高そうで釣れそうと思われるかと思いますが実際は難しいです。
理由は、食事を終えて泳ぎ出すコースが読めないので、餌を落とすポイントは難しいです。
下記の写真は、石畳の隙間に入ってイガイかカキかフジツボを食べていると想像します。チヌが食べている餌と同じ餌をチヌの横に落とせば違和感なく食ってきますが、違うカニ餌を打つと大抵のチヌはビックリして逃げるので、食事を終えて穴から出てくる石の上に餌を打って待つことになりますが、出てくる方向が読めないです。
予測と違う方向に出てきた場合に誘うと大抵のチヌは逃げます。
下記の写真は、水深が40cm程度の砂地の海底で小さな石に付いているカキかフジツボを食べていると想像します。カニ餌を打つ場合は、1.5m程度離れた場所に着水音立てずに餌打ちして、50cm程度までゆっくり近付けて、あとはカニの自然な動きに任せてチヌが気付くのを待ちます。
餌が着底までにチヌが餌に気付いているか、または気付きそうであればそのまま待ちますが、
気付かなければ誘ってチヌが気付いたら、直ぐに誘いを止めることが基本の誘い方になります。
チヌが餌に気付いていることが分からなかったり、早く食わそうと誘うと餌が異様な動きになり危険を察知して逃げます。
餌の誘いの基本は、チヌの先に餌打ちして餌を手前に引いて誘いますが、チヌが気付かなくても近付ける距離は50cm程度まで止めます。50cm以下に近づけようとするとチヌが危険を察知して逃げる可能性が高まります。
チヌが誘っている餌に気付く距離は2~3m程度までです。ただ、3m程度の場合は、餌と判別できてなく、動く物に興味を持って近付いて来るようです。
<注意点①>
餌を誘う時に、穂先やPEラインが臨界角の円の内側に入らいように誘います。
<注意点②>
チヌの食事は、数十秒以上と長く同じ場所に留まっている場合があり、釣り人が待ちきれず餌をチヌに近付けると、餌の異様な動きにビックリして逃げる場合が多いです。
<注意点③>
チヌの動きに合わせて誘いたいときに、石畳やゴロタ石など障害物が有ると餌が引っ掛かてハリスがピンと張ってしまうと、チヌは危険を察知して逃げる確率が高まりますので、無理に誘わない方が良いです。打ち直してもチヌが逃げる確率が高いので、チヌが餌に気付くことに期待します。
<良くある行動>
食事中にチヌの直ぐ横に打った餌が、食事中の餌と同じであれば自然に食ってきます。しかし、違う餌であればビックリして逃げますが、気になるのか直ぐにUターンして餌を確認して、大抵のチヌは危険を察知して逃げますが、稀に違和感を感じないのか食ってくるチヌも居ます。このようなチヌの行動は、レアケースではなくよく見ます。
このチヌの行動を見ていると、チヌの本能は「用心深いが好奇心旺盛」ではなく、「臆病だが好奇心旺盛」に見えます。
アタリが無ければ竿を起こして餌を回収しますが、竿は歩いて来た後方に竿を斜めに倒して餌を回収し、竿は後方から回して歩く方向に寝かせて持ちます。
理由は、歩く方向に竿を起こすと、次に釣ろうとする見えチヌが逃げてしまう可能性があるためです。
教科書的なアタリは、最初にコンとラインを力強く叩くような当りが有るとラインを緩めて、数秒後のラインをスーッと引き込むアタリを待ってから合わせます。
コンのアタリ後にラインを緩めず、軽くでも張ったままだとカニ餌の場合は口の中でカニを砕いてた時に針が口からスッと抜けて出る可能性があります。
実際に多い当たりは、小さなコンとアタリがあるが居食いが多いので合わせは難しいです。
<食っている様子>
カニ餌をチヌが食っているいる様子を見ると、最初のコンのアタリでカニを口に入れて、しばらく口の中でコロコロ回しながら砕いているようです。食べ終わると、次の餌を求めて泳ぎ出した時にスーッとラインが引き込まれます。
<アタリの種類>
●いきなりシュと一気に引き込む
見えチヌの動きを見ていると、カニ餌を使った時に小型チヌに多い当たりで、餌を加えたまま別の場所に持って行こうとしているアタリの可能性があります。
このアタリで合わせてすっぽ抜けた餌を見ると無傷のケースが多いです。
同様のアタリでフグがありますが、フグの場合はカニの足や爪が1本無くなっているなど、何らかの傷があるケースが多いです。
●コンのアタリの後にシュと一気に引き込む
良型チヌに多い当たりで、餌を食っている時に危険を察知して餌を食ったまま逃げ出した可能性があります。
理由は、チヌの動きを見ていると危険を察知して逃げ出す泳ぎ方と同様です。何に危険を察知したかは分かりませんが、想像するにハリスが体に触れて違和感を感じたか、ラインや穂先、釣り人などが見えて可能性がありそうです。
●居食い
合わすタイミングは分からず未だに悩んでいます。
居食いのアタリを取りたく以前は、軽くラインテンション掛けて餌を口の中でコロコロ回して食っているコンコンのアタリの中で、穂先を少しでも抑えたコンの時に合わせていましたが、ラインテンションを掛けた時にカニ餌が砕かれて針が抜けたり、ラインテンションに違和感を感じて食っている餌を離したりしましたことが多かったので今はやっていません。
現状の合わせは、ラインテンションは緩めたまま、チヌの動きを見て食い終わってそうだったら手首で軽く竿を起こす程度で合わせています。合わせず軽くラインテンションを掛けて穂先が抑え込まれるか見ると、チヌは違和感を感じるのか餌を吐き出す場合が多かったです。
<餌の食い方>
●フグがカニ餌を食っている時
フグがカニ餌を食っている時は、チヌは横どりしようとせずに遠巻きに見ています。この光景は何度も見ていますので、チヌの習性と考えています。
●1匹のチヌが餌を食っている時
例えば、小型のチヌがカニ餌を食っている時は、他の大型のチヌでも餌を横取りに行かず遠巻きに見ています。ただ、小型チヌが餌を離すと、大型チヌが食いに行きます。どうも餌を複数匹で競い合って食べるような事はしないようです。この光景は何度も見ていますのでチヌの習性かと思います。
●チヌが食っている時のフグの動き
チヌが餌を食べている時は、フグはおこぼれを取ろうとチヌの顔の横まで近付いています。また、フグは複数匹で餌の奪い合いを行っています。
<針掛の確率>
イガイであれば、じっくり待って合わせると、釣れる確率は高いですが、カニ餌の合わせに関しては、未だに針掛けの確率を高めることができず試行錯誤しています。
カニ餌の「合わせ」手順だけ唯一プロセス定義ができておらす悩んでいます。カニ餌のアタリで針り掛りの確率は、海底の護岸構造や潮位や時間帯によって違いますが、平均で5割前後と低迷しています。
<重要>
アタリを合わせてすっぽ抜けたときのチヌの行動を見ていると、餌が何処に行ったか探しているチヌが多いです。そこで、ボロボロでも餌が付いていれば、そのまま見えているチヌに餌打ちすると、チヌは沈んでいる途中でも餌を見るけると一気に近づいて食らいつきます。
合わせを軽くする理油は、ビシッと合わせると大抵のチヌはビックリして逃げる場合が多いので、軽く合わせることですっぽ抜けてもチヌが逃げないようにするためです。
チヌを掛けると、歩いて来た後方にチヌを誘導して取り込みます。歩く行く方向にチヌを誘導すると、これから釣り歩く場所に見えチヌが居た場合に、針掛けしてやりとりしているチヌと一緒に泳ぎ出して、掛けたチヌを取り込む瞬間を見てから散っていきます。
取り込まれたことを目撃したチヌは、しばらくして護岸際に近付いて来る場合がありますが、そのチヌは餌打ちしても無視か、嫌ってゆっくり逃げていきます。
<重要>
取り込みの基本は、合わせた時に歩く方向に突っ走って竿を絞り込まれても、耐えて歩いて来た後方にチヌを誘導して取り込む事が基本です。
見えチヌを釣るには、護岸の構造毎に合わせた釣り方と釣り易い時間帯に釣行する事で、釣れる確率が高まります。代表的な海底構造について、経験と実績を元に釣りの難易度と、護岸構造毎の釣り方の基本を紹介します。
護岸構造毎の見えチヌ釣りの難易度を釣り易い順番に釣り方を解説します。
釣り難易度 | 護岸構造 |
釣り易い 難しい | 護岸下が狭い石畳 |
石畳 | |
石積み(斜めの駆上り) | |
砂地 | |
石積み(垂直の駆上り) | |
テトラ |
●釣り難易度
釣り易く初心者にお勧めです。
●特徴
餌打ちのポイント精度や着水音を小さくするなどの竿振り操作の難易度は低く、見えチヌを釣り易く初心者にお勧めです。
釣果が期待できる時期は水温が高い時期(瀬戸内海では6~12月頃)で、時間帯は石積みが水没する直前から約30cm浸かるまでがチヌの活性が高く釣果が期待できます。
●護岸構造
護岸の上から石畳までの高さが約3m以上あり、石畳の幅が約3m以下の場合は、上から覗き込んでもチヌが逃げることは少ないです。チヌの真上の水面を基準に水平角が20度以上あるので、光の屈折的にはチヌから釣り人は見えるハズです。
また、護岸際に釣り人が覗き込める低い塀があるとチヌが気付き難いようで釣り易いです。塀が無い場合は、護岸際に立つとチヌが逃げる可能性が高くなるので、1~2m護岸際から下がって釣ることになります。
●真上の釣り人が見えない理由
見えない理由は、経験的にチヌの魚体が横を向いていると真上付近は見えないようです。上を見る場合は、頭を斜め上に向けて見ています。また、チヌの目の真上付近に餌を打つと、餌がチヌの目の前まで沈んだ時にビックリして逃げます。これらの行動から魚体を横に向けている時は真上付近(概ね35度以下)は見えないと考えています。餌を捕食している場合は。下を向いてますので更に見えないと考えられますので、この場合はガッツリ体を乗り出して、餌を狙ったピンポイントへ打つことができると思います。
●釣り易い護岸写真
下記の写真は、塀の高さが40cm程度と低く竿を振るにも邪魔にならないため釣りやすいです。
注意点は、塀が低いので塀に上がる事ができますが、塀に上がった瞬間にチヌが逃げる確率が高まります。
下記の写真は、塀の高さが150cm程度あり、体を塀に寄せて護岸下を覗き込んでチヌを発見することになり竿振りも難しいですが、チヌが逃げる確率がかなり低いので、チヌに気付かれない竿の操作をすることで高釣果が期待できます。
●釣り方
釣り方の基本は、チヌに気付かれ難い真上付近で竿をコンパクトに振って餌打ちすることです。詳細手順は下記に示します。
①チヌを見つけるため歩く
下図の通り、チヌを見つけるため歩く時は、護岸と平行に寝かせて持ってゆっくり歩きます。ゆっくり歩く理由は、早く歩いてチヌを発見した瞬間に急に止まると、チヌが警戒する可能性が高まるためです。
②チヌを発見
チヌを発見すると、竿を護岸の壁を這わすように下げて、チヌの正面付近から竿を真上に起します。もし竿を斜めに起こすとチヌが竿に気付いて逃げる可能性が高まります。
③餌打ち
餌打ちは、振子の様に竿を真上にゆっくり上げて餌を着水音がしないように打ちます。
④餌打ちポイント
チヌが泳ぐコースを予測して、チヌが泳ぐコースの約50~100cm程度先に餌打ちします。
チヌの先に餌打ちする距離は、水深やチヌの動きによって判断します。もし、チヌの目の前に餌打ちすると大抵のチヌはビックリして逃げる確率が高いです。
●釣果が期待できる条件
石畳の上部が10~50cm程度沈んだ時がチヌの活性が高そうで、釣れる確率が高いです。
余談ですが、
波で護岸が泡立って活性が高い条件では、チヌから釣り人が見え難いのか、見えチヌを狙って次かち次と平均約40cmのチヌを爆釣できる場合があり楽しくてたまりません。ただ、波立つとチヌの発見は難しくなりますので、チヌの発見方法に慣れることが重要になります。
●釣り難易度
見えチヌを釣る事態が難しいですが、見えチヌ釣りの中では釣り易い方です。
フィッシュウィンドウや臨界角を意識した釣りをすれば、慣れるとコンスタントに釣れるようになります。
●特徴
水温が高い時期(瀬戸内海では6~11月頃)であれば、石畳の水際の水深が50cm以上あれば石畳に寄ってきます。
石畳での釣りは、本書の「■見えチヌを釣る基本」章を参照してください。
石畳は、河川の護岸構造として多く用いられていますし、チヌの餌が多く生息していますので、多数のチヌが寄っている場所になります。石畳での釣り方をマスターすることは、チヌの数釣りをするためには重要です。
●護岸構造
私が石畳と称し浮ているのは、満潮時に石積みされた上部の石畳の部分まで浸水する護岸構造です。
石畳①
隙間が少ない石畳は、石畳の駆け上がりをウロウロしている多く見かけますので、フィッシュウィンドウや臨界角を意識した釣りを釣る事で釣果が期待できます。
特に石畳の上部が沈む直前から沈んで30cm程度の水深までは、石畳の上部で捕食したいチヌが石畳の駆け上がりに、多数ウロウロしてる場合があり釣果が期待できます。
石畳②
隙間が大きい石畳は、チヌは満潮前後になると石の隙間に入って餌を捕食しますし、満潮から下げになると活性は徐々に低下して餌は食べないですが石の陰で休んで、見え難くなり見えチヌは釣り難くなります。
見えチヌを釣るには、満ち込みで石畳の水際の水深が50cm程度になって、石畳に近付くチヌを狙い撃ちする方法で釣果が期待できますので、釣る時間帯(潮位)は重要になります。
●釣り方
石畳で見えチヌを釣るためのポイントは下記の4点です。
①石畳に平行して泳いでいるチヌ
泳ぐコースが読めますので釣れる可能性が高いチヌです。
泳いでいる方向の1~3m先に餌打ちすることで釣れる可能性があります。餌打ちするチヌとの距離は、チヌの泳ぐ速さと水深で決めます。
チヌから遠目に餌打ちすると、沈んでい物体を餌とは認識していないようですが、沈んでいる物体の動きに興味を示して、泳いでいたチヌが潜水して物体に近付いて、餌と認識できて違和感が無ければ自然に食ってきます。
沈んでいる物体に気付いた時に餌とは認識していないと思われる事は泳ぎから推測できます。
②餌を食べているチヌ
釣れる可能性は低いチヌです。
活性は高いので食べている餌と同じ餌をチヌの横付近に打ち込めば、釣れる可能性は高いですが、食べている餌と違う場合は、50cm以上離して餌を打ち、食事中のチヌが次の餌を求めて泳ぎ出した時に打った餌に気付けば食う可能性は高いですが、泳ぎ出す方向が予測と違うと餌に気付かないです。気付かない時に誘うとピンと張ったハリスがにチヌが気付いて危険を察知して逃げる確率が高いです。
③餌を探しているチヌ
泳ぐコースを読んだ通り泳いで来て、餌に気付くと釣れる可能性は高いです。
石畳で餌を探しているチヌは、石と石との間を縫うように泳ぐ場合が多く、泳ぐコースを読んで0.5~1.5m先に餌打ちし、餌が着底後にチヌが餌に気付くと食ってくる可能性が高いです。餌に気付かなかった時に、誘ってチヌに気付かせようとすると、張ったハリスに危険を察知して逃げますので誘いはできないです。
④石の隙間で休んでいるチヌ
石の隙間をそうっと覗くとチヌの尻尾や、頭だけ見えている場合があります。このよなチヌは、水深が約30cm以下の浅場の石の陰に隠れている場合は、小さい目のカニをチヌの魚体の横辺りにそうっと餌打ちすると釣れる可能性が高いです。但し、チヌの目の前に餌を打つと逃げます。
深場の石の陰で休んでいるチヌは何故か釣れる確率は低いです。
●釣り難易度
綺麗に積まれた石積みは障害物が無いため難易度は高めです。
●特徴
歩くコースやチヌに気付かれない竿振り、着水音を立てない餌打ち、臨界角を考慮した餌打ちポイントを考えた釣りをしなければ釣り難いです。
春から初夏に掛けて低層の水温が約18度以上になる時期から秋から初冬に掛けて14度になる期間と、低層と上層の水温差が少ない河口付近では10度程度まで、満潮前後に石積みに見えているチヌが寄ってくる傾向があります。
●護岸構造
私が石積みと称しているのは、大潮の満潮時でも石積みされた上部は浸水しない護岸構造です。
下記の写真は、干潮では石積みの底の砂地が見えており、満潮になると石積みの上部付近まで潮位は上がりますが、上部の石畳まで浸水しません。
下記の写真は、石積みですが釣るのは難しいです。
理由は、石積みの上部に草を生い茂っており、歩く場合は石積みの傾斜を歩くことになりますが、この立ち位置ではチヌから釣り人が丸見えで近付くだけで逃げますので釣りにならないです。
●釣り方
①チヌを見つけるため歩く
石積みの上部を極力水際からチヌが見えるギリギリまで下がって竿を寝かせて持ってあるきます。
②チヌを発見
チヌを発見したときの釣人とチヌとの距離によって釣り方を変更します。
<ケース1>
穂先より先に居るチヌを発見した場合は、立ち止まって竿を振っても水際から穂先が河川側に入らない位置まで近付き餌打ちの準備します。
<ケース2>
穂先より手前でチヌを発見した場合では、そのままゆっくり歩き続けて穂先よりチヌが遠くなる位置まで歩き、ゆっくり振り返って餌打ちの準備をします。
理由は、穂先より手前で発見したチヌに対して、竿を振ると大抵のチヌは竿に気付いて危険を察知して逃げます。
③餌打ち
餌打ちは、チヌの動きに合わせて変更します。
<ケース1>
護岸と平行して泳いでいる場合は、泳いている方向の先にチヌが餌の着底まで気付かず、着底後に気付く距離に餌打ちします。距離は水深約1mを泳いでいる場合は、2m程度先に餌打ちすると、沈下物に気付いて潜水して餌に近付き、用心深いチヌはいきなり食わず違和感が無ければ食ってきます。
着底後に誘うと危険を察知して逃げる確率が高いので、基本的には誘いませんが、なんとか餌に気付いて欲しい場合は、ゆっくり誘いチヌが餌に気付いて、潜水はじめた瞬間に誘いを止めます。
<ケース2>
石積みの駆け上がりで餌を食べている場合は、河川の中央方向に約1m以上離して餌打ちして、着底直前にチヌの前方を約50cm離れて餌が通過するように誘い、チヌが気付いた瞬間に誘いを止めます。
④合わせ
チヌが食い終わって、移動した時にラインがスーッと引き込まれた時に合わせます。ただ、居食いが多いので、チヌの動きを見ながら合わせるしかないです。居食いでラインがスーッと引き込むまで長く待つと、針を異物と思うのか吐き出す場合があるので待ち過ぎは禁物で、合わせるタイミングは難しいです。
●釣り難易度
石畳が水没直後から30cm程度沈んだ頃が、見えチヌは釣り易いですが、石畳が水から出ていると釣るのは難いです。
●特徴
石畳が水から出ている場合は、石畳の先が垂直になっており駆け上がり際を泳ぐチヌは見え難いです。
石畳が水没直後から30cm程度水没することになると、餌を求めて石畳の上に上がりたいチヌが駆け上がりの上部で泳いでいるのが見えるようになります。
また、水温が高い時期(概ね18度以上)であれば、潮が引いて石畳が水からで出て、水深が50cm以下頃になるとチヌが石畳の際から少し離れて泳ぎ出しますので、に砂地の海底で釣る方法で釣ります。
●護岸構造
石畳の駆け上がりが垂直になっている。
●釣り方
石畳が10~30cm水没した頃に、チヌが石畳の駆け上がりの上部に見えたチヌに対して、餌打ちするポイントは、駆け上がりの上部の石畳の上に餌が着底させた方が食いが良い場合と、垂直の駆け上がりの底に餌を沈めた方が食いが良い場合が有り、状況に合わせて餌打ちポイントを変えながら釣ります。
もちろんチヌの上の水面を基準に水平角20度以下で竿振りや臨界角など、見えチヌを釣る基本を守らないと釣れる確率は低くなります。
●釣り難易度
様々な護岸構造の中で砂地の海底は一番難しいです。
●特徴
砂地の海底は、障害物が無いのでチヌから釣り人が良く見えますので、様々な護岸構造の中で最高の難易度ですが、釣り方をマスターすると数釣りができます。
また、障害物が無いのでチヌの行動が全て分かるため、見えているチヌが打った餌にスーッと近付いて、口の中で餌をコロコロ回して食って、泳ぐ去るとラインがスーッと引き込まれ、合わせを入れるとチヌが横向きになりいぶし銀をキラリとさせて猛ダッシュで泳ぎ出し、竿を一気に絞り込み糸鳴りがする情景を目の当たりにできますのでワクワクします。
●護岸構造
①砂地の海底
砂地の書いてであれば何処でも居るとはなく、例えばアサリが掘れる場所など貝類が沢山生息している場所が好条件です。
一見なんの変哲もない砂地の海底でも、干潮時に砂地を見るとチヌが掘ったと思われる穴が無数ちに開いている場合は、干潮からの満ち込みでチヌが寄ってきている可能性があります。
ただ、掘られた穴でも直径が50cm以上あるとエイが掘った可能性があります。
②ゴロタ石場
砂地の海底ではありませんが、砂地の海底と同様な釣り方で釣れます。
甲殻類や貝などの餌があるため、水温が高い時期であればえs干潮からの満ち込みで水深が30cm程度あれば上流に向かって上がってきます。
●釣り方
①穴を掘っているチヌ
穴を掘って餌を食べているチヌは、チヌの先に150cm以上離して餌を打って、手前にゆっくり引きます。引く時にはチヌより50cm以上離れた場所を引いて、チヌが気付いた瞬間に餌を止めると近付いてきます。
②水際と平行して泳いでいるチヌ
水際と平行して泳いでいるチヌは高確率で釣れる可能性があります。餌打ちポイントは、チヌが泳いでいる方向の2~3m先に打ちます。餌を売った後は誘わずじっと待っているとチヌが気付いて近付いて数秒観察しますが、違和感が無ければ食ってきます。
③ゴロタ石場
砂地と同じ釣り方をしますが、砂地の海底と違って着底した餌の場所が分かり辛く、誘いは石に掛かってできないです。無理に誘うとハリスやラインがピンと張ってチヌが危険を察知して逃げますので、餌打ち後はラインを緩めたまま自然な動きに任せます。
●釣り難易度
テトラ周辺で群れている見えチヌはよく見かけると思います。
一見簡単に釣れそうですが見えチヌを釣るのは難しいです。ただし、見えないチヌは釣り易いです。
●特徴
テトラがある場所は、河川の曲がりで流れが集中する場所で護岸を守るために設置している場合が多いです。水が集中するため必然的に水深がある場所になり、干潮でもテトラが常に水没している場所に居るチヌは釣り難いです。
水深が深い場所のテトラ周辺では多数のチヌが中層から上層に掛けて浮いて群れているの見かける事が多いと思います。チヌを見た感じでは、前打ちで簡単に釣れそうに思われるかも知れませんが、水深がある場所の見えチヌはなかなか釣れないです。
テトラで釣果が期待できるのは、浅場に設置してあるテトラで、干潮時にテトラが水から出るような場所です。
但し、テトラは見えチヌ釣りは難しくても、見えないチヌを釣るには好ポイントです。
●護岸構造
①テトラ
下記の写真は、整列せず無作為に置かれています。テトラの先は水深がありますので、テトラの隙間からチヌを発見しても餌打ちしてチヌが餌に気付く前に着底は難しく釣り難いです。
②テトラ
下記の写真は、整列して置かれたテトラです。テトラの先は水深があり見えチヌを釣るには難しい場所です。
③テトラ
浅場にテトラを整列して置かれて、テトラの先は砂地になっています。水深が50~80cm程度の時に、テトラの先の際をチヌが平行して泳い居るのがテトラの隙間から見えます。テトラが障害物となってチヌから釣り人が見え難いため釣り易いテトラです。
④テトラ
浅場にテトラを整列して置かれています。テトラの隙間が大きいため、テトラの先や手前の隙間などでウロウロしているチヌを見かけます。テトラが障害物になってチヌから釣り人が見え難いので釣り易いです。
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●釣り方
浅場に設置されてるテトラであれば、水深が50~100cm程度の時に釣果が期待できますが、水深があるテトラ周辺の見えチヌ釣りは、思うように釣れませんので釣行する優先順位を下げています。
①テトラ周辺に浮いているチヌ
水深のあるテトラ周辺に浮いているチヌは、釣れる可能性が低いので餌打ちしません。
②テトラの底付近で餌を食っているチヌ
カニ餌を使う場合は、チヌから30~50cm程度離れたテトラの側面にカニが貼り付くように餌打ちします。
イガイ餌を使う場合は、チヌが居る場所の上部のテトラに餌打ちして、ラインを緩めて自然に転がり落ちるようにします。
<注意点>
テトラの穴でチヌでアタリが有った場合は、ビシッと合わせるとテトラの穴に潜って出てこなくなりますので、アタリがあった時はゆっくり竿を起こしますと、チヌは抵抗せずにフラフラと浮いてきます。浮いた瞬間に一気に竿を起こしてテトラから離して主導権をチヌに与えないようにして釣り上げます。
<参考>
透明度が50~80cmでチヌが見えない場合は、ブラインドフィッシングになりますが、テトラは高釣果が期待できる可能性があります。
「護岸構造毎の釣りの基本」章は、見えチヌを釣るための教科書的な内容になっています。実際にチヌも生き物で頭脳を持っており、教科書的な釣り方で釣れることは少ないです。
本章では、私が実際に釣ったことが有るチヌの様々な行動から釣り方を紹介します。
水温が高い(海底水温が18度以上)時期によく見る光景ですが、干潮時に海に帰らず川筋などの石陰などに休んでいるチヌを見かけます。このチヌも餌の打ち方で釣れる可能性が高いです。
下記の写真は、ゴロタ石場の石の陰に休んでいるチヌです。濁りがありシルエットしか見えませんので、提灯釣りでそっと着水音をさせないでチヌの側面にカニ餌を落とすとカニの動きにチヌが気付いて釣れる可能性があります。
ただし、目の前に落とすとビックリして逃げます。
干潮で川筋などの水深1m以下の浅場に数十匹のチヌが集まって、潮が満るまで待っているような光景を見る場合があると思います。この群れているチヌが釣れるかの判断は、浮いているチヌ以外に海底で餌を探しているチヌが居る場合は、釣れる可能性がありますので、釣り方を紹介します。
但し、満潮で群れているチヌは釣れる可能性がかなり低しです。
先ず、餌はカニがベストで、餌打ち後にカニが動くことで自然な誘いになります。
餌の打ち方は至ってシンプルで、群れているチヌに気付かれないようにそっと近づき、水面基準に水平角20度以下や臨界角など無視して、群れているチヌの上で竿をビシッと振って餌打ちして竿止めて釣り人も動かずじっとします。竿を振ったことでチヌはビックリして一斉にドタバタしますが、、チヌは干潮で川の中央に逃げれないので、1分もしない内に元の落ち着きを取り戻します。その時は、カニ餌はチヌが居る海底で歩いており、落ち着きを取り戻した海底に居るチヌがカニを見つけて食ってくる可能性があります。
ただ、1匹は釣れて2匹目を狙おうと同じよう餌打ちしても、ドタバタ後にチヌはカニ餌の周りをウロウロしますが、2匹目以降は完全に警戒して滅多に釣れません。釣られなかった他のチヌは1匹目を釣られた事を見て危険な餌と分かっているようです。
2匹目を釣る方法として、特に橋桁下で有効な方法ですが掛けたチヌを怒らせずに、ゆっくりチヌが群れてない橋桁から5m以上離れた場所に誘導して釣り上げると、2匹目が釣れる場合もあります。
エイが護岸際を泳いでいると、エイの後方に2~3匹のチヌが一緒に泳いでいる場合があります。理由は、エイが食べ残したカキなどのおこぼれを食べるためです。
エイがテトラや石に付いたカキなどを食べだしたら前打ちできる態勢で構えて待ちます。エイが泳ぎ始めた瞬間にエイが餌を食っていた場所に、餌を打つと活性の高いチヌは餌に食らいつき、向こう合わせで高確率で釣れる可能性が高いです。使う餌はカニがベストです。
但し、竿を振る際には、チヌに気付かれないように水平角20度以下での竿振りは厳守しないと危険を察知して逃げる場合があります。
もしエイが護岸と平行して泳いでいたら、エイの後方にチヌが付いていなくても追っかけて餌を食いだすチャンスを待ちます。 チヌはどこからとなく2~3匹寄ってきます。
また、エイが餌を食わず泳いでいる時にチヌが付いている場合は、エイの前方にエイに掛からないように餌打ちすると、沈んでいる餌に気付いたチヌがカニを追っかけて潜って向こう合わせで釣れる場合が多いでです。
石畳の幅が狭い場所や、波などでチヌが見え難いので水際を歩いて約3m以下の距離でチヌを発見した場合に、竿を振って餌打ちするとチヌが逃げる可能性が高いので、竿で餌打ちせず手投げで餌打ちするとチヌが逃げる確率は下がります。
例えば、よくあるケースとして、石畳を歩いて釣る場合に波や太陽光でチヌが見難い時は、やむをえなず石畳の水際を歩きます。2~3mの近距離でチヌを発見した場合は、先ずは立ち止まって動きを止めて、チヌがこちらに気付いて無ければ餌を手で投げるために、竿をゆっくり動かしてチヌの方向に向けて餌を手で投げます。誘いが必要な場合は、チヌが危険を察知しないように、体は極威力動かさず手首だけで、穂先やPEラインが臨界角の内側に入らないようにゆっくり竿を動かして誘います。
この釣り方は、チヌは動かない物は警戒しない習性を利用して、接近戦でも釣人が動きを止めるとチヌは警戒しないため、意外に釣果が期待できる釣り方です。
流れ込みで見えチヌを釣る仕掛けは、ノーシンカーで小さ目のカニ餌を使って、穂先が水際に掛からないように護岸に這うように餌打ちして餌を流れに乗せます。
アタリはコンとラインを叩きますので分かり易いです。ただ、流れ込みはフグが多数居る場合がありますので、小型のカニを使うと簡単にフグに食われますので、簡単には釣れません。流れ込みで何回も竿を振って餌打ちするとチヌは嫌がって流れ込みから逃げて行きますので、餌打ちは3回までと考えてしっかりチヌを狙ってチヌの上流側に餌打ちすることです。
また、流れ込みの誘いはせず、自然に流します。誘いを行うとハリスが張ってチヌは危険を察知して逃げます。
また、チヌを掛けた場合は、流れ込みで取り込みすると他のチヌは警戒して2匹目は釣れない可能性が高いので、チヌを怒らせないように流れ込みから10m以上離して取り込みすると2匹目が釣れる可能性が高まります。
水門の流れ込み①
チヌの動きを見ながらチヌの上流50~100cmに餌打ちしてラインは自然に流します。
水門の流れ込み②
チヌが逃げ難い水門の真上付近から近付いて、竿を振った時にふt危険を察知して逃げないように水門のコンクリート際に這うように竿を操作して、そっと落としてラインを緩めて自然に流します。水流が速い場合や水深がある場合は、ガン玉3号程度を付けます。
夏場であれば、河川の上流の潮止までチヌが上がってきますので、チヌが釣れる場所河口から潮止までとなりますが、冬場は河口付近の海底と上層と水温差が少ない河口付近だけ釣れる校となります。
水温差があると、濁りが無くても透明度が低い場合が多いです。理由は、水温差で陽炎のような現象でのごって見えるためかと考えています。
前打ちで見えチヌ釣りを始めて11年目になりますが、今でも思いもよらぬ動きを目の当たりにできますので見て楽しくてたまりません。
河川の汽水域で釣れる場所は、河口から潮止まで5Km程度あれば両岸で10Kmあり、竿を出さる場所が3分の1程度あるとすると、6Kmも釣り歩けることになり釣り場をローテーションすれば、プレッシャーを掛けられてないチヌが多く居る可能性が高いので、高釣果が期待できます。
また、チヌが生息している場所は無数にありますので、新しい釣り場を探すのも楽しみの一つです。例えば、見えチヌを釣り始めた頃は、長靴で入れる水深約20cmで背ヒレや尾ヒレが水面から出している40cm以上の良型チヌがまぐれで1匹釣れるのではなく、何匹も釣れるなんて想像もつかなかった発見もあります。
本書を参考に見えチヌの楽しさを知って頂ければ幸いです。