初心者のためのチヌ前打ち入門
<更新履歴>
2021.1.15
2. ■必要最小限の道具章に道具追加
6. ■マメ知識章を追加
2021.1.10
新規作成
=== 目次(タップでジャンプ) ===
河川の汽水域の浅場で見えないチヌを釣るために、私が今までに積み重ねたノウハウを紹介します。この釣り方を参考に車横付けでお手軽に大型チヌが釣れる河川での前打ちの楽しさを知って頂ければと考えています。
本署では、前打ちによるチヌ釣りにおいて、1%でも釣れる確率をあげるために必要な基本的な釣り方を紹介します。
前打ちの一連の釣り方の流れは、竿を振って餌を打って餌が着底後、数秒間待ってアタリが無ければ餌を回収して移動し、また竿を振って餌を打つ単純な操作の繰り返しですが、この中にチヌを釣る確率を上げるために多くのノウハウがあります。
<重要>
釣り方の紹介の中で随所に「確率」を使っていますが、理由はチヌが釣れる確率を1%でも高めたいためです。これだけやれば、いつも数釣りができる技は無いと思います。少しづつ積み重ねる意識を常に持つことが上達するための早道と考えています。
また、前打ちの基本を知っている事を前提にした河川の汽水域で見えチヌの数釣りを紹介したページも参照してください。
見えチヌの数釣りをいつもできるようにするための詳細な釣り方を紹介しています。
●チヌが前打ちで釣れる河川のポイントと釣果実績を紹介
実際に釣行した河川のポイントや釣果実績を紹介しています。
●チヌを前打ちで釣る実践の紹介
釣行目的別に釣行前の準備から釣り方まで戦略を紹介しています。
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必要最低限の道具と、私が使っている物を参考すkまでに紹介します。
竿だけ手持ちして、他の道具は全てウエストポーチに入れるか、ボディに掛けています。
●竿
5.4m程度の竿であれば、過去に80カ所の河川の様々なポイントに釣りに行きましたが9割程度の場所で使えます。
お勧めは、高調子・先調子の竿が、風が有っても餌打ちするときにビシッと竿を振って、狙った場所に餌を打ち易いです。また、当りはラインで取りますので少々硬くても大丈夫です。
もし前打ち専用の竿を購入するのであれば、4.5-5.4m程度のズームがあれば、大抵の場所で使えますし、4.5mで使えば少々長いかと思いますがヘチ釣りもできると思います。
●リール
チヌを掛けた直後の突っ込みに対応できるドラグが思うように操作できるリールがお勧めですが、最初は何でも良いです。
●玉網
玉の柄は5m程度あれば大抵の場所で対応できます。玉網は、肩掛けまたは腰掛け出来るようにします。
お勧めは、腰掛して網を折りたためる折畳ジョイントがある便利です。
●餌箱
餌箱は、8cm程度の深さがあるタッパで良いので、ベルトに縛って腰にセットできれば使えます。
お勧めは、チヌ落とし込み専用の木箱などがありますが、フカセ用の大きめのエサバッカンにベルトを縛り付けて腰にセットします。また、餌箱の底には薄いナイロンタワシを敷して海水を湿らる程度にすることで、長時間カニが弱らないです。
カニが浸かる程度に海水を入れると酸欠で弱りが速いです。
●ライン
PE1号で視認性が良い白色を使います。
お勧めは、DUELのPEライン アーマードF 1号白がPEの断面が丸に近いので、糸ヨレができてもラインが目立ち難いです。
●ハリス
1.7号(フロロカーボン100%)だけあれば1年中使えます。
前打ちを始めた時は、1.2号~2号までを使い分けていましたが、見えチヌを釣る時にいろいろ試した結果、ハリスの太さの違いでチヌが逃げる確率は変わりませんでした。ハリスが切れにくい2号が良さそうですが、2号は根掛りした時になかなか切れないなど対処が面倒なので1.7号を使っています。
お勧めは、根ズレに強くコスパが良い東レ トヨフロン スーパーL ハードです。
●釣針
チヌ針の2号(黒色)が有れば良いです。
お勧めは、がまかつのチヌRがカニの固い甲羅でもスーッと刺すことができます。
●ガン玉
釣り方に慣れると、2Bがあれば水深が浅い場所や無風時などの大抵の場所や条件で使えますが、慣れない打ちは、2号~3Bまであれば安心かと思います。
お勧めは、硬めのガン玉です。軟いガン玉は、チヌが餌を食った時にガン玉を潰されたり、餌打ちを繰り返すと外れてしまう場合がありますので、取れにくい商品に柔らかいと記載されていないガン玉を使っています。
●ハサミ
PEラインが切れるハサミが有れば何でも良いです。
お勧めではありませんが、使い続けると切れが悪くなるので、消耗品と考えて500円前後の安物を使っています。
●ガン玉プライヤー
針にガン玉を付けるときに手早く簡単に付けることができて便利です。
ハリスに付けることはお勧めできませんので、何とかして針にガン玉を付けて下さい。
お勧めではありませんが、私が使っているのは「ベルモントのガン玉小僧」です。
●フェルトスパイク長靴
滑っり易い石畳の上を安全に歩くにはフェルトスパイクは必須です。
お勧めではありませんが、私は5000円前後の安い物を購入していますが、十分安全に歩けます。
●ウエストポーチ
小物入れに使います。
●ヘラ
イガイ採取するために使います。
お勧めは、石畳の隙間に居るイガイを取る時に、幅が3cm程度の狭いヘラが使いやすいです。ウェストポーチに収納も幅広いヘラよりコンパクトで納めやすいです。100円均一で購入できます。
●タオル
餌を使いますのでタオルは必須です。
タオルを腰のベルトに掛けておきます。
●手袋
カキなどが付いた石の下に居るカニの捕獲に使います。
お勧めは、手の平がゴム素材でできた物が安全で使い易いです。
●ストリンガー
釣ったチヌを生かすために使います。
お勧めは、特にありませんが浮が付いたストリンガーは使いにくいです。何も付いていないシンプルな物が使い易くコンパクトに収納できます。また、ストリンガーにはバネ式とフック式がありますが、好みで選択すれば良いかと思いますが、ばね式はバネの部分が丸く(当然ですが)嵩張るのでフック式を使っています。
●レインコート
前打ちを始めた当初は、高透湿など機能性にすぐれた上下分かれたカッパを使っていましたが、前打ちは歩いて釣るため雨が降るか怪しい時にカッパを持ち歩くには嵩張りますし、使用後のカビが生えないようにメンテナンスするなど手間がかかります。そこで、座る事が殆ど無く歩いて釣るためレインコートを使っています。
お勧めは、100円均一で購入できる厚手のレインコートです。長靴と併用すれば、土砂降りの雨でも釣りを続ける事ができますし、使わないときはポケットに収納できます。大事に使えば3回程度は使えますのでランニングコストは約40円/回となり、高級なレインコートを購入するよりコスパは良いです。
<100均一カッパを使うポイント>
レインフードが風でめくれないようにするため、同じく100円均一で購入できるマジックテープ式のゴムベルトでフードの上から首を軽く締めておくと、少々の風でも大丈夫です。
●針結び
慣れた結び方で良いです。
お勧めではありませんが、外掛け結びが真冬で手がかじかんだ時でも短時間に結べます。
ハリスを結んだ後に針にガン玉を付けます。
●ハリス
ハリスは1.7号を2mの長さにします。
ハリスの長さを決める考え方は、汽水域の透明度+30cmとしていますが、透明度が2m以上有ってもハリスは2mあれば大丈夫です。
根掛などで針を結び直したりしてハリスが短くなると、チヌがPEラインに気付いて逃げる確率が高まりますので、ハリスの交換時期は汽水域の透明度+30cmとなります。
●ハリスとPEラインの結び
慣れた結び方で良いです。
お勧めは、8の字結びが仕掛けの交換が速くできますし強度も十分あります。
この結び方で、69cmのコブダイを釣ったこともあります。
●ライン
PEラインは1号を150m程度巻きます。
お勧めの使い方は、PEが汚れたり傷むと切って使います。徐々に短くなりますが、年間50回以上釣行しても150m巻いて2年以上持ちます。残りが50m程度になったら交換します。
餌はカニをメインに使い状況に合わせてイガイも使います。
その他の餌は使いません。正確には、河川の汽水域で採取できる餌をいろいろ試しました。例えば、カキ、フジツボ、アオサノリ、ゴカイなどえs、使い勝手が悪かったり、餌持ちが悪い、長期保管できないなど、課題が多く使うのを諦めました。
●カニの種類
使うカニは、河口の干潮時に石の下に居るイワガニまたはイソガニの仲間を1年を通して使います。
夏場は、食いが良いフタバカクガニを捕獲できれば使っています。
●必要匹数
前打ちを始めて行うのであれば、40匹程度確保できれば1日使えると思います。
時間が有れば干潮時に捕獲して欲しいですが、難しければ釣具店で購入します。
私の場合は、大小の大きさのカニを干潮時に100匹程度は捕獲します。
前打ちで使う標準的なカニのサイズは、見えないチヌ相手なので、甲羅サイズが100円玉前後を基準に状況を見ながら1円玉から500円玉程度までの大小のカニを使い分けます。
<100円玉前後>
標準的に使うサイズです。
<10円玉前後>
濁りが有り透明度が80cm以下場合や、流れが速い場合に使用します。
<500円玉前後>
濁りが有り透明度が50cm以下場合や、波が高い場合に使います。
<1円玉サイズ>
冬場の海底と水面の水温差が有る場合や、干潮で物陰でじっとしているチヌを狙う場合や、カニが少なそうな護岸構造の場合に使用します。
<1円玉サイズ以下>
活性が低い時や、水面が鏡の様な無風の場合に着水音を小さくするときに使用します。
カニの刺し方は、一般的には、尻掛けや足の付けに刺す方法が一般的ですが、チヌが、カニ気付いて20cm程度まで近づいてくるのですが、じっと見て見切って俊敏にUターンして逃げたり、食った餌に違和感を感じて吐き出して逃げたりするケースが多かったです。
試行錯誤した結果、見切られる確率が低くなった針の刺し方を紹介します。
活カニが当然良いのですが、保存期間を考えると冷凍ガニ(死んだカニ)は魅力で、実際に試してみましたが意外に使えます。場所によっては、活カニより冷凍カニの方が釣果が良い場所もありました。
●冷凍カニが良いケース
・夏場の活性の高い時期や、テトラ際は冷凍カニが使い易いです。
活カニは、落とし込んで約5秒待つだけでテトラの奥に這い込み根掛しますが、凍カニは、着底後動き回らないので、食い渋り時やチヌが気付くまで着底後長い間待つことができます。
・夏場の濁りがある場合は、冷凍カニで十分です。
●冷凍ガニで釣れないケース
・海底が砂地は難しいです。
砂地に着底後、腹を上にして裏返ったカニは食ってこないです。
1cm程度のイガイを5粒程度を使ってヒゲに針を引っかけて房掛けにします。
落し込みのように大きめの1個を付けただけでは、アタリの頻度が極端に低下します。
前打ちを行うにあたり、河川の汽水域で釣り易い護岸構造を紹介ます。
最初に竿を振る操作が不要な提灯釣りで、穂先から餌までの操作をマスターして頂きたいです。
次に、護岸などから石畳先に竿を振って餌を打つ釣り方で、竿の振って着水音を立てずに餌を落して、アタリが無ければ回収するまでの竿の振り方を紹介ます。
提灯釣りが一番簡単な前打ち釣りと思います。
竿を振って餌を飛ばす必要は無く、クレーンの様に餌打ちしたいポイントに竿を下げて、餌の着水音を立てずに狙った場所に落として、アタリがあれば合わせて取り込むだけの単純な操作ですが、前打ちで釣果を上げるためのノウハウが沢山ありますので、基本をしっかりマスターして頂きたいです。
提灯釣りし易い護岸構造を紹介します。
<石畳の先が垂直に落ち込んでいる構造>
石畳の先が垂直に落ち込んでいる構造であれば、汽水域の透明度が高くチヌが見える状態でも、チヌから釣り人は見えませんので釣果が期待できます。また、河川敷の遊歩道などから釣れる場所があれば、歩き易く最高の釣り場になります。
また、石畳幅が3m程度であれば、4.5mの軽い竿を使えるので扱い易いです。
<石畳の先が斜めに駆け上がている構造>
石畳の先の駆け上がりが斜めになっている構造のため、汽水域の透明度が高いとチヌから釣り人が見えるため、透明度が低くチヌが見えない時期に釣果が期待できます。
<満潮時に水没する幅が広い石畳の構造>
石畳の幅が5m以上有って、満潮時に水没する護岸構造であれば、石畳の上から釣る事ができますが、汽水域の透明度が高いと石畳がしっかり水面に出ている潮位では、チヌが竿に気付いて逃げて釣りになりませんが、潮位が上がって石畳が水没する直前から10cm程度水没するまでは、石畳の駆け上がりの上部付近で波立って、チヌから釣り人が見え難くなる場合があり、同時にチヌが石畳の上に泳いで行き餌を探したく、石畳の駆け上がりで待機している活性の高いチヌが釣れる可能性があります。
提灯釣りを行うにあたって、釣り易い条件と釣り難い条件を紹介します。
<釣り易い条件>
●水深
餌打ちする水深が1~1.5mに居るチヌが活性が高い場合が多いです。水深が1.5m以上でも50cm程度以内に岸壁や捨て石・テトラなどの構造物があれば釣れる可能性があります。
●透明度
汽水域の透明度が50~80cm程度でチヌが見えない場合が釣り易く釣果が期待できます。
●時期
瀬戸内海で、概ね6月~11月です。海底の水温が18度になる初夏から14度に下がる初冬までが河川の汽水域で釣り易い時期になります。
●風
向い風で水際が波が立っている時が、チヌが餌を追っかけて活性が高い場合が多いです。見えチヌが居る場合で、餌打ちで着水音がしても餌探しに夢中になっており警戒心が薄れているようで釣り易いです。
<重要>
河川に到着後、風の方向を見て釣り難いですが向い風になる護岸から釣りを始めます。これも釣る確率を上げる要素と考えています。
●潮位
干潮から満潮まで場所を変えながら釣る事ができます。
<重要>
釣り易い潮位を紹介します。
①石畳上部
水位が上昇して石畳が水没しチヌが石畳の上を泳ぎ出しますので、濁りで見えない時にチヌが居ると考えて餌打ちすると釣れる可能性があります。
②石畳の駆け上がり
石畳の駆け上がりが水没する直前から水深が50cm程度前は、駆け上がりにチヌが居る可能性が高いです。
③海底がゴロタ石やテトラ
海底のゴロタ石や、テトラ等から水面まで30~80cm程度までは、ゴロタ石や、テトラ際や上部で釣れる可能性があります。
④海底から水深
海底から水深が30-80cmの時に釣れる可能性があります。この場合は、干潮で石やテトラの陰で休んでいるチヌに、小さい餌をそっと打つと食ってくる可能性があります。
<釣り場を変更する条件>
●透明度が高い
水深が1~1.5m程度の海底が見える場合は、提灯釣りは竿を振った瞬間にチヌが竿をに気付いて逃げる確率が非常に高くなり、釣りにならない場合が多いです。
●1往復して移動
前打ち釣りは、基本的には1往復すると次の場所に移動します。
<重要>
同じ場所で2往復釣りたい場合は、2往復目は面倒ですが、反対の端から始めるか、1~2時間程度、場を休めて始めるた方が良いかと思います。理由は、見えチヌの行動を見ていると、1往復目の餌打ちで警戒したチヌは、大抵同じ場所に戻ってきていますが、打った餌に興味を示さず警戒している事が、チヌの動きから読み取れます。このことより、プレッシャーを掛けていないチヌが入ってきた時か、1往復目でプレッシャーを掛けられなかったチヌが釣れる可能性が高くなります。
●水温
河川の汽水域の上流で海底水温14度以下では、チヌが居ない確率が高いので、河口付近に釣り場を変更します。河口付近で海底の水温が10度以上あれば釣れる可能性はあります。
<参考>
海水温が10度以下になると、釣れる確率は低下しますので、前打ちを始めたばかりの方には、アタリが無ければ何が正しいのかも分からず技術修得にもならないので、前打ち釣りをお勧めできない条件です。
提灯釣りは、竿を振る操作以外の前打ちの釣り方の基本的な考え方が全て網羅されています。
前打ちはリールを付けていますが、投げ釣りのように竿を振ってラインを出すことはしません。餌を打つ時は、のべ竿と同じように竿を振って狙った場所に餌を打ちます。
リールが必要にな時は、チヌを掛けた後のやり取りで、状況に合わせてラインを出すために使います。
<餌打ち手順>
1)ハリス+ラインの長さ調整
餌から穂先までのハリス+ラインの長さをリールを巻いて調整します。
長さの調整は、餌を付けて竿を下げて着底した時にラインが少し緩んでいる位にします。
2)釣り開始
餌を打つときにできるだけ穂先を石畳の駆け上がりの上部から川に向かって出さないようにします。できれば50cm程度までにします。
もし見えチヌが居た場合に、竿に気付いて逃げる確率が高まります。
3)餌打ち
餌打ちするときの竿の操作は、上から下にゆっくり行い餌の着水音は立てないようにそっと打ちます。早く動かすと見えチヌが居た場合にチヌが気付いて逃げる可能性が高まります。
餌が着水した後は、自然な餌の沈下速度に任せるため、竿の下げる速度は餌の沈下速度より早く下げます。餌の沈下速度を竿の操作でゆっくりさせると、チヌのアタリが取り易いですが、チヌは餌を良く見ており違和感を感じると逃げだす確率が高まります。
また、餌が着底後は竿は動かさずじっとさせます。もし見えチヌが居た場合に竿をゆさゆさ動かしてると危険を察知して感じて逃げ出す確率が高まります。
<重要>
餌を沈ませる速度ですが、見えチヌを見ているとゆっくり落とすと、落ちている物に興味を示して見ますが、直ぐに見切られて逃げますので、早く沈めて着底さえる方が良いです。
また、ゆっくり沈めると、カニが大好物なフグの猛攻に遭って釣りにならないです。
<余談>
見えチヌの行動は、フグが先に餌を食べていると、何故か横取りせず遠巻きに見ているだけです。この光景は何度も見ており、体が大きいチヌがフグにアタックして横取りすると思ってましたが不思議です。また、チヌが餌を食っていてもフグは容赦なしに、おこぼれを取ろうとすぐ横にいます。もしかしてチヌは用心深いのではなく臆病なのかも知れません?
フカセ釣りで、餌が残る様になったらチヌが釣れると言いますが、もしかしてエサ取りがお腹いっぱいとなって何処かに行ったから刺し餌が残るようになっているかも知れません?
4)アタリ待ち
餌が着底後の待ち時間ですが、水温が高い時期や活性が高い時期は5秒程度で、水温が低い時期は10秒程度待ちます。何れにしてもチヌが餌に気付いて食い気があれば、直ぐに代表的なアタリとして、ラインをコンと弾くようなアタリや、ラインを早く引っ張るようなアタリがありますが、基本的にはラインをゆっくりスーッを引き込みアタリで合わせます。
ラインを引き込むアタリでも、ラインを早くスッと引っ張り込むアタリは乗らない確率が高いです。この場合の見えチヌの行動をみていると2つのパターンがありました。
1)周辺に複数のチヌが居て餌を甘噛みして、安全な場所で食べようと持ち去っているアタリ。
2)餌を食っている時に危険を感じて逃げ去るアタリ。
5)餌の回収判断
餌が着底して5~10秒でアタリが無い場合は、近くにチヌが居ないと判断して餌を回収します。
長く待てば、通りがかりのチヌが餌に気付くことに期待とになりますが釣れる可能性は低いです。また、カニ餌であれば岩の隙間などに入り込んで根掛かりします。
数釣りするためには、餌を打ってじっくり待つより、より多く歩いて餌打ちの回数を増やすことだと考えています。
6)餌の回収前にアタリの確認
前打ちは居食いが多いので、最初は食っている可能性を考慮して、そ~っと真上にラインテンションが軽く掛かる程度まで上げて、穂先が抑え込まれなければ、そのままゆっくり真上に上げて回収します
もし、穂先が1cm程度抑え込まれた感じがあれば、その状態で1~2秒程度チヌの魚信があるか待ちます。
コツンなどの魚信を感じれば、すかさずラインテンションを少し緩めてます。ラインが引き込まれたら少し送り込んで手首を起こす程度の軽く合わせます。また、5~10秒程度待ちってラインが引き込まれなければ、餌を離したか居食い終わっている可能性があるので手首を起こす程度の軽く合わせます。
穂先が抑え込まれたままであれば、根掛かチヌが居食い終わって休んでいる場所があるので、手首を起こす程度軽く合わせます。
<重要>
合わせるタイミングは、コンのアタリでは合わせない事です。見えチヌの食い方を見ていると、コンとしている間は、口の中で餌を回してかみ砕いているようです。ですから餌を回している間に合わせるとスッポ抜けする確率が高まりますので、食い込んでラインがスーッと引き込まれたから合わせるか、居食いの場合は食べ終わるとその場で休んでいる場合があるので、コンが終わってから数秒後にほんの少しラインテンションを掛けて穂先が抑え込まれたままの状態の時に合わせます。
<注意>
ラインまたは穂先でコンとアタリを感じたら必ず送り込んでラインを緩める事です。穂先でアタリを取ろうとラインテンションを掛けたままにすると、違和感を感じて餌を離したり、餌をかみ砕いているときにラインテンションにより、イガイは抜けることは少ないですがカニ餌の場合は針が口から抜ける場合があります。
そこで餌の付け方ですが、ラインテンションを掛けてなくても川の流れによってラインが張る場合があるので、カニ餌が抜け難くいように針は尻掛けでは無く足の付け根の筋肉が多い場所に刺すことが重要になります。
7)餌の回収し移動して餌打ち
アタリが無ければ餌を回収しますが、その時の竿の操作は、真上にスーッと上げて餌が水面に出るぐらいで止めて、竿を手前に引いて進行方向に向けて、、石畳の駆け上がりから遠避けてます。
理由は、竿を真上に上げてそのまま移動した場合に、もし水面近くに浮いた見えチヌが1匹でも居ると、竿に気付いて危険を察知して逃げだした時に、同じ場所に見えないチヌが居た場合は釣られて逃げ出しますので、チヌが危険を察知する可能性がある竿操作をしないことが基本です。
8)アタリの合わせ方
アタリが有ってからの合わせ方は、腕を起こして大きく合わせるのではなく、手首を起こすだけで合わせます。大きく合わせると、チヌがビックリして一気には泳ぎ出して竿を伸されて主導権を取られたり、他のチヌを刺激して散らしたりと、良い事は無さそうです。
9)餌がスポ抜けた場合の対処方法
餌がスッポ抜けた場合は、針に噛み砕かれてボロボロの餌でも付いていれば、すかさず同じ場所に餌を打ち返します。チヌは餌が何処に行ったか探している可能性が高く、沈んでいる途中の餌に気付くと食らいつき、ラインがスーッと引き込まれる場合が多々ありますので、スッポ抜けた時は諦めない事です。
10)チヌを掛けてからのやり取り
チヌを掛けたら引き寄せたくリールを巻かない事です。石畳の駆け上がりの場合は、ハリスが石畳のカキなどに擦れると簡単にハリス切れしますので、掛けたらラインを出して川の中央に向かって泳がせ、ある程度弱らせてから引き寄せて、石畳の駆け上がり付近にチヌが寄ってきた時に一気に浮かせて石畳の上で泳がせるようにして取り込みます。
<重要>
チヌを掛けたら歩いて来た方向にチヌを誘導してやり取りして取り込むようにします。
理由は、釣り歩く方向でやり取りすると、これから釣ろうとするチヌが散って釣りにならないためです。
提灯釣りで餌を打つ間隔は基本は5m間隔としていますが、汽水域の透明度と、アタリの有無で間隔を変えて短時間に効率よく釣りができるようにします。
<重要>
餌打ちを丁寧にしたく餌打ち間隔を狭くし過ぎると、次に打つポイントにチヌが居たとしても、竿の動きや餌の回収時や釣り人の動きに危険を察知して逃げる確率が高まり、チヌが逃げた場所に餌打ちすることになりますので、何時まで経っても釣れませんから、餌打ち間隔は重要です。
<参考>
私の餌打ちの時間は、水深1m程度の場所で、竿を振って餌を打って着底させて、アタリが無ければ回収するまで15秒程度です。少しでも多く歩いて餌打ち回数を増やすことで良い釣果になると考えています。
<参考>
私の前打ち時間の実例ですが、水深約1mで汽水域の透明度が50cm程度の時に、片道600mの距離を往復した1200mを1時間程度で釣り歩いています。この場所ではアタリが少なく餌打ち間隔を平均8m程度にしまして釣れたの1匹でした。例えば倍の2時間かけて丁寧に餌打ちして歩いて釣るよりは、餌打ち間隔を広げるか見切って、場所を変えて釣った方が経験的に釣果が上がっています。
項目 | 数値 |
釣り時間 | 約60分 |
釣り場距離(往復) | 約1200m |
前打ち間隔 | 平均8m |
1回の前打ち時間 | 24秒 |
計算式: 24秒 = 60分 / (1200m / 8m)
24秒には、8mの移動時間と餌付け、チヌ取り込み、ハリス切れ等のトラブル対処も平均化されて含みます。
前打ちは竿を振って狙ったポイントへ餌を投入してアタリを待つ釣りは、普通の前打ちと思われますが、河川の汽水域の浅場に居るチヌを釣るための竿の振り方があります。
ここで紹介する釣り方は見えないチヌを狙って釣る方法ですが、浅場の釣りがメインになりますので、もし見えチヌが居た場合も釣れる確率を高める事が可能な基本的な竿操作になります。
竿振って餌を前に飛ばす前打ちを行い易い護岸構造を紹介します。
<石畳の幅が5m以上ある構造>
石畳が水没していても石畳の幅が4m以下であれば提灯釣り出来ますが、4m以上となると難しいため、護岸から竿を振って餌を飛ばすことになります。
護岸が高いと竿は振り易いですが、もし見えチヌが居た場合は逃げる確率が高まり釣りにならない場合があります。
提灯釣りの条件に加えて下記があります。
<重要>
石畳の幅が5m以上ある構造で、潮位が上昇して石畳が20cm程度水没している時が、経験的にチヌの活性が高く釣り易いです。そこで私の釣り方を紹介しますと、例えばある場所Aの石畳は潮位が何センチなると石畳が20cm水没するか、場所Bの石畳は潮位が何センチで水没するかを記録しておいて、同じ場所で粘るのではなく潮位に合わせてチヌの活性が高い場所で釣る戦略を立てることで、釣果を上げる確率が上がると考えています。
餌を打った後のラインでアタリを取る手順は、提灯釣りを同じなので、ここで竿の振り方を紹介します。
1)餌打ちの竿の振り方
竿の振り方は、サイドスローで行います。餌を頭上から飛ばすオーバースローは使いません。振子のように下から餌を打つアンダースローは一部の護岸構造で使いますが、基本的にはサイドスローを使います。
2)サイドスローの振り方(無風時)
サイドスローの振り方は、極力竿を水面ギリギリまで竿を寝かせて手首のスナップを使ってシュッと素早く振って、餌が着水する直前に竿を手首でほんの少し起こしてラインを張って、餌の着水音がしないように水面に餌をそっと置くようにします。着水後は餌の着底までラインを張らずに着底を見越してラインをだらんとさせて竿をピタツと止めて着底後は、穂先では無く緩めたラインでアタリを待つ操作が基本です。アタリを待つ時に竿をユラユラ動かさないことです。
理由は、見えチヌを釣るには必須の竿の操作方法になりますので慣れて頂きたいです。見えチヌを見ていると、竿を止める・ゆっくり・素早くの何れかの操作を行う時にはチヌが逃げない確率が高いです。竿を起こして振ったり、中途半端な速度で竿を振るとに明らかに逃げる確率が高まっています。
3)サイドスローの振り方(風有り)
理想の餌打ちは、ピンポイントの場所に餌を無音で着水後は、竿で餌を操作せず自然に餌を沈ませると、チヌが餌に対して違和感を感じない確率が高まります。しかし、風があると思うように狙ったピンポイントに餌打ちすることは難しいです。
そこで、風がある場合の餌打ちの方法を紹介します。
サイドスローで極力竿を水面ギリギリまで竿を寝かせて、手首のスナップを使ってシュッと素早く振って、狙いのポイントより1m程度遠目に着水音が出ても良いので餌打ちします。餌を打った直後に竿を寝かせたまま引いて餌をスーッと手前に引き寄せて狙いのポイントで沈めます。餌を引く時に波音を立てないように10cm程度沈めて引きます。
4)アタリ待ち
提灯釣りと同じ
5)餌の回収判断
提灯釣りと同じ
6)餌の回収前にアタリの確認
提灯釣りと同じ
7)餌の回収方法
アタリが無い場合の餌を回収する方法は、歩いて来た後方に竿を斜めに起こして、餌を手元に回収します。餌の状態を確認し、竿を歩いて来た後方に倒してし餌打ち準備して、数メートル先の次の餌打ちポイントへ移動し、再びサイドスローで餌打ちする釣り方を繰り返ります。
<重要>
アタリが無い場合の餌の回収方法は、釣り歩く方向に竿を起こして手元に餌を回収する操作がやり易いですが、もし釣り歩く方向に見えチヌが居た場合に、竿に気付いて逃げる可能性があります。仮に見えるチヌ以外にも見えないチヌが居た場合に、見えチヌに釣られて周辺のチヌが逃げ出す可能性が高いです。そこで、少しでもチヌに危険を察知されないように歩いて来た後方に竿斜めに起こして餌を回収する方法としています。これにより少しでも釣れる確率が高まると考えています。
8)餌がスポ抜けた場合の対処方法
提灯釣りと同じ
9)チヌを掛けてからのやり取り
提灯釣りと同じ
餌打ちの間隔は、提灯釣りと基本的には同じですが、最小の餌打ち間隔は4m程度と広めにしています。
理由は、提灯釣りと違って竿を振る操作が有るので、周辺に居るチヌ警戒度が高まると経験的に感じています。
前打ちをするうえで知っておくと便利な知識を紹介します。
チヌが掛かった時に取り込む方法として、竿を後方に向けて起こして手前までチヌを寄せて取り込もうとすると、竿に負担が掛かって折れる可能性があります。竿に負担を掛けずにチヌを取り込むためには、竿を斜め前に起こして、玉網を伸ばして前の方でチヌを取り込む事で竿に負担が掛からず折れにくいです。
私は前打ちを始めたころに竿が折れ易い事を知らずに、何でなんでと思いながら穂先から2番目(#2)を3回も折ってやっと気付きました。高い勉強代になりました。
ストリンガーは、前打ちのように歩いて釣り歩く場合に、コンパクトに収納出来てとっても便利ですが、知って欲しい便利な事や注意点を紹介します。
<使い方>
使い方は紹介するまででもないと思いますが、参考までに記載します。
下あごの口と鰓の中央付近にストリンガーを刺します。この場所は力を入れなくてもスッと口の中に出血せずに刺さる部分があります。鰓に近い方で無理に刺そうとすると出血してチヌが弱る可能性が有りますので注意してください。
<便利な使い方>
●ストリンガーは脱着可能にする
ストリンガーとロープのセット物の安物を購入すると、ストリンガーはロープから脱着不可能になっている場合が多いですが、ロープには3つだけ脱着可能なスナップを付けて使います。
理由は、釣り歩くので一カ所で3匹以上釣れることは少ないですし、ストリンガーを沢山付けると収納時に嵩張ります。
また、脱着可能なスナップにするのは、釣り歩いて2か所にチヌを吊るしていた状態のときに、別の場所に車で移動して釣りをする場合に、回収時にスナップを外して一つのロープにまとめて魚体が乾かないようにビニール袋に入れて移動先で吊るします。移動先では、チヌを外したストリンガー付きロープを持ち歩くことで、チヌが釣れた場合に吊るすことができます。
●複数持って歩く
ストリンガーを複数持って歩くと、チヌを釣った時に釣った場所に吊るして釣りを続け、2匹目を釣ったときにも吊るしておき、帰りに回収すれば釣り時間のロスが少なくできます。
私の場合は、チヌの数釣りをしたくロスタイムを減らすために殆どリリースしますが、チヌを持帰る場合はストリンガーを2個持って歩きます。
<注意点>
●チヌを吊るしたストリンガー以外は海水に付けない
チヌが釣れるとストリンガーにチヌを吊るして海水に付けますが、チヌの付いていないストリンガーは、海水に付けずロープ巻金具付近に移動しておきます。
理由は、チヌが付いていないストリンガーを海水に付けると、チヌが泳ぎ回って石畳などの穴にチヌが入った時に、チヌが付いて無いストリンガーが石の隙間に掛かて取れなくなる場合があります。
一番安全な方法は、チヌを釣る度に脱着可能なスナップ付きのストリンガーをロープに付ける方法でが面倒なのでやってないです。
また、吊るすロープは回収する時の潮位を考慮して極力短くした方が良いです。長すぎるとチヌが思わぬ所まで泳いで行って、根掛して取れなくなる場合があります。
●吊るした場所に目印
チヌを釣ってその場に吊るした場合に、必ず目印となる流木などを立てたりします。吊るした時は、場所が分かっていても護岸構造はどこも同じような構造になってますし、潮位の変化で景色が変わって、吊るした場所が分からなくなることを防ぎます。
●盗難に注意
吊るした場所が分かり易いように目立つ場所に吊るすと、盗難にあう場合があります。私の場合は、河川の両岸を長い場合は2~3Kmくらい釣り歩きますので、吊るしている場所から見えない場所で釣っている事が多々あります。おそらく盗る人は吊るした場所付近に釣り人が居ないので忘れて帰ったと思うかもしれませんが怒りがあります。チヌは要らないからストリンガーだけは返して欲しいです。3回も盗難に遭いましたので、ストリンガーは盗られても良いように今は安物を使っています。
私自身は釣るのが楽しくて、釣ったチヌはサイズ記録と写真撮影して殆どリリースしますが、12月から2月頃までのチヌは脂が乗って美味しいので知人や近所から頼まれて必要な分だけ持帰る事が多くなります。
そこで、釣ったチヌを美味しく食べるには、やはり血抜きが重要かと思います。血抜きには様々な方法がありますが、私自身が行っているお手軽な血抜き方法を紹介します。
<血抜きの手順>
①釣ったチヌは、ストリンガーに付けて帰るまで吊るして生かしておきます。
②帰る時にストリンガーを付けたまま、チヌの鰓蓋を開けて鰓の上部をナイフで切ります。切るのは片側の鰓蓋からだけで良いです。
ここで注意点として、2点あります。
1)ナイフは切れ味が悪いナイフだと血の抜けが悪そうに見えるので、研いで切れ味が良いナイフで一回でスパッと鰓を切ると血抜きが良さそうです。
2)使うナイフは細身が鰓蓋を大きく広げずに切れるためお勧めです。
参考までに私が使っているナイフを紹介します。ボールペンのボディと同等の幅のペーパーナイフを研いで刃を付けて使っています。
使い込んで錆ていますが、こまめに研いでいますので切れ味は良いです。
③鰓を切ったチヌは、血が凝固する前に直ぐに海水に5分程度浸けて泳がせます。できれば鰓を切って10秒以内にストリンガーを付けたまま海水に浸けて泳がせると血の抜きが良さそうに見えます。
④泳がせている間に竿などのタックルを後片付けます。
⑤最後にチヌを引き上げて、10秒程度観察して血が鰓蓋の間から出なければ血抜き完了の目安です。もし血が出るようであれば再度海水に浸けて泳がせます。
⑥血が鰓蓋から出なくなると氷の入ったクーラーに入れますが、直接氷がチヌに当たると冷凍焼けになる可能性があるのでタオル1枚を氷とチヌの間に敷くと良いです。
以上ような方法でやっています。
一般的な締めは、脳天を切ったり、神経締めするために尾の付け根って行いますが、鰓切りの血抜きはチヌの外観を切らないため、見た目は無傷で綺麗なので友人などの御裾分けする時に見栄えが良いと考えています。
余談ですが、プロの料理人からも血抜きが完璧と褒められています。
見えないチヌを前打ちで釣るので、本署のような面倒な事をしなくても、竿を操作や餌の付け方や餌の打ち方を適当にやっても釣れるかと思いますが、まぐれで1匹釣れたのではなく、いつも数釣りができるようにするために、チヌを釣る確率が1%でも高くなる可能性を取り入れています。ただ、あまりにも面倒な操作が必要な割には効果が出ない方法は取り入れていません。
本書を参考に自分自身が釣り易いスタイルを考えて、前打ちを楽しんで頂ければ幸いです。